「印象派を超えて/点描の画家たち展」を見る | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。

愛知県在住の甥、S君から「愛知県美術館で叔父さんの好きな

スーラやゴッホの作品展をやっているよ」と連絡があった。

(日頃から、私は「画家ごっこ」をやってると吹聴しているのが

役に立ったみたいだ・・・)

愛知県美術館入場券
クレラー・ミュラー美術館(オランダ)
印象派を超えて・点描の画家たち
2014年2月25日~4月6日まで/愛知県美術館にて開催中


S君は親戚のなかで、私以外に唯一油絵を描いている人なので、

二人でいそいそと名古屋の愛知県美術館に出かけた。

ゴッホ・種まく人
種まく人(ミレーの「種まく人を」オマージュ)油彩
ゴッホ


有名なポスト印象派のゴッホの作品、それまでの筆跡を残さないで、

滑らかに描く伝統的な画法を否定し、絵具をできるだけ混ぜずに筆触をつけて

明るい発色=光を重要視した印象派をさらにゴッホ独自に発展させたもの。


今回の展覧会はスーラの点描画法に影響を受けた画家たちの作品を

系統的に展示し、その色の分割表現が色彩を形から独立させて

いかにモダンアートの基礎となったかをテーマとしている。

そして、その流れの中には野獣派のブラマンクの作品などもあり、

最後の展示室にはモンドリアンの作品で締めていた。

非常にコンセプトの感じられる展覧会でした。

(S君、付合ってくれてありがとう)

スーラ・海
ポール・アン・ベッサンの日曜日 油彩
スーラ

この画法の創始者、スーラは単に点々で絵を描いていただけではない、

その点々が
視覚内で混ざり合うと表現したい色彩がでるように科学的に

考えながら制作していた。(今の印刷物原理の色材の三原色を筆でやろうと

したんだな・・・時間がかかるだろうなあ)

この画法の代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の制作に

2年もかかった後、第8回印象派展で発表すると大反響があり、

いろんな画家たちがその画法の影響を受けたという。

シニヤック・室内
ダイニングルーム作品152 油彩
シニヤック

若くして死んだスーラの後に、分割主義と名付けて発展させた画家。

この画法の画家たちは今では新印象派と呼ばれている。

ゴッホ・レストラン
レストランの内部 油彩
ゴッホ

当時の若い画家たちは競って、この画法を試してみたようだ、

これはゴッホがオランダからパリに出てきた頃に描いた作品、

セザンヌやマチスなどもチャレンジしたようである。

しかし、隆盛を極めた点描もわずか5年くらいで下火となってしまった。

そのあまりにも分析的な手法が飽きられたようだ。

まあ、私が思うに「点」で描くのは面倒で時間がかかり、

かつ、完成した作品がどれもこれもよく似てしまい誰が描いても

同じようになるからでは?

これでは、個性を大切にする作家達は逃げ出すはずだ。

やはり点描の栄誉は開発者のスーラ個人にとどめるべきであろう。

とはいえ、次の世代に、また現代に与えた影響はとても大きいと言われている。

休日の万博公園-2
休日の万博公園-2   油彩・30号
このブログの最初にアップロードした「休日の万博公園-1」を
展覧会用にリメイクした作品、微妙に変えているよ。
(リタイアした会社のOB展出品)

まだ、まだ、勉強中の私はもう少し点描も続けるつもりです。

しかし、私が四字熟語で好きなのは「臨機応変」と「君子豹変」ですから

どうなるかわかりませんし、新しい表現も試みようと思っています。

まあ、私は君子とは言えませんが・・・