ネクサス 絆よ再び Act・2(再) | 妄想侍の隠れ家

ネクサス 絆よ再び Act・2(再)


消耗したところを襲撃され、敗れたネクサス。
戦いのあった場所の近辺を孤門は必死に走り回っていた。
ウルトラマンへ変身する能力を得たもの=適能者=デュナミスト、千樹 憐を探すためである。
既に、夜が明けようとしていた。だが憐の姿は見つからない。いかに訓練されたナイトレイダーの隊員といってもさすがに疲労の色は隠せない、孤門が立ち止まった時には肩で息をしていた。もう何時間山道を走り回っただろう。
「孤門。」後ろから走ってくる者がいる。
「何をしている、帰還命令がとっくに出ているんだぞ。」
ナイトレイダーの隊長、和倉英輔だった。
「隊長…。」
孤門はただうつむいているしかなかった。それでもなんとか言葉をつなぐ。
「ウルトラマンが敗れた。この近くにデュナミストが倒れているはずです。きっと傷ついた身体で…」
「お前の心情は解かる、だが前にも言ったはずだ、それは我々の仕事じゃない。帰還命令を無視するということは、隊を去るということだぞ。」
「それは…!そうかもしれませんが」
「まだビーストが死んだわけじゃない。いつ、次の出撃命令があってもおかしくはないんだ。本部に戻るぞ。」
「…はい。」
しぶしぶ孤門は、帰還の途につく。
「孤門。」
ふいに、和倉隊長が声をかけた。
「お前、デュナミストについて何か知っているんじゃないのか?」
孤門の表情が強ばった。
「…いえ、そんな事は…!」
「そうか・・・」

翌日、TLT-J本部。
「どういうことですか。」
TLT日本支部MP(メモリーポリス)の一員、野々宮瑞生が松永要一郎管理官の呼び出しを受けていた。
「もう一度言いましょう、千樹憐の監視ミッションはもう必要なくなった。あなたは今日から通常の任務に戻って結構です。」
松永管理官は淡々と連絡事項のみを伝えた。
「理由を聞かせてください。」
思わず立ち上がり管理官に詰め寄る瑞生。
「その必要はありません。あなた方は与えられた任務をただこなせばいいのです。命令に理由や意味を求めてはなりません。」
管理官は一瞥する一言付け加えた。
「それはあなた達ではない我々の仕事です。」
管理官が立ち去り、一人部屋に残された瑞生はただ立ち尽くすしかなかった。


同日、夜。フォートレスフリーダム・隊員用仮眠室。

 仮眠を取っていた孤門は、異様な気配を感じ取り、ベットから身体を起こした。
仮眠室を出て、静まり返った廊下を見渡す。
突き当りを曲がった場所、そこがおかしい。ディバイトシューターを手に取り、孤門は気配のする辺りへ歩いた。
「!?」
気配が一瞬で消え、背後に回りこんできた。
振り向く孤門。その目の前にいたのは。
「久しぶりだな。」
「お前は!」
「ファウスト…」
闇の巨人ダークファウスト。孤門にとって悪夢の記憶を呼び覚まされる相手だった。
「馬鹿な…!リコは死んだはず…。」
「リコ…あの女は、我が闇の拠り代となっただけ、私自身が消滅することは永遠にない…。奴と違ってな…」
「奴?まさか、ウルトラマンのことか!?」
ダークファウストの無表情な面が一瞬笑ったように見えた。
「そう、光の絆は絶ち切られた。お前達がウルトラマンと呼ぶ光の存在はもういない。」

「ウソだ!!」
孤門は手に持ったディバイトシューターを構えた。
だが、次の瞬間ファウストの姿は闇に溶け込み消えてしまった。
何もない空間に銃を構えたまま、孤門は呆然と呟いた。
「ウソだ…ウルトラマンが…消えるはずがない…。」

Act3 魂の牢獄 に続く…


再放送第2回目です。

やってる当人にとっては羞恥プレイに近い気分ですね(爆)


今見ると、やっぱ設定とか結構荒めです。

何分、これ書いてたの、丁度憐編がスタートしたばっかの頃ですしね。


それはそうとファウスト登場っす。

稲田声が、素敵な暗黒巨人。個人的にお気に入りだったので、敵役として選びました。

本当にかっこいいっすね、徹サイコー!!