驚きはしないけれどやれやれと溜め息 | yumizuki 解離性同一性障害の娘を見守って来て

yumizuki 解離性同一性障害の娘を見守って来て

もう完治して、一人息子と奮闘している元解離性同一性障害の娘を持つ母親です。

娘や孫との日々の中で感じ事なんかを語っていきたいなと思います。


解離性障害(解離性同一性障害を含む)は多彩な症状から、統合失調症や境界性パーソナリティ障害、うつ病等、様々な病気に誤診されてきました。

病名そのものがなかった頃や、一般に知れ渡っていなかった頃は仕方がないです。

今現在だって、自ら知識を求めていく方でもなければ、障害名を知っているだけでしかない方の方が多数です。

娘が病気を発症して医者探しに奔走していた時、卒業したてな若いお医者さんが、 解離性障害(解離性同一性障害を含む)と言うのは知ってはいますが治し方は判りません、と率直に言ってくれました。

このお医者さんの卒業した大学の病院に行ったことがありますが、一番偉そうな方から解離性障害(解離性同一性障害を含む)に対してえらく懐疑的な言葉を投げ付けられて、一応日本ではトップクラスに数えられる大学の医学部のトップがこれではねって日本の精神医療にガッカリしたものです。

若いお医者さんは解らないながらも色々調べてくれたり、他の病院への紹介状も一生懸命に書いてくれたりして、できる限りの事をしてもらったと思います。

治療者側に確かな知識がないのだからこの障害に対する正しい情報や理解が広まらないのはある意味し方がないのかもしれません。

たまに、気になるので娘の病気関連の事を検索かけたりするのですが、病気についての知識や治療法、私が病院探しをした頃と少しも変わっていないんですね。

時には退化してるんじゃないかって言葉に出会うこともあります。

統合失調症と解離性障害は同時に発症はしないと言われていましたし、統合失調症やパーソナリティ障害が重症化したものが解離性障害な訳でもないです。

これは、娘の病気を色々調べた時に間違わないようにと注意されていたことです。

娘が病気を発症したのがかれこれ九年前。

つい最近、統合失調症の症状の一つが 解離性障害だなんて医者に言われたと言う方を見掛けまして、本当に医者がそんな事を言ったのかと唖然としてしまいました。

精神科医の質の低さは医者探しに奔走していた頃に嫌と言うほど実感していますが、学ぶ姿勢のある方と無い方、ピンとキリの差が半端なく大き過ぎです。

人格さんには霊的存在の人格さんがいると大真面目に言う医者もいて、これについてカウンセラーさんに聞いたら、人格さんについての知識が中途半端にしかないんだねって言われました。

その医者は解離性同一性障害を数ヶ月で治したなんて豪語もしていて。

病気についての知識が乏しい私にもそんな短期間でなんとかなるとは露ほども思えなくて医者に対する不信感を増してくれました。

解離性障害の土台となるPTSDやトラウマをきちんと理解していたら絶対出てこない言葉だと思います。

あい変わらす解離性人格障害なんて間違った病名も幅を利かせています。

間違った病名であるにもかかわらず、あまりにもあちこちで使われるので本当にある病名だと勘違いされるくらいです。

やれやれです。

これを患者側が使っているならまだやれやれで済むのですが、治療者側が使っていたりするのを見かけたりすると何て言うか言葉になりません。

せめて病名くらいは正しく書いてもらいたいものだと思ってしまいます。

もう少し望めるなら、日常生活に支障がなければ問題無いなんて言わないで欲しいです。





時々、サポートする側の方が、何か力になれないかと色々模索する方とかも見掛けます。

私も病気について知りたくて色々な書籍を読みました。

基本的なところを理解するのに役立ったのはパトナム氏のものとハーマン女史のものでした。

特に娘のカウンセラーさんから薦められたハーマン女史の『心的外傷と回復』はPTSDとトラウマを理解するにはとても役立ちました。

でもね、知識は知識なんですよ。

どれだけ知識を積み上げても、病気を抱える本人の心に寄り添えなければ意味がないんです。

側にいるものに必要なのは、本人の不安をしっかりキャッチすること。

安心していられる場を確保すること。

どの人格さんが出ても、普通に接すること。

人格さんの存在を否定しない事。

出来ること出来ないことをきちんと伝えることも大事です。

すごくシンプルなんです。

極々普通のコミュニケーションを心掛けるだけで大丈夫なんです。


なんですが、以外とこれが難しいんですよね。

心の病気を抱える人の周りって自覚の有る無しにかかわらず、周りの方々も何気に心に問題を抱えていたりしますから、当たり前なコミュニケーションが出来てるつもりで出来ていない人が多かったりします。

気を使っているつもりで追い詰めたりしていたりするんですよね。

支えているつもりで、共依存に陥っていたりするケースもとても多いんです。

親子間でも、恋人関係でも、友人関係でも。

関わりのすべてで共依存関係を築いていたりもするんです。

特に恋人関係の共依存は依存と愛情をごっちゃにしてしまうので厄介です。

支えるとか寄り添うとかじゃなく、自分が治すために何か出来ないかと暴走してしまう方も出てきたりします。

何て言うか心に傷があると、それがしっかり癒されていなかったら、どこか歪んだコミュニケーションしか取れないんだなぁって思います。

或いは自分が傷付いているって、自分にはこんなトラウマからの心の傷があると自覚出来ていることかな。

自覚が出来ると自分のコミュニケーションに問題があるってことにも気が付きます。

気が付くと、歪んだ部分の矯正に気を配ることが出来る様にもなりますしね。





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