話題の山 | 狸おやじの山歩記

狸おやじの山歩記

広島を拠点に、楽しむ事だけを目的とした「せとうち山楽会」の隊長(狸おやじ)の活動日記です。

今朝26℃雲り後晴れ。広島豪雨災害から早くも一週間近く経ちますが、まだまだ沢山の行方不明者が発見されていません。突然の集中豪雨による土砂崩れで被害に遭われた大勢の犠牲者の方々並びに被災者の方々には哀悼の意を表します。タイチョ~も機会をみては、沢山の義援金を募金し続けています。これぐらいしかタイチョ~には出来ませんが、まだまだ氷水を被って下さいとは指名されてませんが。こちらも機会が有れば是非被って、タイチョ~の気持ちを表します。ところで今回の集中豪雨による土砂崩れ。あちこちで起きていますが。その土砂崩れの約80%が起きている山が有ります。その名も『阿武山』標高は僅か586mと言う、低山の里山です。南は安佐南区の緑井から続く、権現山から北に有り、広島の主河で有る『太田川』が北から東に阿武山を回り込むように流れていますが。今回の土砂崩れ、その阿武山の東側斜面の谷筋から崩れていますね。非常に特徴的な崩れ方で、まさに涸れ沢を谷水が一気に流れて崩れたと言う感じです。普段はまるで川(沢)の様相をしてはいないが。一旦大雨が降れば途端に多量の雨水が川のように流れてしまうと言う感じなんで
しょう。またこの阿武山は、麓はなだらかな感じですが、山の頂きに近くなるにしたがって非常に急にせり上がっている山です。権現山からの縦走路も、最低鞍部の鳥越峠からは強烈な急斜面を登り下りしなければなりません。登山道はこの急な縦走路のみで、他には藪だらけで山頂からはどの方向にも下山不可能ですね。何故ならば、山頂直下からいきなり絶壁のような急斜面が始まって、しかもイバラの林で覆われてますので。ちょっとこの急斜面から降りてみようという気持ちにはなりません。昔相当の好き者達が集まって、ちょっとチャレンジしてみようということになって。タイチョ~も下り始めてみた経験が有りますが。イバラを鎌で切り払いながら、ザイルで確保しつつ下るのですが。イバラにザイルを絡ませて、身動き出来ない状態になりました。かくして無謀な企ては勇気有る撤退となりました。下から登っても次第にイバラと下草と急斜面とに阻まれて気持ちを萎えさせてしまいます。もう不可能ですね。こんな強烈な山の麓に、しかも谷筋の山が迫っているようなところに随分と民家が立ち並んでいるのです。では阿武山の西側や北側はどうなのかと言うと。麓には一
軒の家さえ有りません。何か得体の知れない工場のような建物が、ほんの少し点在する程度なんです。そんな阿武山、広島を東に出て帰って来る時。広島東インターの先の長いトンネルを抜けて、太田川を渡り広島インターが近づくころに。右手を見ると阿武山の大きな山姿が飛び込んできます。「あ~やっと帰って来たんだなぁ」と思います。感慨深い眺めですが、今回このような災害で阿武山は広島の人間に様々に何かを示してくれたように感じました。今回の災害が早く落ち着いて、地元の方々が落ち着いて暮らせるようになることを祈りながら。阿武山のことを思い出したタイチョ~でした。