「重なる時は重なる」

 

そうよく言います。

 

ただ、どちらかと言うと、「良いこと」が重なるよりも、「大変なこと」が重なるということで表現される場合が多いかもしれませんね。

 

明日幻冬舎から発刊される

 

「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」

 

 

 

 

 

 

 

は久方ぶりの完全な新刊です。

 

苦境に陥った時。

 

あるいは人生において重大なイベントがあった時。

 

これまで大切だと思っていたことが、実はあまりそうではなかったり、その逆に今まで大切だと感じていなかったことが、かけがえがなくそうであったと気がつくことが私たちにはあります。

 

私たちは、ピンチを通して、価値の捉えなおしをしばしば行うのです。

 

私の仕事は、とりわけ、そのような現場に居合わせるものでした。

 

大学に着任してから7年が終わり、診療させてもらった数も2500人を超えました。

 

 

診療実績(直近5年)

 

 

たくさんの方に出会い、そして多くのことを教わってきました。

 

それを普段健康に生きている方々にもお伝えしたいと同書を綴りました。

 

 

実はこの1週間に、関係する本が3冊発刊されます。昨年は新刊がありませんでしたから、重なる時は重なるものです。

 

1つはこの一般書、もう1つは易しい専門書、最後の1つは監修を務める漫画です。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

余談ですが「先生、本をたくさん書いていますね」と、ブログや媒体で知ったとおっしゃる患者さんが尋ねてくださることがあります。

 

ただ当たり前と言えば当たり前ですが、この10年余り、私が一番書いた「書き仕事」は何だったか……と考えてみると、答えは明白でした。

 

 

何だと思われますか?

 

 

勘の良い皆さんはすぐにわかったかもしれません。

 

 

そう、カルテ・診療録ですね。

 

 

1冊の本は、多くても10万字には及びません。

 

 

しかし診療録は、20人程度の患者さんが常時いらっしゃいますから、1日で合計数千字は書くことになります。

 

医療者によっても異なりますが、私は(読みにくくならないように気をつけていますが)文字数が概して多めです。ただしメリハリはつけるようにもしています(書き仕事で時間ばかり取っていてしまっては本末転倒ですから)。

 

さて1日数千字とすると、少なくとも2か月で間違いなく1冊分にはなりますから、1年6冊分、7年では40冊超となるわけです。

 

 

それだけの経験をさせてもらえば、1冊の本を書くことは、むしろまとめるのが苦慮するほどであり、実際にそうでありました。

 

これはけして私ばかりではなく、他の医師や、看護師、諸スタッフ、皆そうだと思います。

 

 

医療者は結構な「書き仕事」で、本を書いているようなものです。

 

40冊分のものを1冊にうまくまとめられていれば良いです。どうかご覧頂ければ幸いです。