皆さん、こんにちは。大津です。



末期がんでも海外旅行に行けること、皆さんご存知ですか?



そのために心強い味方がいます。



”空飛ぶドクター”こと坂本泰樹先生です。



先生は病院勤務医をされた後、海外旅行医師添乗サービスを提供する旅行会社カノヤ・トラベルメディカを設立されました。


空飛ぶドクターの「カノヤ・トラベルメディカ」



語学堪能で、旅行医学にも精通され、確かに先生のような方がご同行・支援くだされば、旅行の不安も相当少ないでしょう。



先生の近刊が発刊されました。







前著の「機内にお医者さんはいませんか?」も面白かったのですが、本作はさらにパワーアップしています。(なお前著では、◯◯な場所で、××してしまった、という背筋が凍る話が書いてあり、先生は本当に修羅場をくぐっておられるなあ…と感心しました)



本作でも



パッケージツアーの食事がまずいわけ



というような興味深いトピックから、「さすが専門家」と唸らざるを得ない、私が知らない旅行医学トピックもわかりやすく満載されています。



『「イタリア6泊8日の旅」の費用は、一人あたり40万円程度でした。(略)この旅行代金の中には、旅行中の診察費用や、薬代も含まれています』(p46)


という意外な費用の話も記されています。これで現地の病院に万一緊急受診が必要な際にもコーディネートや通訳等もしてくださるわけですから、安心ですね。



高山病の予防のダイアモックスの話を読んで、私はかつてのペルーのクスコ行のことを思い出しました。


私たちのグループは、私がダイアモックスの服用を勧め、服用し、誰も問題なく活動しました。


クスコは標高3400メートルであり、それでも普通に歩くだけで、心臓はバクバクします。


ダイアモックスの副作用で軽度の足のしびれは出ましたが、それなりに元気に動くことができました。


しかし全体グループでは体調不良者が続出、突然倒れる方まで出ました。


ダイアモックスは飲んでいなかったようでした。


知識があるかないかで大きな違いをもたらすのが、この分野であると思います。



先生は数年前、余命短い週単位の末期がんの方の海外旅行にご同行され、支援されました。


その後も末期がんの方の旅行の問い合わせはあるものの、なかなか実現には至らないそうです。


「理由は、本人や家族が躊躇しているうちに病状が悪化し、旅行するには手遅れの状態になってしまうからです」(p262)


と端的に書いてくださっています。まさにその通りです。私もまったく同感です。


拙著に「決断」を取り上げたように、決断には大きなエネルギーが要り、「できれば誰かが決めてほしい」「後回しにしたい」それが現場では頻々と見かけます。


だから機を逸してしまうことがあり、見ている側としては切ないこともあります。


どうか機を誤らず「決断」し、あるいは延命・根治、それだけではなく「楽しむこと」「自身の心身や魂を充足させること」を忘れてほしくないと思います。


医師や看護師が付きそう旅行の広がりと現在利用できるサービスも先生は前掲書で記しておられます(p43~45)。


一人でも多くの方が、大切な方との、「見納めの旅」や、それ以前の「心を満たす旅」「病と向き合う強さを得るための楽しみ旅」の夢をかなえることを願って止みません。



それでは皆さん、また。
失礼します。