皆さん、こんにちは。大津です。



私は命を守る仕事です。
命の大切さはよく知っています。
そして守りたい、そう強く思っております。

しかし、つくづく思っていることがあります。

それは
「命に無上の価値をおいているうちは苦しみから逃れられない」
ということです。


命はとても大切です。
命があるから私たちは様々なことを為すことができます。

しかし命が最も重要なものだとしたら、
人は最期に必ずそれを失わなければならないのです。
一番重要なものを、必ず最期に失ってしまう人生、
それは苦しみ以外のなにものでもないのではないでしょうか。


命は「きっぷ」だと思うと、楽になります。
旅に出かけてゆくための道具。
あるいはパスポート。たくさんのスタンプが
増えていきます。

もしくは「バトン」かも知れません。
先祖から受け継いだ、この「バトン」。
これを次のランナーにつないでゆくことが
私たちの使命。だから今走る。走ってゆく。


きっぷ、パスポート、バトン・・。
皆さんは何だと思いますか? 自分の命は?


お家の金庫にしまっておくようなものでは、
盗られることが怖いかも知れず、時に眺めて
安心するかもしれませんが、自分が死ねば
あとは誰かのものです。相続税で消えてしまう
かも知れません。

大事なものだからこそ、使わねばならないのかも
知れません。宝物のようにいつまでも大切にして
いても、ボロボロになるまで使い込んでも、
最期は誰かの手に渡るのです。だったら使った
ほうが良い。


天寿を迎えて死ぬことはけして不幸ではないと
思います。いつまでもいつまでも失うことが
怖ければ、命に無上の価値がいつまでも燦然と
輝いて失うことが怖ければ、安住の場はないの
かも知れません。


生きるとは楽なことではないですね。

それでは皆さん、また。
失礼します。