『社会運動のサブカルチャー化---G8サミット抗議行動の経験分析』

富永京子 著

ISBN978-4-7967-0356-7 C1036 本体価格4700円

 

「G8サミット抗議運動」という国際的で規模の大きい社会運動に携わった人たちの「イベント」から「日常」までを聞き取り分析する。

社会運動へのきっかけ、活動のノウハウ、活動の達成感や違和感、組織毎の考えの相違、活動後の社会運動への関わり方の変化等々。紙面を飾る「政治的な見出し」としての社会運動、それらを支え創出する見え難い社会運動のサブカルチャーを可視化する。

 

第一章 問題の設定

1 本書の問題意識

2 分析方針

3 事例

4 各章の構成

第二章 先行研究

1 社会学のなかの社会運動論

2 個人化の時代における社会運動

3 分析視角

4 本書の記述対象

第三章 対象と分析枠組

1 対象となる出来事

2 対象化される日常

3 聞き取協力者

第四章 出来事としてのG8サミット抗議行動

1「イベント」としての2008年北海道洞爺湖G8サミット抗議行動

2 サミット抗議行動をめぐる組織間ネットワーク

3 個人間ネットワークとしてのサミット抗議行動

第五章 経験運動としてのサミット抗議行動

1 サミット抗議行動の「フロントステージ」に込める意味

2 イベントと管理

3 生活の中の運動

4 サミット抗議行動の非日常性

第六章 文脈としての日常

1 管理と自治

2 動くことと考えること

3 運動とのかかわり、運動における役割

4 社旗運動からの離脱あるいは復帰

5 本章のまとめ

第七章 活動家たちの日常生活――家庭・職場・地域

1 社会運動組織としての家族、オルタナティブな社会としての家庭

2 職場を通じて見える社会

3 地域の中で運動が変わる

4 離脱と復帰をつなぐ媒介としての日常生活

5 本章のまとめ

第八章 本書での知見の整理と結論