わし座 α星 Altair(アルタイル)
 

赤経19h50.8m 赤緯+08゜52′ 光度0.8等 距離17光年


七夕の彦星(牽牛星)として知られる、

わし座 のアルタイルです。

 この星は、自転が最も早い星の一つで、赤道での

自転速度は260km/秒で、大きさは太陽の直径の1.7倍も

ありながら、 太陽の自転周期は25.4日なのに対し、

約6時間半という早さで1回転します。

 アルタイルという名前は、アラビア語のアル・ナルス・

アル・タイル(飛ぶ鷲)の後半だけがとられたものです。

こと座べガの方は「α,ζ,ε」3星を合わせて∧型で、

翼をたたんで降下する鷲、ベガ(落ちる鷲)という名前に

対し、 わし座 のほうは「α,β,γ」の3星を翼を

ひろげて飛ぶ鳥の姿と見たのでこの名前があります。

古代アラビアでは、わし座(アルタイルの含まれる星座)と

こと座 のことを、アル・ナスライン(Al Nasrain)2羽の鷲と

呼び、 これに、はくちょう座 を加えて、3羽の大きな鳥が

砂漠の夜空に舞う様子を想像していました。

 日本では、「彦星」「男星」「犬かい星」「牛かい星」

「犬引きどん」「犬飼さん」「牛かいのお供」などの

呼び名があります。


 こと座 α星 Vega(ベガ)


赤経18h36.9m 赤緯+38゜47′ 光度0.0等 距離25光年


 七夕の織姫星(織女星)として知られる、夏の宵の

 夜空を飾ること座 のベガです。

夏の三角形 の中でも一際明るく輝く青白い星で、

Arclight of the sky (夜空のアーク灯)、夏の夜の

女王星、真夏のダイアモンドなどに例えられる

美しい星です。

 太陽からの距離25光年、シリウス、カノープス、

ケンタウルス座のα星 アルファ・ケンタウリに次いで、

全天で4番目に明るい星で、 地球の歳差運動のために

1万2000年後には天の北極の近くに移動し、北極星として

輝くようになる星です。

 アラビア語のアル・ナスル・アル・ワーキ(落ちる鷲)で、

天の川をへだてたわし座 のアルタイルがその両側の

星とともに、 翼を広げた鳥という印象なのに対して、

べガの方はすぐ近くにあるζ星ε星と合わせて∧型で、

翼をたたんで降下する鷲という印象からきています。

古代アラビアでは、わし座 (アルタイルの含まれる星座)と

こと座 のことを、アル・ナスライン(Al Nasrain)2羽の鷲と

呼び、 これにはくちょう座 を加えて、3羽の大きな鳥が

砂漠の夜空に舞う様子を想像していました。

 中国では、「織女」「織女三星」と呼ばれ、 日本では、

七夕の「織姫、織女星」、たなばた女(たなばたとは

棚機のこと)」「たきたなばた」「めんたなばた」などと

呼ばれていました。

わし座 のアルタイルと合わせて「夫婦星」「天の河星」

ともいわれます。

 現在私達の太陽系は、およそ19km/秒という速度で

ヘルクレス座のξ星に向かって移動しています

(太陽向点)。

ベガに近い方向なので、この先行く手のベガは少しずつ

輝きを増してゆき、 およそ、32万5千年後には、

ベガとを追い越してしまうそうです。

ベガは長い年月が経つにつれて青白い輝きを増し、

美しく天球を飾ります。

 遠い未来の話ですが、遠い日の星空に想いを馳せて、

 夏の夜空を見上げて見て下さい。 \(^▽^)/