中国 日本へ輸出される切干し大根の品質
■中国 日本へ輸出される切干し大根の品質
まいど、おおきにさんです。中国食品コメンテーター、戸田大介です。
中国の報道でも日本の原発による放射能汚染が心配されています。
まちがった報道でおもしろい現象が発生しております。
中国は通常の食生活で、ヨウ素を摂取しにくいので、中国の食塩はヨウ素が添加されています。
なんでもそのヨウ素が放射能汚染から身を守ることができるとか言う噂、デマが発生し、中国人がパニックになって食塩を買いあさっています。
あっちこっちの都市で食塩が売り切れ。
私の家内が住む通海県のような田舎でもスーパーから食塩が消えてしまったそうです。
昆明では普段1.5元一袋の食塩が50元まで暴騰しているなんて言う話もあります。
日本の買占めも困った話ですが、一日も早く原発の騒ぎが収束し、被災地の方の困窮状態が少しでも改善されることを祈るばかりです。
弊社の主力商品である切干し大根の品質を例にして話をします。
農家から買い付けた切干し大根は選別作業場で、色によるランク分けと異物雑質(za2 zhi4)の除去作業を人手によって行います。
天日乾燥の千切り大根は、乾燥中に風で飛んできた葉っぱ等が多く混入しています。
これらを取り除くことが選別作業の目的となります。
棚と言われる網の上で干されていた千切り大根は、農家が収穫して集荷場で買付れれる時はシート状で折りたたんだ状態になっています。
これを選別で細かくちぎり、異物を取り除く作業を実施します。
選別で本来取り除かれべきなのは、葉っぱ等の自然異物だけのはずです。
しかし、農家が集荷場に持ってくる際、編んだナイロン袋の繊維が付着していることがあります。
このナイロン繊維も異物として、選別作業で取り除かなければなりません。
白いナイロン繊維は、ひも状で千切り大根と酷似しているため、完全に除去するのは非常に困難で厄介です。
選別作業員は帽子を2重に被っています。
それは、作業員の髪の毛で二次汚染が発生することを防止するためです。
生大根に付着しているひげ根と呼ばれる大根の根っこも、乾燥してしまうと日本市場では異物だと認識されるます。
生大根であれば問題にならないものが、切干し大根になると問題になってしまいます。
千切り大根で発生する三大異物
ナイロンのヒモ
髪の毛
松の葉等、葉っぱ
日本に輸入される切干し大根で一番大きなクレームとなるのは、網入りと呼ばれる製品の混入です。
原料の大根にトウがたち始めると、皮から内側5mm程度の場所にある繊維がかたくなります。
この部分の繊維がかたくなることを日本では網入りと言います。
雲南省では、中国語では穿衣(chaun1 yi1)(服を着る)と言います。
網入りが混入すると、煮ても柔らかく煮えず商品になりません。
雲南省では2月になると、暖かくなり天候が安定することが多いです。
ただし、立春を過ぎた大根はほぼ網入りである可能性が非常に高いです。
このことを知らない業者が輸入した千切り大根がたびたび日本市場で問題となっています。
こうした事情を知らずに、網入りの千切り大根を購入してしまった企業では、中国 雲南省産の千切り大根=粗悪品だと言う図式が成り立ってしまっており、非常に評判が悪いです。
中国雲南省から日本に輸出される千切り大根は、基本的には現地で一番買付価格の高い、最高級の商品だけが選ばれています。
弊社取引先工場を例にとると、
最高級品 → 日本
高級品 → 日本
↓
↓
一般品 → 韓国、中国高級品市場
一般品B → アメリカ
一般品C → 台湾、ベトナム
それ以下、中国市場となっています。
品質によって工場の選別でクラス分けを行います。
日本市場向けの乾燥大根と韓国向けの商品では月とすっぽんぐらいの差が存在しています。
単価も1トン当たり数百ドルから、下手をすると千ドルぐらいの差があります。
中国ではヨーロッパ向けと日本向けに輸出する食品の品質基準は厳しいと認識されています。
ただ、ヨーロッパ市場とアメリカ市場は誰もが輸出できるように広く開放されていません。
基本的に枠による制限があります。
そのため一般の中国企業は簡単に参入することができません。
日本市場はそうした数量等の制限がありません。
とにかく品質に対する要求は厳しいけれども、イイものを加工すれば高くても買ってもらえると言うことで、日本市場向けの食品を加工する工場が以前は中国内にたくさんありました。
それが日本国内はデフレの影響で、品質要求は厳しいままなのに値下げ等コスト面への圧力が高まり、日本市場向けの食品加工を止める業者も中国では年々増加しています。
昔は中国からは最高級品だけが日本市場に輸出されていました。
昨今は日本の商社も顧客の価格に対する要求に応えるため、ほんの少し品質の基準を下げたB級品を買い求める業者も増えています。
千切り大根で通常B級品と言うのは、加工業者が使用する少し色落ちの業務用商品のことを指します。
日本市場に輸出されるB級品よりも、異物の選別除去、カットの規格等がさらに一段と落ちる商品が平気で韓国に向けて輸出されています。
そして、韓国向けに加工した商品の端材等が台湾市場に輸出されたりしています。
千切り大根等、乾燥大根のアメリカ市場向けはごくごくわずかしかありません。
アメリカのスーパー店頭で販売されるビン詰のマッシュルーム工場に行ったことがあります。
ビン詰のマッシュルームから髪の毛が遺物として出てきても、アメリカ市場では大きな問題には発展しないそうです。
アメリカに食品を輸出するには、工場がHACCPの認証を取得していなければなりません。
中国市場で販売される乾燥大根は、高級品は韓国市場に輸出されるのと同等の品質のモノもあります。
しかし、大多数の商品の品質はそこまで高くありません。
日本市場向けの千切り大根の品質要求で大事なのは下記の3点です。
色目が白いこと
異物が混入していないこと
規格がそろっていること
弊社では異物混入ゼロを目指して、このビジネスをを続けています。
中国の方が日本より人件費が安いため、人海戦術も用いて最大限の努力をしております。
日本の宮崎産より異物は少ないと、宮崎の業者さんがほめてくれるレベルには達しています。
現状はそれでも異物混入を根絶できなおりません。
ですので、まだその目標を達成できておりません。
千切り大根は天日乾燥の農副産物ですので、異物の混入根絶は永遠の課題です。
弊社の目標は異物混入ゼロの切干し大根を加工し、日本市場で販売することです。
長くなりましたが、最後に切干し大根と言うニッチな市場で弊社がビジネスをできている理由をこっそりお話します。
単価が安く、利幅が少なくうまみがないので大手企業が新規参入しにくい。
網入り等の品質要求を書面化できないため、専門の人材が必要になること。
日本市場で毎年一定の需要があること。
中国 雲南省産の千切り大根に関して、知りたいことがあれば、ぜひ雲南省産千切る大根の専門家を自負する私に聞いてくださいね。
3分でわかる 中国 ビジネス 攻略
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まいど、おおきにさんです。中国食品コメンテーター、戸田大介です。
中国の報道でも日本の原発による放射能汚染が心配されています。
まちがった報道でおもしろい現象が発生しております。
中国は通常の食生活で、ヨウ素を摂取しにくいので、中国の食塩はヨウ素が添加されています。
なんでもそのヨウ素が放射能汚染から身を守ることができるとか言う噂、デマが発生し、中国人がパニックになって食塩を買いあさっています。
あっちこっちの都市で食塩が売り切れ。
私の家内が住む通海県のような田舎でもスーパーから食塩が消えてしまったそうです。
昆明では普段1.5元一袋の食塩が50元まで暴騰しているなんて言う話もあります。
日本の買占めも困った話ですが、一日も早く原発の騒ぎが収束し、被災地の方の困窮状態が少しでも改善されることを祈るばかりです。
弊社の主力商品である切干し大根の品質を例にして話をします。
農家から買い付けた切干し大根は選別作業場で、色によるランク分けと異物雑質(za2 zhi4)の除去作業を人手によって行います。
天日乾燥の千切り大根は、乾燥中に風で飛んできた葉っぱ等が多く混入しています。
これらを取り除くことが選別作業の目的となります。
棚と言われる網の上で干されていた千切り大根は、農家が収穫して集荷場で買付れれる時はシート状で折りたたんだ状態になっています。
これを選別で細かくちぎり、異物を取り除く作業を実施します。
選別で本来取り除かれべきなのは、葉っぱ等の自然異物だけのはずです。
しかし、農家が集荷場に持ってくる際、編んだナイロン袋の繊維が付着していることがあります。
このナイロン繊維も異物として、選別作業で取り除かなければなりません。
白いナイロン繊維は、ひも状で千切り大根と酷似しているため、完全に除去するのは非常に困難で厄介です。
選別作業員は帽子を2重に被っています。
それは、作業員の髪の毛で二次汚染が発生することを防止するためです。
生大根に付着しているひげ根と呼ばれる大根の根っこも、乾燥してしまうと日本市場では異物だと認識されるます。
生大根であれば問題にならないものが、切干し大根になると問題になってしまいます。
千切り大根で発生する三大異物
ナイロンのヒモ
髪の毛
松の葉等、葉っぱ
日本に輸入される切干し大根で一番大きなクレームとなるのは、網入りと呼ばれる製品の混入です。
原料の大根にトウがたち始めると、皮から内側5mm程度の場所にある繊維がかたくなります。
この部分の繊維がかたくなることを日本では網入りと言います。
雲南省では、中国語では穿衣(chaun1 yi1)(服を着る)と言います。
網入りが混入すると、煮ても柔らかく煮えず商品になりません。
雲南省では2月になると、暖かくなり天候が安定することが多いです。
ただし、立春を過ぎた大根はほぼ網入りである可能性が非常に高いです。
このことを知らない業者が輸入した千切り大根がたびたび日本市場で問題となっています。
こうした事情を知らずに、網入りの千切り大根を購入してしまった企業では、中国 雲南省産の千切り大根=粗悪品だと言う図式が成り立ってしまっており、非常に評判が悪いです。
中国雲南省から日本に輸出される千切り大根は、基本的には現地で一番買付価格の高い、最高級の商品だけが選ばれています。
弊社取引先工場を例にとると、
最高級品 → 日本
高級品 → 日本
↓
↓
一般品 → 韓国、中国高級品市場
一般品B → アメリカ
一般品C → 台湾、ベトナム
それ以下、中国市場となっています。
品質によって工場の選別でクラス分けを行います。
日本市場向けの乾燥大根と韓国向けの商品では月とすっぽんぐらいの差が存在しています。
単価も1トン当たり数百ドルから、下手をすると千ドルぐらいの差があります。
中国ではヨーロッパ向けと日本向けに輸出する食品の品質基準は厳しいと認識されています。
ただ、ヨーロッパ市場とアメリカ市場は誰もが輸出できるように広く開放されていません。
基本的に枠による制限があります。
そのため一般の中国企業は簡単に参入することができません。
日本市場はそうした数量等の制限がありません。
とにかく品質に対する要求は厳しいけれども、イイものを加工すれば高くても買ってもらえると言うことで、日本市場向けの食品を加工する工場が以前は中国内にたくさんありました。
それが日本国内はデフレの影響で、品質要求は厳しいままなのに値下げ等コスト面への圧力が高まり、日本市場向けの食品加工を止める業者も中国では年々増加しています。
昔は中国からは最高級品だけが日本市場に輸出されていました。
昨今は日本の商社も顧客の価格に対する要求に応えるため、ほんの少し品質の基準を下げたB級品を買い求める業者も増えています。
千切り大根で通常B級品と言うのは、加工業者が使用する少し色落ちの業務用商品のことを指します。
日本市場に輸出されるB級品よりも、異物の選別除去、カットの規格等がさらに一段と落ちる商品が平気で韓国に向けて輸出されています。
そして、韓国向けに加工した商品の端材等が台湾市場に輸出されたりしています。
千切り大根等、乾燥大根のアメリカ市場向けはごくごくわずかしかありません。
アメリカのスーパー店頭で販売されるビン詰のマッシュルーム工場に行ったことがあります。
ビン詰のマッシュルームから髪の毛が遺物として出てきても、アメリカ市場では大きな問題には発展しないそうです。
アメリカに食品を輸出するには、工場がHACCPの認証を取得していなければなりません。
中国市場で販売される乾燥大根は、高級品は韓国市場に輸出されるのと同等の品質のモノもあります。
しかし、大多数の商品の品質はそこまで高くありません。
日本市場向けの千切り大根の品質要求で大事なのは下記の3点です。
色目が白いこと
異物が混入していないこと
規格がそろっていること
弊社では異物混入ゼロを目指して、このビジネスをを続けています。
中国の方が日本より人件費が安いため、人海戦術も用いて最大限の努力をしております。
日本の宮崎産より異物は少ないと、宮崎の業者さんがほめてくれるレベルには達しています。
現状はそれでも異物混入を根絶できなおりません。
ですので、まだその目標を達成できておりません。
千切り大根は天日乾燥の農副産物ですので、異物の混入根絶は永遠の課題です。
弊社の目標は異物混入ゼロの切干し大根を加工し、日本市場で販売することです。
長くなりましたが、最後に切干し大根と言うニッチな市場で弊社がビジネスをできている理由をこっそりお話します。
単価が安く、利幅が少なくうまみがないので大手企業が新規参入しにくい。
網入り等の品質要求を書面化できないため、専門の人材が必要になること。
日本市場で毎年一定の需要があること。
中国 雲南省産の千切り大根に関して、知りたいことがあれば、ぜひ雲南省産千切る大根の専門家を自負する私に聞いてくださいね。
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