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「先生、私は子供たちが幸せに暮らせるようにと必死で働き、休みの日はなるべく子供と遊び、習い事もさせ、賃貸暮らしではなく自宅も購入し、大学にも行かせ、そして子供が結婚する時もお金を出して、自宅購入の際に頭金の工面などもしました。なのに自分都合で簡単に離婚してしまい、今の状況では老後を見てやれるかも分からないから、老後の話はしないでくれなんて言うんです。子供のためを思って一生懸命に私達夫婦は頑張ってきたのに、まさか60歳を超えて子供の裏切りとも言える行為に悩まされるとは・・・」
「先生、私は彼のために必死で努力しました。彼にもっと好かれるために黒髪にして、伸ばし、タバコも止めました。そして彼は痩せた女性が好きなので、毎日夜ごはんを抜いて必死でダイエットしました。彼の誕生日には彼のために手編みのマフラーを編んだり、ケーキを作ったり、デートの時は自宅に招いて手料理を必死で作ったり、そして彼は私の事を愛してると言ってくれました。けれども、彼は浮気したんです。他の女性といけない関係を持ったのです。こんな裏切りはありますか？憎くて憎くてたまりません。あんなに私は彼に奉仕をしたのに、私は彼を裏切るなんて全く考えてなかったのに、どうして彼は私を裏切ったのでしょうか？」
「先生、私は将来の弁護士になる夢のために必死で勉強して有名な大学に行き、そして必死の就職活動で大手弁護士事務所に勤める事ができました。私はそこでどの新人弁護士よりも働きました。毎日深夜まで残業して、誰よりも働き、そして誰よりも上司のために頑張り、事務所のために頑張ってきたつもりです。勤めてもう５年になりますが、いまだに私の仕事を認めてくれないのです。給与もあまり上がりません。私は今まで会社のために必死で働いて、貢献もかなりしてきたはずです。どうして私はこうも運がないというか、人から評価されないのでしょうか？不平等です・・・」
他にも色々なご相談を毎日頂きます。この相談を見て、皆さんは一つの共通点に気が付きましたか？その共通点とは一体何でしょうか？
それは、彼らの行動には常に見返りを期待した打算が入ってるのです。見返りを期待してるのです。もちろん利害ある仕事などでは見返りを求める事もあるでしょう。ですが、その打算的行動が目に見えて、あるいはその者から滲み出ていたら？おそらく、その評価をする側、あるいは見返りを返す側からすると、何か嫌な感じになりませんか？
「この人は最初から見返りを求めてる。私はこれだけしてやったのだから、あなたも私に何かを恩返ししないさいと言わんばかりの雰囲気が出ている」と
一番最初の、夫婦の相談ですが、子供のために幼少から愛情を注ぎ、色々と手塩にかけてやったのに、勝手な理由で離婚して、老後も面倒見れるか分からないなんて親不幸な事をよくも平気で言えたものだと言わんばかりの相談でしたが、私から言わせれば「子育てに最初から見返りの期待などするのは、それは愛ではなくて単なる打算ではありませんか？」と思います。打算で子育てするから、子供にもその有難味が伝わらないのです。与えた物質的な量や質ではなく、人間として、親として、子供にどう接し、一番重要な事をどう教えたのか？によって子供の恩返しの質が決まります。この夫婦は、物質的な奉仕をした事による自己満足と、それに対する打算的な期待が裏目に出た事での怒りを表現してますが、見当違いも甚だしいとはこの事です
もちろん、親に対する有難味を理解してないこの子供も悪いですが、それ以前に、こういった親の有難味を分かってない甘い子供にしてしまったのも、結局は親の責任なのです。子供というのは崖から突き落とすくらい厳しくしないといけません。可愛いからどうしても子供に強く言えない親が居ますが、そういった親は自らの首を絞めてる事に全く気が付いてない悲しい人達です。いずれ、子供が大人になった時に後悔が襲う事でしょう
恋愛相談でも多いのが「私はあなたにこれだけしてあげたのに」という思いです。「こんなに好きなのに」という思いもあります。これは愛と打算と混同してる証拠です。愛とは無条件なものです。相手の見返りも相手の裏切りも何も期待しない、自分の愛の想いを相手にぶつける行為であって、その行為に対しての見返りや裏切りなどというものを考えてはいけません。もし「私があなたしか見てないのにあなたは他の人を見た」となるなら、それは打算があることにあります。この打算を嫉妬と混ぜ合わせて憎悪とし、相手を攻撃する。もちろん浮気や何かしらの裏切り行為が良い事であるとは言いません。ただ話の論点は「期待と打算」に焦点をあててますから、浮気が悪いとかそういう論点の話は今はしてません
与える事に見返りという期待、打算があるなら、最初から与えないで下さい。昨今はこういった人が非常に多い。「別に気にしなくていいですよ」と言いながら、やはり心のどこかでは期待してるのです。見返りを期待してます。これは打算です。それならこうハッキリと言う方が良いでしょう
「私は大好きなあなたに何かを与えたいと思ってます。でも私は完ぺきな人間ではないので、与えたものに対して愛情の恩返しとして少しでも見返りを期待してしまう自分がいます。私もあなたを思って奉仕をしたいから、せめて裏切るような事だけはしないで下さい。私は弱い人間だから、そんな事をされると傷ついてしまいます」
このように、自分の想いを赤裸々に相手に伝える事、伝える勇気も大切です。誰だって自分の想いを赤裸々に真剣に語られて「何だ、この人は？ヘンな人だな」とは思いません。もしそう思われたり、そんな面倒な事や真剣な話なんて聞きたくもないという態度をされるなら、それはその相手そのものが問題ではありませんか？そのような人に恋をする価値はないと思います。その時点で別れるべきでしょうね
けれども、問題なのはそんな相手にでも愛してしまう人が世の中には沢山いますし、愛してしまってからそういう人だったと気が付く人もいます。であれば、それこそ自省してください。そんな人を選んだ、愛してしまった自分が悪いのです。忘れて下さい。別れて下さい。その勇気も必要です。そういう行動に出る事も人生において大切な変化です
別れられないのは、結局は自分の感情や気持ちに負けてるのです。相手の優しい言葉に負けたのでありません。相手の一時的な言葉や態度にまた騙されてる弱い自分に負けたのであって相手に負けたのではありません。それに気が付いて下さい。自分の感情に負けてるのです
何事もそうですが、敵は自分なのです。相手に何をするにしても、期待という打算があるから、それに反した行動を相手がとった時に、怒りや悲しみに変わります。そしてその負の感情を受け入れらない自分自身の心と戦い負けると、それが愚痴や文句、鬱憤として外に放出されます
人生とはほとんどがこれの繰り返しなのです
自分の心との戦いを何勝何敗と毎日記録して、勝ち越しか、それとも負け越しか、人それぞれでしょう。でも勝ち越しとか負け越しというのは重要ではありません。まず第一に大切なのは、こういった概念を理解して日々生きてるか？という事です。そして次に大切なのは、負けても負けても諦めずにチャレンジしようとする自分がいるか？です。最後に、勝敗数の優劣になります
自己嫌悪に陥り、うつ病などから脱出できない人の多くは、勝敗数の優劣にばかりクローズアップして、自分はダメだ、と落ち込むのです。「私なんか何をやってもダメな人間だ」と。でも心配しなくて大丈夫です。私も含めて、皆負けてばかりです。勝つ事の方が難しいのですからね。こんな偉そうな事を言ってる私だって自分によく負けてます。でも私はとてもしぶとい人間ですから、負けても負けても絶対に諦めません。諦めないでチャレンジしてると、疲れてしまう事がたまにあります。そういう時は「適当に考える」のです。「何とかなるさ」と適当に考えるのも時に良いです
先ほどの期待と打算の話に戻りますが、最初から期待するからストレスになります。お金にしても返ってくるものだと思って貸すから、返済がないとストレスになります
「こんなモノはくれてやれ」くらいの気持ちで人に与えて下さい。それがお金でも物でも、そして愛でもです。
それが最初からできないなら、断って下さい。そして与えないで下さい
けれども人は与えられて与えるものですから、自ら与える行為をする勇気も必要です。リスクです。自分の心が傷つくかもしれないリスクの連続なのです。だから勇気なのです。生きるとは勇気なのです。人間関係は勇気なのです。
人と接するなら「くれてやる」というくらいの気持ちでやるのです
この「くれてやる」は物もお金も愛も友情も全てを指します
私のこの大切な想い、物、お金、行動という労力、全部無料で貴方にくれてやると思う事
これは奉仕の精神です
これだけは保証しますが、もしそういった生き方をしたなら、あなたが御臨終の時にこう思うでしょう
「あぁ、良い生き方をしたな」と
それが人生の意味じゃありませんか？
見返りという期待を打算する人生ほど詰らないものはありません
「くれてやる」の精神で生きて見ましょう
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