信義に従い誠実に | 浅慮相乗のブログ

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このブログの内容は私が所属する/した、いかなる組織とも関係ありません。
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「この契約に定めのない事項の生じたとき、及びこの契約各事項の解釈について疑義を生じたときは、相互に誠意をもって協議解決する。」

昔々のその昔、まだPCは普及しておらず、企業では文書作成にワードプロセッサ専用機(WP)が入り始めた時代。私はWPの講習に嬉々として参加していました。字が汚いので、WPなら大丈夫と考えたのです。

その時代、契約書等は作成された原稿を日本語タイプライターで浄書していました。タイプ室にいるタイピストの方にお願いして打ってもらっていたのです。WPはそれを変えました。

私も何通か契約書の浄書をしました。今でも袋綴じのやり方を覚えています。その頃の契約書等には冒頭の様な一文が最後に書かれているのが常でした。現在はあまり見られないようです。

民法
(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)
"(基本原則)
第一条  私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3  権利の濫用は、これを許さない。"
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%dd&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=M29HO089&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=2&H_CTG_GUN=1

民法は契約の基本です。冒頭の文書があまり用いられなくなったのは原則をわざわざ書く必要が無いということなのかもしれません。

このブログで時たま取り上げるものにJAPANsgという通販があります。以前はFB良品と称していましたが、昨年6月に名称を変更し、新しいロゴも採用しました。

JAPAN satisfaction guaranteed
http://japan-sg.jp/

武雄市長物語
[FB良品第2章 ~ JAPAN satisfaction guaranteed の挑戦]
http://hiwa1118.exblog.jp/19056213/

あまり趣味がいいとは言えないロゴですが、参加自治体はパンフレット等に用いています。私も全国町村会主催の「町イチ!村イチ!2014」 http://www.zck.or.jp/machi1-mura1/ というイベントでこのロゴが入った宇多津町のパンフレットをいただきました。いただいたパンフレットはカラーで写真も入ったきちんと印刷会社に作ってもらったであろうものでした。

名称変更とロゴ採用から1年余。また名称を変更し、1年余りしか使用されていないロゴが使えなくなるというのです。

"「現在横断した産業へのブランドのライセンスは 2 0 1 4 年内をライセンス期限とし、全てクローズいたします。」ということで、 僕らの通販事業の名称「「J A P A N satisfaction guaranteed」も今年一杯で使用が出来なくなります。"
武雄市長物語
[JAPAN sg 夏祭り]
http://hiwa1118.exblog.jp/21000404/

企業側のプレスリリースはこちら。

satisfaction guaranteed
マネジメント・バイアウト( M B O)実施のお知らせ
http://satisfaction-guaranteed.jp/wp/wp-content/uploads/2014/08/release_0808.pdf

satisfaction guaranteedブランドについては営業実態に乏しいとの指摘がされていました。

「satisfaction guaranteed」の「ブランド捏造」と、それに加担する国や武雄市などの自治体
http://goldenhige.cocolog-nifty.com/JapanSG/sg.html

JAPANsgを運営する企業連合の存続期間は平成25(2013)年9月2日からの2年間。来年9月1日までが存続期間です。また企業連合に係る業務の契約の履行期間終了後1年を経過するまでの間は解散できません。株式会社サティスファクションギャランティードジャパンの担当業務は「satisfaction guaranteed」ブランド展開の監修に関する業務となっており、これは「satisfaction guaranteed」の名称を使用することが前提となっていると考えていいでしょう。

H25-10-08 武市商第82号 Facebookページ及びFB良品ページ構築に係る業務に関する包括的業務委託企業連合協定書
https://docs.google.com/file/d/0B0Gno61dI_EabHg5WTBULXNkdW8/edit?pli=1

しかし、親会社であるSatisfaction Guaranteed PTE Ltd.(本社:シンガポール、C E O:佐藤俊介)は同じ佐藤俊介氏をCEOとするS10 Partners PTE Ltd.によるマネジメント・バイアウト(MBO)により、satisfaction guaranteed ブランド事業を譲渡したのです。

Satisfaction Guaranteed PTE Ltd.の株主であった人物は自分の持ち株を佐藤俊介氏に売却し、事業から手を引きました。

加藤順彦ポール|Asian視座でいこう
satisfaction guaranteed 新体制についてのお知らせ
http://katou.jp/?eid=452

"今後の新生satisfaction guaranteed は、単一産業に特化したブランドとして新たな展開を図ってまいります。"
http://satisfaction-guaranteed.jp/wp/wp-content/uploads/2014/08/release_0808.pdf

MBOにより事業譲渡されたといっても、渡した側、受け取った側の経営者は同一人物です。法人としては別であり、事業主が同一の自然人であることは特段の事情ではないと考えることも可能でしょう。しかし、企業連合の協定書の有効期限はまだ残っているのです。

"(受託途中における構成員の脱退に対する措置)
第10条 構成員は、発注者及び構成員全員の承認がなければ、当企業連合が本業務を完成する日までは脱退することができない。"
https://docs.google.com/file/d/0B0Gno61dI_EabHg5WTBULXNkdW8/edit?pli=1

何をもって"本業務を完成"とみなすのか分かりませんが、少なくとも今日現在、JAPANsgには21の地名があります。参加しているのが自治体そのものではなく、第三セクターであったり、燕三条のように複数の自治体が出資しているところもあります。

#FB良品 Satisfaction Guaranteedについて燕三条に聞いてみた #SG問題 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2137241661246432501

直接であろうと、第三セクター経由であろうと、単独であろうと、共同であろうと、公金が出資されていることに変わりはありません。

無論、武雄市も同じです。

"社長の佐藤さんからも丁寧に説明いただきましたが、民間の会社さんの事情ですので、頑張って欲しいとお伝えしました。"
http://hiwa1118.exblog.jp/21000404/

パンフレットやwebページを作り直す費用は、一体、どこから出てくるのでしょうか?