最大の問題 | シニアライフの「常識」を斬る!?

シニアライフの「常識」を斬る!?

成年後見とか、遺言とか、介護とか・・・

 前回ご説明したように、補助金をもらえない有料老人ホームの運営事業者にとって、施設の建設費の回収は大問題です。

 

 批判の多い入居一時金ですが、それでもなくならない背景には「背に腹は代えられない」事情があるのです。

 

 さて、この入居一時金の問題点とは何でしょうか?

 

 当たり前のことですが、入居者にとっては、どんな居心地なのかわからないホームに対して大金を支払わなければならないのは大きなリスクです。

 

 「初期償却」によって一定の金額が瞬時に消え失せてしまうわけですから、「イヤなら退去して別のホームを探せばいい」と気軽に考えるわけにはいきません。

 

 事業者にとっても、いいことづくめではありません。入居一時金のしくみは、運営事業者に大きな矛盾をもたらしているからです。

 

 償却が終了しても、入居者は追加の一時金を払うことなくホームに住み続けます。その後は、ホームの収入は月次利用料だけになります。

 

 つまり、入居者が長生きするほど運営事業者は儲からなくなるのです。

 

 反対に、入居者が短期で入れ替わるほど、初期償却を何度も取れるので利益が上がります。

 

 スタッフが頑張ってよいケアを提供し、入居者が長らえるほど運営事業者は困窮するのです。

 

 犯罪的な手段に訴えない限り、事業者がそのサイクルを勝手に短くすることはできません。

 

 これを入居者の立場から見ると、短期間で退去した人と、長期間入居を続けた人では1日当たりの入居コストが格段に違ってくるという矛盾として現れます。

 

 短期間で退去した人は損をし、長期間入居した人は得をします。入居者間の不公平が生じるわけです。

 

 これが入居一時金の最大の問題点です。

 

 これは運営事業者なら誰でも知っていることですが、声を大にして世の中に訴えているのは濱田孝一氏 と私くらいのものです。

 

  

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