マイホーム買うなら戸建よりマンション派という方は立地の利便性や予算に重きを置いている方が多いでしょう。確かに都心部に戸建を持つことは現実的ではなく、共用部の掃除や草刈りを人任せにできるマンションは便利です。

 ただし、それだけで安易にマンションを選ぶのは後悔につながるかもしれません。マンションには区分所有法が適用されたり、管理規約の制限や他の入居者との関係があるので物件選びは戸建よりも確認事項が多く複雑です。

 マンションならではのチェックポイント、その調査方法を確認し、マンションの検討方法を見つめてみましょう。

マンションのチェックポイント①管理の状態

 マンションは管理を買えという言葉があるくらい大事な項目です。マンション運営の主導権は区分所有者が組合員である管理組合にありますが、組合員は人任せで管理業務を委託している管理会社の言われるがままになっていることがあります。それで組合側がカモられて相場よりずいぶんと高い費用でマンションの修繕工事を発注されていたりというケースが実際にあります。

 組合員それぞれが主体的に管理会社の提供するサービスを吟味し、組合の財務状況にも気をつかっているマンションが望ましいです。

マンションのチェックポイント②管理費・修繕積立金等のランニングコスト

 管理費、修繕積立金、駐車場や専用庭、ルーフバルコニー等の使用料は毎月の出費なので長期に渡ると多額の出費となります。物件選びの際、どうしても物件価格を重視してしまいますが、物件価格1000万円で毎月の管理費等が4万円の物件と、物件価格2000万円で管理費等が1万円の物件では27年10ヶ月超住むのであれば2000万円の物件の方が総支払額は安くなります。

 ただし、今は管理費等が安いからといって安心ではありません。マンションの長期修繕計画から修繕積立金の値上げが予定されていたり、逆に、本来はもっと修繕積立金の徴収が必要なのに区分所有者の懐事情から値上げができずに将来のスラム化が確実なマンションかもしれません。
 
 修繕積立金については国土交通省がガイドラインで目安額を出していますので参考に比較されるといいでしょう。ガイドラインでは15階建て未満で延床面積5000㎡未満(総世帯60戸~90戸程度)のマンションで修繕積立金月額218円/㎡ですので専有面積70㎡なら修繕積立金は月額15000円程度が標準となります。駐車場が機械式の場合はメンテナンスがかさむためにさらに割高になります。

 駐車場が必要な場合、マンション棟内の駐車場の空き状況や月額使用料を確認し、棟内に空きがない場合は近隣にある駐車場をあたることになります。マンションによっては1住戸1台分の棟内の駐車場を保証し、空きがない場合、2台分利用している住民から1台分を融通してくれたりします。ピット式駐車場では上下の位置により、自走式駐車場では屋根の有無で金額が変わることがほとんどです。

 自分が車を使用しない場合でも棟内の駐車場の状態は確認すべきです。国土交通省の修繕積立金のガイドラインにもあるように機械式駐車場は修繕費用が大きく、1台分につき月額6千円~1.4万円を積み立てていく必要があります。3段(ピット2段)の機械式駐車場が50台あれば1台分が目安6040円なので月額302,000円にもなります。駐車場を利用しない場合でも他人事ではありません。

 また、特に都心部で利用者が少なく駐車場がガラガラになっているマンションがあります。管理組合の運営上、見込んでいた駐車場収入が入ってきていない状態ですので、このままでは組合の財務状況に支障をきたす可能性が強いです。マンションの居住者以外にも利用者を募る場合がありますが、利用マナーや防犯といった課題があります。
(次回に続く)