澁澤龍彦『私のプリニウス 新装版』河出書房新社(河出文庫),2014年4月,978-4-309-41288-7


古代世界最大の自然誌事典『博物誌』全37巻は、ローマの博物学者プリニウスが著した途方もない大百科事典だった。そこには、怪獣・毒草・宝石・昆虫・不思議な種族・宇宙など、プリニウスが伝聞するか、奇想天外な想像力で楽しんだ記述があふれている。澁澤龍彦はこの大著に魅せられて、幻想と想像の異世界へと私たちをいざなう。古代の驚異の世界を知るための名著。



[目次]
迷宮と日時計
エティオピアの怪獣
セックスと横隔膜
海ウサギと海の動物たち
薬草と毒草
カメレオンとサラマンドラ
琥珀
畸形人間

世界の不思議
磁石
鳥と風卵
アネモネとサフラン
頭足類
スカラべと蝉
宝石
誕生と死
地球と星
天変地異
真珠と珊瑚
香料


無い物ねだりかもしれんが、挿画が欲しい。さて、河出文庫がかつての中公文庫のごとく、マニア(←何の?)にとっての「穴場」となってきたような感無きにしもあらずだが、これは単なる気のせいであろうか。