歴史の出版物で知られる山川出版社より、「イスラームを知る」と題するシリーズが刊行された。価格から見てそれなりの厚さを持った書籍のシリーズ物かと思っていたが、現物を見たらブックレットであった。同じく山川から刊行されている「日本史/世界史リブレット」のイスラーム版ということか。それにしては値段が高いで(苦笑)。
今後の備忘録のため、山川出版社からいただいた情報を以下にまとめておく(篠原さんいつも有難うございます)。
・「イスラームを知る」は全12巻、各A5判、100ページ前後、各1,260円(税込)。
・刊行順・刊行予定時期は現在のところ未定、刊行の巻数も変更となる可能性もありとのこと。
・全国的な共同研究「NIHU(人間文化研究機構)プログラムイスラーム地域研究」の成果という。
■巻構成
1.佐藤次高『イスラーム-知の営み-』 刊行済み
2.谷口淳一『聖なる学問、俗なる人生-中世のイスラーム学者-』 刊行時期未定
3.仁子寿晴『文明の邂逅-イスラーム世界の東と西-』 刊行時期未定
4.森本一夫『聖なる家族-ムハンマド一族-』 2010年1~3月くらいに刊行予定
5.濱本真実『共生のイスラーム-ロシア正教とムスリム-』 刊行時期未定
6.菅瀬晶子『新月の夜も十字架は輝く-中東のキリスト教徒-』 刊行時期未定
7.松本ますみ『イスラームへの回帰-中国のムスリムたち-』 2010年1~3月くらいに刊行予定
8.山根聡『4億の少数派-南アジアのイスラーム-』 刊行時期未定
9.川島緑『マイノリティと国民国家-フィリピンのムスリム-』 刊行時期未定
10.横田貴之『原理主義の潮流-ムスリム同胞団-』 刊行済み
11.私市正年『原理主義の終焉か-ポスト・イスラーム主義-』 刊行時期未定
12.小杉泰・長岡慎介『イスラーム銀行-金融と国際経済-』 2010年1~3月くらいに刊行予定
それにしても未定の要素が多い。ぱっと見「日本史/世界史リブレット」よりも難しいのでは、という感じもする。とりあえず第5巻で取り上げられるであろうロシア・イスラーム関係史に注目したい。山川出版社には「最新の研究動向を、わかりやすく」という点を望みたい。それと、コンスタントに刊行を続けていくことである。
下記は、既刊2点の書影。

