【J1】浦和戦。要塞さいスタを陥落させたものの、軟禁も食らいました。しかし、疲れた…。 | 蒼い攻め達磨

【J1】浦和戦。要塞さいスタを陥落させたものの、軟禁も食らいました。しかし、疲れた…。

ガンバ

試合だけ振り返れば、

 
 ・要塞さいスタをようやく陥落させ、満員の浦和サポを黙らせた

 ・浦和との勝ち点差を10から7に縮めた

 ・未消化の札幌戦できっちり結果を残せば勝ち点差4

 ・(リーグは)まだだ、まだ終わらんよ

 

で済んだ話だったんやけどね。個人的な事情も加えると、ちょうど齢を重ねたばっかだったんで、祝勝会と大誕生祭を兼ねてパーッと盛り上がるはずだったのになぁ。その分、昨日は奥さんと美味しい食事をして気分をリカバー。それにしても、せっかく要塞さいスタを陥落させたのに素直に祝えんというのは凄く損した気分。

 

試合そのものの今までのガンバ-浦和戦とは真逆の、つまり浦和が攻めてガンバが守るという展開。互いのサポが見たかった、攻撃的な浦和と気持ちの入った守備をするガンバが見られたいい勝負だったと思うだけに、返す返す「もったいない」の一言。

 

このいつにない展開を呼び込んだのは遠藤と安田のベンチスタートと、メインスタンド側の線審だったと思う。遠藤、安田という攻撃の駒をベンチに置いたこと、加えて完全アウェイさいスタの環境を勘案すれば守備的に進めることはある程度予想でき、浦和もそれに応えてかなり攻撃的に来た。特に左右の山田、相馬を中心にクロスをスコンスコン上げられ、苦しい時間が続く。

 

それを助長したのがメイン側の線審。誰かは知らんけど、この線審がまるで試合に入れていない。オフサイド、ファウル、スローインの判定すべてで自ら判断をせず、主審の岡田をいちいち窺う様子。この日抜擢された下平は対面の経験豊富な山田と同時に、この線審を相手にする羽目に。あとから思えば、ことごとく浦和ボールにするこの線審が守備側を見る前半を無失点で抑えられたのは本当に大きかった。

 

前半、ガンバのゴルは中澤のヘッドと山崎。

中澤のヘッドはその直前にもフリーで惜しいシュートを放っていたのでニオイはしていた。今年の浦和のディフェンサには高さがないかな。去年までニアに鎮座していたワシントンがいなくなるだけでここまで違うとは。(攻撃においてもワシントン不在を感じたね。ボールの収まり方がまるで違うよ) 

 

2点目の山崎は完全に儲けもの。ここでも直線上で見えたはずのメイン側の線審はこのときも木偶と化し、角度的に見えにくかった岡田に判断を委ねる始末。にしてもセルフジャッジで足を止めてしまうのはウチのお家芸とばかり思ってたけど、浦和でもポカるときはポカるんやね。判定には色々言いたいことあるやろうけど、これはお互い様。(ウチは多めに支払ってた分を少し返してもらったし、逆に浦和はたんまりの貯金を少し落ろしただけ)

 

後半はアリエナイスタート。

何と後半キックオフ時に明神がまだピッチにも現れてないのに始めてしまう異常事態。4人も審判がいて、人数を数える基本的なこともできないとは…明神がピッチに現れると既に試合が始まってて、すぐフィールドに入っていいものか明らかに戸惑ってた。このぐらいから「今日はとんでもない試合を見てるんかもな」と話し合う。

 

後半に入っても浦和の攻勢は続き、梅崎に見事なFKを決められて1点差に。その後も引き続き攻勢を許し、このままでは早晩決壊するかな、と思っていたら。このベンチスタートとなった遠藤と安田を一気に投入。残り30分、一度攻め返さないと踏ん張りきれないと判断したアキラが賭けに出た。

 

結果的にアキラの賭けは成功する。遠藤の早いリスタートからルーカスを経由し、遠藤の足元に戻された場所はバイタルエリア。しかし何故か浦和のプレッシャーがまったくない。ゆっくりとしたモーションで、あたかもFKを蹴るかのごとく、丁寧に狙い済ましたキックは美しい軌道を描いてネットに突き刺さる。追いつかれそうな流れを一気に撥ね返す、価値があり美しい一発。

 

遠藤の一発で息を吹き返し、多少は押し返せるようになったかな、と思い始めたところでエジミウソンにCKからのヘッドを叩き込まれる。今日は散々クロスを上げられてしっかり対応できていたのに、CKから失点するとは…リードが再び1点差になったことでウチの意識もまた守備的に。最後は水本を投入して逃げ切りを図り、5分(+α?)の長い長いロスタイムを何とか守り切って泥臭く勝利。

 

この日のMOMは松代神かな。超絶反応を活かした得意のエビ反りでビッグセーブ連発。仕舞いにはエビ反りキャッチという大技も開発するなど、守勢に回ったガンバに勝利を導く殊勲の働き。松代神、まだ成長してるよ…

 

 

とまぁ、試合についてはこんな感じ。5万7000人を集めたスタジアムの雰囲気は最高、その中で計5つのゴルが記録され、大いに盛り上がった試合として記憶されるはずだったのだが…

 

 

 

 

■以下は試合以外のことについて(視認内容とそのときの雑感)

 

きっかけはウチの一部サポからの水風船の投げ込み。

試合開始前から南ゴル裏へ投げ込まれる水風船。僕自身はメインスタンド寄りにいて、それを遠く眺めながら「選手入場前に何やっとんじゃ…試合に集中せいよ」ぐらいの感覚しか持ち合わせていなかった。僕が視認できたのは水風船だけだった(つまりそうそう怪我には繋がるまい、という甘い認識)ってのもある。振り返るとこの時点で既に危機意識が足りなかったんだな、と。

 

続いてハーフタイム。

ここでも再び水風船。「おいおい、まだ投げるんかよ」と急に冷めてくる。せっかく2-0とリードしていい気分なのにブチ壊すなよ、と。しかも2、3個ならいざ知らず、10個以上の水風船が次々と投げ込まれる。(どうやらゴルする度に投げ込まれていたらしく)浦和側もフラストレーションが溜まってきたのか、緩衝帯を挟んで煽り合い。周りからは「ええ加減に止めろ」「投げるな、アホ」との声。

 

そして試合終了後。

浦和の選手は都築ぐらいを除いて握手拒否。そのくせ勝利の円陣をしてると闘莉王と都築が近寄ってきてちょっかいを出してくる。揉め始める選手たち。ま、揉めてるといっても最後まで憤懣やるかたない態度をとってたのは都築ぐらいで、ほとんどの選手は「まあまあ」といった感じだったものの、それでも揉み合いながら選手たちが挨拶に来る光景はかなり異常で。

 

そんな光景を見たからなのか、水風船だけでなくペットボトルが飛び交い始めるとついに発火。(僕がペットボトルの投げ込みを視認したのはこのタイミング)双方から投げ込まれるものがペットボトルから魔法瓶、ゲーフラの竿など危険度が加速度的に増してくる。浦和サポが浦和側の緩衝帯の柵を破壊し、ガンバ側の柵まで侵入。周囲からはリアルな悲鳴。

 

振り返るとメインスタンド側の緩衝帯にも浦和サポが殺到、そこからもペットボトルなどが投げ込まれる。ガンバ側のメインスタンド寄りは家族連れや女性が多く、一段とリアルな悲鳴が。すると一人、顔を抑えてうずくまるガンバサポが出た。よく見てみると眉の上を切って出血している。「エライことになった」と感じた瞬間。さすがに出血してる人が出たことを認識してくれたのかメインスタンドからの投げ込みは収束していったものの、柵に張り付いて繰り返される威嚇。怯え切った子供や女性を見て「こりゃ出なマズイ」と周囲に声をかけて退場を促す。

 

するといち早くスタを出てたサポ仲間から電話。

『早く出てこないとかなりヤバイ。1人じゃ危ない、固まってとにかく早く出ろ』と。周りを急かしてコンコースに出ようとしたところ、そこは既に戦場の有様で。既に階段の上まで浦和サポが侵入しており、恐らくバリケードと思わしき青色の柵がガンバサポ側に飛んでくる状態。とてもじゃないが前に進める状態じゃない。どこからか「一旦スタンドへ戻れ」と聞こえ、怯える少年がそばにいたので彼の目を覆いながらスタンドへ引き返す。

 

少年を彼の父と合流させ、さてどうしたものかと思っているとまた電話。

『もう出るのは無理。喫煙所の灰皿とかレンガが飛んでる』と。それに比べたらまだスタンドの方がマシ。かくして軟禁と相成った。

 

 

 

軟禁中はというと。

膠着ポイントがコンコース付近となったため、次第にスタンドは平穏に。ただ、南ゴル裏とメインスタンドに浦和サポが断続的に現れては緩衝帯に近づき、写真撮影や罵声を浴びせてくるので家族連れや女性は落ち着いた雰囲気にはならず。中には松葉杖の方もおり、途方に暮れている表情を見て鎮痛な思いを抱く。スタンドの最上段から見ると眼下の広場には無数の浦和サポが。「こりゃ全員いなくなるまでは相当かかるな」と。その広場はおろか、コンコースから下る階段にすら辿り着けない状態だったけど。

 

 

■無人のさいスタ

誰もいないさいスタ

日が暮れる頃にようやくスタンドから浦和サポがいなくなり、残るはガンバサポ1000人弱。

 

 

■19:30、ようやくバスに乗り込めた
ようやくバス
軟禁状態に入って約3時間、180分。2試合近くスタンドにいたことになるのか。
 
 

 

<おまとめ>

疲れたの一言。

 

骨折以外に軽重含めて多くの怪我人が双方に出たはず。特に浦和側は子供が怪我をされたと聞く。これはあってはならないことで、僕が言っても詮無いことかもしれないけど、お詫び申し上げたい。

 

また、きっかけとなった水風船の投げ込みを抑止できなかった、抑止を促すよう働きかけられなかったのは痛恨の極み。結局のところ、この部分さえ取り除いてりゃここまでの騒動にならなかったわけで、そもそも論で行くとこの点に行き着く。結果として僕も含めて多くの人が巻き込まれてしまったことで、もはや「一部の」で済まされる話ではなくなったな、と。

 

やることは一つ、とにかく慢性化する「投げ込み」の排除だ。まずこれをサポ全体で徹底する。クラブも取り締まらざるをえないだろうし、そういう風に仕向けていくサポからの働きかけも必要。改善や成長は、反省なくしては成立しない。「3時間も軟禁された」ことよりも「勝ったのにクラブが謝罪してる」ことの方が切ない。今回のようなことをまた経験したいか?僕個人はNOだ。

 

気持ちいい勝利を観戦し、祝杯を上げ、だらだらとブログを書くことができる、そんな他愛もない環境に戻したい。そもそもこのブログだって無収入の純粋な趣味なのに、たったそれだけのことをするのにどれだけの苦労が必要なんだ、と小一時間。

 

浦和にしても数千人規模での囲い込みにまで至った事実から、イメージ的な損失はもとより主催側としての制裁が免れえぬ状況にあるようだ。ガンバ側からの我慢ならない執拗な挑発に対する暴発は避け得ぬものであったとしても、あの規模にまで膨らむまでに運営含めて何段階か抑止できるポイントがあったのではないか。浦和ほどのサポの規模になると統制を維持するのも困難だとは思うけれど、ヘイゼルの悲劇が起こってしまえば取り返しがつかなくなっていたはず。

 

 

 

結果として関係した人すべてが損をするという救いのなさ。これはもう動かせない。これからはどのように取り戻していくかに尽きる。その点で言えば、即座に全面的謝罪(それこそツッコミようのない完璧な謝罪)をしたガンバフロントの判断は極めて真っ当。対外的な謝罪はさっさと済ませ、内部対応に全力を注げる体制をいち早く構築する手法は松下譲りか。(松下の謝罪手法は企業研修でも成功事例としてよく取り上げられてるしね)

 

就任したばかりの金森社長(当日も必死にスタンドの前で自制を訴えかけてくれていた)にとってはいきなりの試練ではあったものの、公式謝罪のリリース時期・内容ともに浦和側と示し合わせて行うあたりなど、クラブレベルでは信頼関係が維持できていたようで一安心。一皮向けばJのクラブなど中小企業に過ぎず、ともすれば街のワンマン社長同士の意地の張り合いなんていう収拾のつかない事態に陥ったかもしれないだけにね。互いをステークホルダーとして認め合ってる間は大丈夫。よくしていけるよ。

 

 

そんなこんな。

それにしても疲れたな。たった1試合、勝ち点3を賭けた試合なはずなのにね。こんな長文、社内の昇格試験論文以来だよ…。でもこれ書いたところで昇格するわけでも昇給するわけでもなく…(´・ω・`)