N-038 カノーヴァ作容姿 | きょうの石膏像 

N-038 カノーヴァ作容姿


きょうの石膏像     by Gee-N-038
N-038 カノーヴァ作 容姿(ヴィーナス)     H.79×W.22×D.22cm (フィレンツェ・ピッティ宮他収蔵)




前回とおなじく、18世紀のイタリア人彫刻家アントニオ・カノーヴァの作品です。


File:SuhrlandtCanova.jpeg

カノーヴァさん。 (後ろに、彼の作った青春の女神"ヘーべ”の像が描きこまれています。)



この石膏像は、カノーヴァ自身のタイトルとしては、”Venus(ヴィーナス)”となっています。



実は、この石膏像・・・つい最近まで、同時代(18世紀)のフランス人彫刻家アレグランの作品だとされていました。でも、これが間違っていることに最近になって気がついたんです。


確かにアレグランの作った優美な女性像の雰囲気に通じるものがこの作品にはあります。


前回の記事に書いたとおり、カノーヴァは新古典主義を代表する彫刻家なのに、このヴィーナス像はちょっと繊細で、装飾的な印象を受けます。その辺りが勘違いされてしまった理由かもしれません。



意外と、この時代の資料って身近に無いんですよね~(言い訳ですが・・・ぶつぶつ・・・)。


ルネッサンスを通過して、ベルリーニとかが出てきたあたりから、ロダンの出現前夜までっていう期間は、どうもなじみのない彫刻家が多いんです。今後の勉強の課題ですな~~。。。



で、このヴィーナス像はあちこちに収蔵されていて、まずはメトロポリタンから、

File:Metropolitan canova venus.jpg

ニューヨーク・メトロポリタン美術館収蔵 



サイズがどうもよく分からないのですが、そんなに大きくは見えないですね。。

石膏像はオリジナルサイズなのかしらん。。。



File:Antonio Canova Venus Italica.JPG

こちらは、おそらくフィレンツェ・ピッティ宮にあるものの後姿。足元にある四角い箱は石膏像でも再現されています。


う~ん、こちらもそんなに大きな彫像には見えないですね。石膏像が高さ79cmですから、やはりオリジナルサイズなんでしょうね。。。たぶん。。。




File:Sommer, Giorgio (1834-1914) - n. 5547 - Venere di Canova (Firenze).jpg

フィレンツェのピッティ宮にあるらしいヴィーナス像



File:17Palauet Albéniz.JPG

gardens of Palauet Albéniz, Barcelona. "Venus Itàlica". Sculptor: Jaume Duran i Castellanos

スペインのバルセロナのどっかの庭園にあるみたいですね。こちらは模刻ですね。





次回は、さっき勘違いされてしまった”アレグラン”の作品をご紹介します。





今回取り上げた、N-038 カノーヴァ作容姿(ヴィーナス)は、私共の運営するオンラインショップ「石膏像ドットコム」で実際に購入していただくことが出来ます。以下のバナーをクリックすると、ショップに入れます。よかったら覗いてみてください。


きょうの石膏像     by Gee-sekkouzou.com