『私たちは、「運のいい人になりたい」と願って
自分を変える努力をしがちですが、そもそも自分を
変えるというのは至難の業で、そうたやすく出来る
 ことではないのです。
 そこで、少し視点を変えて「今の自分を最大限生かす」
 ことを考えてみましょう。いまの自分を変えようと
 するのではなく、今の自分を生かすのです。』

       科学がつきとめた「運のいい人」中野信子著


          

変わりたいという気持ちはとても大切です。
向上、進歩の表れでもあると思います。


でも、
今の自分を受け入れられずに
全く違う自分になりたいというニュアンスでは、
とても遠回りになってしまいます。


なぜなら、
今の自分の個性は自分の意志では如何ともしがたい
持って生まれたもの。


その個性を無視して、全く違う自分になる努力は
とても難しいし、結果を出しにくいから。


たとえば、スポーツで言えば、
マラソンなど持久力に秀でた自分が、
格闘技などの瞬発力をつけることばかりに
エネルギーを注ぐようなもの。


自分の個性ではない部分に一生懸命変えようとしても、
なかなか変化が出せず、諦めたり、そんな自分を嫌になったり
することが多いはずです。


だから、

この本では、自分を生かすことを薦めています。


持久力が強みの人が格闘技をするなら、
瞬発力で勝負の打ち合いにせずに持久戦に持ちこむこと。


いまの自分、自分の体、自分の価値観、自分の直感など、
先ずは、自分のありとあらゆるものを生かしていく。


そうして、

自分を生かしていけば、どんどん人間は
進歩や成長がおこり、少しずつ変化し始める。


出発点は今の自分から。

今の自分を最大限に生かす。


自分を変えたいのなら
変わるためのはじめの一歩。


著者は、
それが「運のいい人になる絶対条件」と思うと述べています。


科学がつきとめた「運のいい人」