お姉さま、……春は出会いと……別れの季節ですわよね。



哀しいことに、密かにお慕いして同部署のT様がこの度異動となるそうで……。

ああ、プリンタのところで遭遇した際に、映画や小説のお話をすることを楽しみとしていたのに……。ほほ笑みの貴公子T様と評される、あの常にたたえられている笑みをもう見ることができないかと思うと涙が……。


ちなみに、このT様、微笑みを常にたたえているのは大げさな表現ではなく、本当に常に笑顔なのです。地顔が笑顔。なもので、会議の際に、「おまえはまじめに聞いているのかっ!」と激怒されたこともかつてあったとかなかったとか。また、実に失礼な話ではありますが、同経理Kディレクタが「家の近所のコンビニに、いつもにやにやしている客がいて気味が悪いと思っていたら……、ここに出社してみたらそいつが会社にいるから驚いたよ」とおっしゃた逸話もあり……。

そんな微笑みの貴公子とも、今週いっぱいでお別れです。。。


別れの季節、春のほろ苦さを表現した一品。。。



赤貧亭

彩りも美しく


蒟蒻百珍 七珍目 「蒟蒻翡翠和え」



蚕豆のほの甘さ、ほろ苦さに蒟蒻の歯ごたえがアクセントとなり、ついつい呑み過ぎてしまう酒肴。

蒟蒻といいますと独特のにおいがワインに合わない印象ですが、こう処理しますと、白、赤、どちらとも美味しくいただけると思います。

<材料 二人分>


蒟蒻 1/3枚、蚕豆 100g、白醤油 大匙1杯、てんさい糖 小匙2杯、塩一つまみ


<作り方>


・ 蚕豆を薄皮ごと1,2分茹で、皮を剥き、すり鉢にて潰しながら全ての調味料を加え良くあたります。


・ 蒟蒻を細切りにし熱湯で2分ほど茹でてあくぬきをし、流水にて良く冷やしたら固く絞ってボウルに入れ、少量の塩で軽く揉み5分程放置。


・ 蒟蒻の水気をきり、和え衣とあわせれば出来上がり。