お姉さま、……春は新しいことをスタートさせるにも、絶好の季節ですよね。



……いや、わたくしのことではないのですけれども。ええ、我らが上司K様のことなのですけどね……。


先日K様と話していたおり、昨年度の家計簿を改めて整理していたところ、昨年度は全ての月において……赤字だったそうです。わたくし、思わず「え!貯金取り崩して暮らしていたんですか」と驚きの声をあげてしまい、「どうやら、そのようだね」とK様。……いや、どうやらって……。どうやったら毎月の収支が赤字であることに気づかないという事態を招くのか……。


しかしK様、衣服にお金をかけるわけでも豪遊しているわけでもなく、実に慎ましやかな生活。一体お金はどこに消えていくのかと不思議で仕方がなく。。。

K様曰く、家賃が高く給料の大部分を持って行かれてしまう。それに加え、毎食外食なので食費がかなりの割合を占めている。……というより、ほとんど食費とのことで。……確かに、朝は毎朝ヴィダインゼリーとコーヒーで400円くらい。昼は700くらいの社食の定食。夜もどこかで外食ということなので、一日大体2,000円くらいは食費でかかっていることになるわけで……。

わたくしは友人と二人含めてこの半分(酒は除かれます)ですから、K様のエンゲル係数の高さたるや……。


「今年はね、男の料理教室に通うことにしたよ」


とうとうK様が自炊に目覚めてくださりました。


思わず、K様を取り囲む女性陣から拍手が……。K様、自炊生活という分野へようこそ。健康的になれ経済的な自炊は素晴らしいことです。


「今年の目標はフランス料理を作れることになることだよっ」


……K様……全然エンゲル係数が低くなる予感がいたしませんが……。思わず皆で、「全然節約になってませんから」と突っ込んでしまいました……。


和食ですよ和食!

K様、健康にも節約にも、日本人だったら和食ですよ。。。



赤貧亭

蒟蒻百珍 三珍目 「素朴煮〆」



ほ、ほら……こんな素朴な料理とか……。

そういうのを作っていきましょうよ。貧乏臭くもありますが、しみじみして美味しいですよ。


<材料 二人分>


鰹出汁 1カップ、醤油 大匙2杯、酒 大匙3杯、味醂 大匙1杯、蒟蒻 1枚、里芋 5個、人参 1本



<作り方>


・ 蒟蒻は熱湯であくぬきをし手綱蒟蒻に。人参、里芋は皮を剥いて乱切りとします。


・ 鍋に鰹節で出汁をとり、それを1カップと全ての材料を鍋に入れ中火にかけます。煮立ってきたら火を心持弱め、落とし蓋をし、更に軽く蓋をして5分程煮ます。


・ 材料に軽く箸がささるようになったら蓋をとり、落とし蓋をしたまま煮汁が殆どなくなるまで煮て行けばできあがり。軽くひとまぜし、鍋の中で冷ましながら味をなじませます。



蓮根、筍などを加え華やかにするもよし。仕上げにきぬさやなど飾る経済的余裕があれば、見た目もより美しくなりますよ。。。