「チームに向かうべき方向と目標の提示する部門方針」(小池浩二氏) | 清話会

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小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (7)
「チームに向かうべき方向と目標の提示する部門方針」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■方針とはレール


方針とはレールです。
電車と車で目的地に目的通りに行くためには、電車のほうが確率は高い。

それは電車にはレールがあるからです。車は幾ら自分が気を付けてもぶつけられるし、渋滞があれば目的通りには行けません。
方針の種類にはいろいろありますが、代表的なものは会社全体の経営方針と部門単位の部門方針です。

経営方針とは「今年1年間どのような方向性を持って戦うか」を各部門・全社員が迷わないようにレール敷くことです。これを形にしたのが経営計画書です。

この経営方針を受けて、各部門ごとに3ヶ月単位で具体的にチームで実践することを示すのが部門方針です。

この方針がないと目標はあっても、チームは進むべき方向性を見失い、各人で判断して仕事をするしかなく、チームとしての統一体としての力が発揮できません。

この部門方針は目に見えないものです。だから方針とは、まるで生き物であるかの様に丁寧に水をやり、陽の光を当てなければすぐ枯れます。

つまり、チームに向かうべき方向と目標の提示し、互いに目標の共有化していくことがチームリーダーとして必要となります。

■方針のつくり方とメンバーへの浸透のさせ方

方針というものは、文字で書けば簡単です。

よく、模造紙に書いて掲示する会社があります。掲示して浸透するかというとなかなか浸透しないことが多い。浸透しない要因はいろんな背景がありますけれども、その中の一つはスタート地点の誤りがあります。

例えば今期の経営方針を「スクラップ&ビルドで新経営体質づくりのスタート」としましょう。
「スクラップ&ビルドで新経営体質づくりスタート」と言われて、「あっ、わかりました。自分たちはこれをやればいいんですね」と、すぐにピンとくるチーム集団ならよい。

しかし、これがなかなかピンとこないのが現実。だから、その経営方針を受けてこれからの3ヶ月間で自分の部門では何をやらないといけないかをまず考えなければいけません。

これが部門方針で部門長とナンバーツークラスのほうで考えます。
しかし、これだけでは現場で経営方針だけがどうしても浮いてきます。経営方針の考えを実践していくのは、社長だけではなく、リーダーだけではありません。

全社員で実践していくわけです。次に重要な過程は部門長とナンバーツークラスの方で考えた部門方針を誰が、何を、いつまでに、どのような方法でやるのかをチームメンバー全員で考えて、役割分担を図ることです。

この過程をたどらないと経営方針は全社員に浸透しません。だから全社員を巻き込んで作成し、運用していくことがポイントになります。

チームリーダーの方は、部門の方針というものを必ずつくり上げ、それを理解させ、浸透させていく役割があります。

■部門方針マネージメントのポイント

この部門方針マネージメントのポイントは、
① 会社の今年度の方針と目標を理解させる
② 四半期ごとに自部門の業績を決めるポイントを検討していく
③ 自部門の四半期ごと方針をメンバーに理解させ、浸透させる
④ リーダーとしてメンバーに対して目標の重要度・優先順位を明確にしていくこと
⑤ 自部門の四半期毎方針を実現するために、各メンバー毎に何を重点とさせるかを考えさせ決めていくことです。

部門内でやるべきことはたくさん出てきます。
ただ、その重要度、優先順位を明確にしてあげないとやれるところからやっていく発想では成果は上がりません。

チームの四半期毎の目標・方針を実現するために、各メンバー毎に何を重点とさせるかを考えさせ、決めさせること。
そして、向こう三ヶ月間はチームとしてこういうことをやっていきます。
そのとき、田中さんは、こういうことを重点としてやってくれ、鈴木さんはこういうことをやってくれと考えさせて、きちんと決めているかどうかであります。

業績をつくる黄金法則の部門方針から下のレベルになっていくと、必ず参画させるということが非常に重要になります。

自分は何をすればいいのかを常に考えさせること。そのためには巻き込んで考えさせていくことがポイントになっていきます。



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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。


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         筆者 小池浩二氏が
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     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html