「先入観、固定観念」(谷口碩志氏) | 清話会

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谷口碩志の「会社は人から」第37回
先入観、固定観念

谷口碩志氏 (クリエイトマネジメント協会代表取締役)

研修で「我々の内在する無限の能力を否定しているのでは?」と言う例えで、数例の事例を出してお話する場合があります。
その一例として「カマス理論」をお話します。

カマスという魚は、ご存じのように小魚を食べる習性がある海の魚で、この魚を使って次のような実験が行なわれました。
 
カマスと小魚を同じ水槽に入れます。但し、この時お腹をすかしているカマスと小魚をガラスの透明の仕切りをして分けていれます。
カマスは当然お腹がすいていますので小魚を食べに行こうとしますが、ガラスにぶつかって食べられません。
何度か食べにいこうと挑戦します。そのうちに食べることができないと諦めます。

頃を見計らってガラスの仕切りをはずします。
しかし、カマスは小魚を食べられないと諦めています。

カマスはもう小魚を食べようとしません。一緒に水槽の中で泳いで、そしてお腹をすかして死んでしまうと言う実験です。
つまりカマスは小魚を食べることができないと、自己限定、固定観念がインプットされたため、もう小魚は食べなくなってしまったと言うこのようなお話です。
 
これを我々に置き換えると、我々も一概にカマスを笑う事が出来ず、先入観、自己限定 固定観念で、これは出来ないと物事を判断しているかもしれないと言う話になります。

これと類似した話で皆様もご存じの動物園の象の話もします。

生まれた小象を動物園の象の庭で放し飼いをします。
その折 小象の足に何メートルかの鎖をつけておきます。

小象は庭で自由にどこへでも歩き回りたいのですが 鎖があるためその範囲しか行動できません。大きくなって鎖を外しても 象は鎖の範囲しか行動をしないと言うお話です。

「鳥と森」の話も時折話します。
一本の小高い森を作為でつくっておきます。そして、その周辺に鳥を放しておきます。鳥は当然小高い森がありますので、その森に来たときは森を超えて行き来して行動します。

これも 頃合いを見計らって、その小高い森を取り除きます。
鳥はまだ森があるものと思って、その森に来たとき真直ぐに飛ばないで、常にその森があるものと思って、そのない森の頭上を飛び、行き来すると言うお話です。

研修では我々もそのような動物を笑っている事が出来なく、案外、自己限定、固定観念で自己の持つ素晴らしい内在する能力を封じ込めているのではないのか、との研修の材料に使っています。




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清話会 谷口碩志
 (たにぐち みつゆき)
昭和18年5月大阪市生まれ。昭和42年関西学院大学卒業後、3年間の商社勤めから経営コンサルタント会社へ転身。約9年間在籍、その間海外の企業実態調査のため欧米・中南米・アフリカ・共産圏・東南 •アジア諸国など40数回の渡航歴を数える。昭和53年、経営コンサル会社を創設、代表取締役に就任。

・クリエイトマネジメント協会 http://www.cmajapan.co.jp/

・谷口社長のブログはこちら http://blog.livedoor.jp/senba206/