相変わらず忙しくて忙しくて、猫の手もウサギの手も、ネズミの手でも借りたい今日この頃です・・・。

先日お約束した、衝撃の事実目です。

タイトルにあげましたが、
長くおっぱいをあげていると、
その間に、次の子を妊娠した、という場合も出てきます。
経験的に、まぁあげてても大丈夫、と思っている医療関係者は多いのですが、
その証拠となるような研究はあまりないようです。

だから、実際の臨床の場では、おっぱいあげてると、オキシトシンの働きで子宮が収縮して、流産・早産の危険があるから、上の子への授乳はやめましょう、と指導されるのが一般的です。


ところが、
この習慣をひっくり返す地震か爆弾のような研究報告が出ましたドカン

浜松にある、石井第一産科婦人科クリニックの院長を務める石井廣重産科医師が、ご自分の病院で1996年から2000年までの5年間に出産された方たちを対象にした研究です。以下に、毎日新聞に掲載された記事を紹介します。


流産:妊娠中の授乳と「無関係」 浜松の産科医が論文

 授乳をすると子宮が収縮し流産になるとして、明確な根拠がないまま国内の産科医療機関で中止を指導されることの多い妊娠中の授乳について、浜松市の産科医が、授乳は流産と無関係とする論文を日本産科婦人科学会の学会誌に発表した。

 石井第一産科婦人科クリニック(浜松市)の石井広重院長は、96~00年に同院で第2子の妊娠が確認された20~34歳の女性のカルテをもとに分析。第1子が満期産(妊娠37週以上42週未満に出産)で流産の経験がない人で、授乳中だった110人と、授乳していなかった774人を比較。授乳群で流産は全体の7・3%に対し、授乳しない群は8・4%で、有意な差はなかった。石井院長は「母乳育児は母子双方にメリットがあり、禁止はすべきでない」と話す。

 日本赤十字社医療センターの杉本充弘周産母子・小児センター長は「データに基づき、無関係とはっきり示した論文は国内では初めて。中止を指導していた施設は方針転換した方がよい」と話している。【須田桃子】

毎日新聞 2009年12月6日 東京朝刊


この報告に救われるお母さん、たくさんいらっしゃるんでしょうねぇ・・・・。

さて、この石井第一産科婦人科クリニックは、日本で始めて個人病院としてユニセフとWHOから、『赤ちゃんにやさしい病院』BABY FRIENDLY HOSPITAL(BFH)の認定を受けています。
HPをご覧になると良くわかりますが、豪華な食事は出ない代わりに、全室個室で24時間母児同室という、医療者から見たら大変手間のかかる、きめ細かいケアを行っています。
この24時間というところがミソなんですよね・・・・。

夜だけ赤ちゃんを新生児室に集めてしまえば、
赤ちゃんの状態把握、管理が簡単です。
お母さんは疲れているから、夜の授乳はこちらで行いますね、とミルクを与えれば、
よく寝てくれるし、体重も増えてゆくので、手間がかかりません。
入院中の心配のタネも減ります。

でも、退院後の赤ちゃんの生活を考えたら、これはとても無責任なやり方です。
産後数日の間は、授乳分泌を確立させるために一番大事な時期ですから、
1日最低8回~12回は授乳する必要があります。
それだけ頻繁に赤ちゃんに吸ってもらわなければなりません。
さらに、おっぱいを作るホルモンは、夜のほうがたくさん分泌されますから、
余計に夜の授乳は大切になります。

授乳の機会を奪われたお母さんは、
乳管開通が遅れて欝乳を起こし、おっぱいがはれ上がります。
さらには、赤ちゃんに吸われないことで、
数日間の入院中に、おっぱいの出が悪くなってしまうこともあるでしょう・・・。

24時間個室で母児同室にしたら、上に書いたことはすべて解決されて、
お母さんと赤ちゃんにとっては理想的なスタートが切れるわけです。

でも、お世話する側にとっては、
いちいち問題があるたびに、
夜中でも、個室まで出向かなければいけないわけですから、
とても手間がかかります。
おっぱいがうまく出るようになるか、
赤ちゃんが上手に飲んで育ってくれるか、
ハラハラドキドキしながら、
先手先手で効果的なケアを提供しなければなりません。
一番大切なお母さん教育も、大変時間のかかる気を使うケアです。

こういうケアを受けられるのは、
ピアノ演奏つきの豪華なダイニングでフランス料理をサービスされるより、
実は、ずっとずっと贅沢なことなんです王冠2お姫様ケア、のつもり・・・・・・。

浜松で出産予定の妊婦さんは、
このクリニックがあるだけで、幸せかもしれないですドキドキ