自律神経の働きというものをご存知でしょうか?
自律神経は、意識しなくても心臓を動かしたり、体温調節をしたり、内蔵や発汗などの働きを一番良い状態に保つ働きをしています。
自律神経は、交感神経と副交感神経とに分けられます。
この自律神経の中の交感神経は、
「闘争と逃走の神経」とも呼ばれます。
命の危険に際して、闘うか、逃げるか、どちらかの時に働くという意味です。
その時、心臓はバクバクと早鐘のように脈打ちますが、逆に血流は悪くなっています。
それは、敵に襲われて傷つけられた場合、出血多量で死なないためです。
逆に、副交感神経が優位になるとリラックス出来ます。
呼吸は穏やかになり、血流が良くなります。
血流が良くなると、全身に酸素や栄養素が行き渡り、老廃物の回収も促進されます。
こうして傷ついた身体の修復が行われる訳ですね。
この交感神経と副交感神経の働きは、
「シーソー」や「アクセルとブレーキ」に例えられます。
どちらか一方が働いている時は、もう一方の働きは抑えられ、時間が経つとその逆になります。
一日の中でも、仕事やスポーツで活動している時は交感神経が優位になり、夜寝ている時は副交感神経が優位になります。
現代社会は、様々な刺激やストレスで、交感神経優位になりやすいと言われています。
まあ、常に興奮状態にある訳ですね。
この興奮状態の時、体内では血液がドロドロになり痛みや老化の元となる活性酸素が多く出されます。
逆に、リラックスして副交感神経が優位の時には、身体の修復が行われるので痛みを感じにくくなります。
実は、呼吸をしている時にも自律神経のスイッチは切り替わっています。
息を吸う時(吸気)には交感神経が、
吐く時(呼吸)には副交感神経が優位になります。
この、呼吸で副交感神経を優位に出来るのが腹式呼吸です。
腹式呼吸は様々なやり方がありますが、個人的に一番やり易く効果も高いと思うのは…
4秒で鼻から吸って
4秒息を止めて
8秒で口から吐く
というものです。
この時大切なのは、お腹を動かす事。
自分で両手をお腹に当てて、息を吸う時に膨らんでいくのを実感し…
吐く時には手の重みを感じつつ軽く押しながら息を吐き切ります。
さらに、息を止める時には、腹筋に力を入れて、プクッと膨らませると効果倍増です。
仰向けに寝た状態でも、椅子に座った状態でもでもどちらでも出来ます。
一回につき、3回から5回くらい行えると良いですね。
これを習慣化すると、痛みがやわらいだり、安眠出来るようになるので、当院でも来院される方にご指導しています。