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ストーカーリタリン大量処方の医師を違反容疑で逮捕

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ストーカー:リタリン大量処方の医師を違反容疑で逮捕

 以前交際していた女性に執拗(しつよう)につきまとい脅迫メールを送り付けたなどとして、警視庁成城署などは1日、東京都新宿区の精神科「東京クリニック」(廃院)元院長、伊澤純容疑者(38)=新宿区新宿5=をストーカー規制法違反と脅迫容疑で逮捕した。容疑を否認しているという。

 調べなどによると、伊澤容疑者は9月、クリニックの元患者で以前交際していた都内の20代女性に、再度交際するよう求めて拒否され立腹し、繰り返し、嫌がらせの電話やメールを送信。また、女性宅周辺で待ち伏せし「話をしなければお前を一生追いつめて破滅させてやる」と脅迫した疑い。女性は9月、ストーカー規制法違反容疑で告訴していた。

 伊澤容疑者は04年3月、新宿・歌舞伎町で開業。だが、乱用が社会問題化した向精神薬「リタリン」を大量処方したとして、都などが昨年9月、医療法違反(不適切な医療の提供)容疑で立ち入り検査した。警視庁は昨年11月、医師法違反(無資格医業)容疑で家宅捜索し、今年6月に伊澤容疑者を同法違反(無診察治療)容疑で書類送検していた。

 伊澤容疑者は昨年2月、別の患者に対する傷害罪で起訴され、執行猶予付きの有罪判決が確定。昨年10月15日付で厚生労働省から医業停止2年の処分を受けている。【精神医療取材班】

毎日新聞 2008年12月2日 2時30分(最終更新 12月2日 2時30分)


東京クリニック院長裁判傍聴記

2007/2/27(火)

精神科医による犯罪


 今日、東京クリニック院長の精神科医に対する裁判の初公判が東京地裁で開かれました。
傍聴席は20席ありましたが、事件が注目されていたのか、すぐに満席になりました。
簡潔に結果をまとめるとこうなります。

被告人(伊澤純)は起訴事実を認め、検察側は懲役2年を求刑し、弁護側は懲役1年6月、執行猶予3年ないし4年を求め、結審した。次回判決公判は3月5日に開かれる予定。
 詳しく知りたい方は、少し長いですが以下をお読み下さい。なお、発言内容は一字一句書き留めたわけではないので、その通りというわけではありません。だいたいの意味や流れを理解してもらえたらと思います。

 最初に罪状認否が行われ、検察側から起訴事実が述べられた。要約すると以下のとおり。平成18年12月19日午後12時50分、被告の診察を受けた女性患者とその付き添いの夫が、被告の説明がぞんざいで納得がいかず、説明を被告に何度も求め、その後受付職員にも説明を求めていたりしていたことから、被告は激高し、女性患者の髪を掴んで診察室の壁の出っ張りに3度後頭部を叩きつけるなどして女性患者に全治3週間の怪我を負わせ、妻を助ける形で間に入った夫に対しても、頸部や脇腹をあざができるほど強く押して全治10日の怪我を負わせた。

 傷害の事実については、被告人はあっさりと「間違いない」と事実を認めた。

 さらに、検察側は、調書などの資料を提示しながら、被告の性向や前科、事件の詳細を説明した。被告には前科が2件あり、平成11年8月13日には○○の罪について、略式判決で5万円の罰金刑に処せられ、平成14年11月21日には○○の罪について、略式判決で30万円の罰金刑に処せられていた。被告には日頃から暴力的な傾向があり、クリニックの職員に髪を思いっきり引っ張るなどの暴力を振るったりしていたことが職員から証言されていた。

また、平成18年4月28日には、同クリニックにおいて、必要のない注射を無理やり打とうとして患者を投げ飛ばして怪我を負わせる事件も起こしていることが判明している。今回の事件については、被害者夫婦の証言によると、被告は上記暴行をしながら「夫婦そろって頭がおかしい」と何度も罵声を浴びせ、110番しようとした夫の携帯を逆側に無理やり折り曲げようとし、暴行後も待合室にあった夫婦のカバンを女性患者らに投げつけたりしていた。

事件を目撃した患者からも、被告の診察や説明が手抜きでおざなりのように感じ、被害者証言と違わない暴力行為がや暴言があったことが証言されている。また、クリニック職員からも、事件について同様の目撃証言がされていた。被告は、弁護士を通じて被害者に何度も示談を求めたが結局示談は成立しなかった。また、情報として被告には借金はなく、預金が1億円あることも報告されていた。


 次に、被告人の母親と、クリニック職員がそれぞれ証言者として法廷に立ち、弁護側と検察側、そして裁判長から投げかけられた質問に対して答える形で証言を行った。

母親は、同居していたころにはとくに暴力的なことはなかったことを証言し、今後は息子の更正をクリニックの職員と協力して行っていきたい旨を話した。

クリニック職員は、勤務して半年だが、被告は患者に対して思いやりを持って接していて、患者はもちろん、職員にも暴力をふるったことなどは見たことがなく(ただしこの職員は事件当日は出勤していなかった)、患者が職員につっかかるようなことがあれば、被告は積極的に間に入って職員を守ってくれていたことなどを証言した。

 その後、被告人が法廷に立ち、弁護側と検察側、裁判長からそれぞれ質問を受けてそれに答えていった。検察側がポイントとしたのは、傷害事件について被告人の供述がどんどんと変わっているということだった。

調書をとった段階で、被告は最初事件について「覚えていない」としてしていたが、そのうちに「したと言われればそうかもしれない」となり、今回の公判では「認める」ということになった。そのように供述が変わった理由は何ですかと検察に質問された被告は、言葉に詰まりながらも「拘置されている間に、人生について書かれたような本など差し入れされて読んだりしたのですがー・・・。細木数子さんの本とかー・・・・そういった本の影響を受けたというわけではないんですがー・・・。やっぱりと色々と考えて、そうしなければいけないなと思い、そうしました。」などというような答えをした。

何度もよくわからない答えをする被告に業を煮やしたのか、検察側は「最初は覚えていないと言っていたが、そのような態度ではいけないと真摯に反省して今回認めるようになったんですか?」と少し強い口調になって尋ねると、被告は「事件については「覚えている」というよりも「認めている」という方が正しい。」などと答えた。

当然、検察からは「それはどういうことなんですか?」と追求された。色々やり取りがあったが、結局被告が質問の意図を理解していないのか、わざと答えをはぐらかしているのか、核心に触れる答えは出なかった。
事件の原因について検察側から質問された被告は、

「患者と合わなかったこと」が原因だと主張した。合わないとはどういうことかと質問されると、「人と人とで、嫌な感じがするということです。そういう人が、1年に一人か二人出会うんです。○○さんとも、この人は初めから私には無理だと思っていました。」というような答えをしていた。検察側が、「事件の原因は、医療体制ではなく、あなた個人の性格の問題ということですね。」というと、被告は少し高ぶって「性格ではなくて相性なんです。私は本来怒らないんです。」と答えていた。そして、被告は患者の診断が難しいということも原因だったと主張した。この病気がいかに診察が難しいかという話になると、いままでしどろもどろだった口調がいきなり流暢になり、専門用語を交えて饒舌に説明していた。

 検察側の質問が終わり、裁判官が被告に対して、ではどうしたら再発を防ぐことができるのですか?と問いかけたところ、被告は「暴力はしない」と答えた。すると、裁判官は「暴力をしないというのは当たり前の話で、先ほど相性が合わないという説明でしたが、相性が合わない人には暴力をふるうということも許されないわけで、なぜ今回の事件が起こったのか本当の理由を見つけないと再発防止にもなりませんから。では、事件の本当の理由は何だったのですか?」と被告に質問した。それに対し、被告は「悪い条件が重なったんです。そもそも、診察に付き添いを入れるなど2対1にすべきではなかったと思います。それは私のミスでした。あと、相性が悪いこともあって・・・。」というような釈明をした。再発防止策は考えているのかと裁判官に尋ねられた被告は、「一日に診断する患者の数を制限するとか、医師を他に雇うとか、診察に一人15分とるとか・・・、あと、患者と問題があったときに今まで警察を呼んだりしていたんですが、警察ばかりよんで新宿署が怒っちゃったのも今回のことにつながったんで・・・。ですから、セコムとか民間会社に頼んだり、防犯カメラを院内に設置したりしようかと思っています。」などと答えていた。

 一通り質問が終わったところで、検察側から、被告に対する求刑文が読み上げられた。「身勝手で酌量の余地は無い・・・悪質・・・言語道断の行為・・・被害者は厳重処罰を求めている・・・再犯の可能性もあり、求刑は懲役2年とする。」という内容だった。

 これに対して弁護側は、東京クリニックが休診を余儀なくされることで、薬が処方されなくなって困ったり、紹介書がないので他の医療機関にかかることができなかったりして苦しんでだりしている患者たちから再開を求める声も多いことから、裁判を迅速化するために、調書の内容に疑問を抱くも受け入れたということだった。また、ニュースで大きく取り上げられたり、インターネットで面白おかしくとりあげられたりして社会的制裁は十分に受けていることから、懲役1年6月、執行猶予3年ないし4年が妥当ということだった。

 判決は3月5日、午後1時15分に行われる予定。

感想:
被告の証言を聞いていると、「事実を認める」「反省している」という言葉とは裏腹に、何か納得していないものを被告から感じた。そのためか、被告は検察側を刺激するような失言(というよりも本音?)を繰り返していた。また、医師という立場の人が患者に傷害を負わせるということを重大なことだと認識していない様子で、発言内容や態度を見ると、自分には責任がない事故のようなものとしてとらえているという印象だった。検察側もそれは敏感に捉えていたようだった。裁判官がそれをどう判断するのか、来週の判決に注目しましょう。


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(転載元 精神科医の犯罪問う)