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障害者や高齢者に対する身体拘束・虐待

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無差別殺人から子どもを守れ
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障害者や高齢者に対する身体拘束・虐待


2007/2/21(水)

身体拘束・隔離練習用

高齢者が金属の手錠で両腕をベッドに拘束され、障害者がペット用のオリに鍵をかけて閉じ込められるという、信じ難い実態が千葉県で発覚した。21世紀は「こころの世紀」と言われているが、2007年現在でも、明治時代の精神病院と変わらぬ処遇が公然と行われていることに唖然とさせられる。

最近、医療や福祉の現場では、本来あるべき姿と対極にある、考えられない事件が目立っている。精神科病院やクリニックでは、患者が医師や看護師から殴られ、知的障害者施設においては、入所者が施設職員に強姦され、虐待され、違法
労働に従事させられ、高齢者施設では、入所者が違法に縛られている。

「行政の監視が行き届かないから」「職員が足りないから」「入所者が問題行動を起こすから」…。様々な理由や言い訳が並びたてられるが、全ての根底にあるのは、医師や職員に、人を人としてみなす視点が欠けているということである。では、高齢者や障害者を拘束して管理するという、まるで人を機械かモノのように扱う風潮は、いったいどこから来たのだろうか。

人々は、古来より人間の精神性を認め、人間という存在を単に物質とはみなさず、その尊厳や誇りというものを何よりも大切にしてきたはずだった。しかし、精神医学が精神の定義を歪めて精神の存在を否定し、人の心を物として扱い、人々の思考や芸術的な創造性までも、単に脳内物質の働きとして説明するようになった。そして、心の問題は全て脳や物質に帰着され、薬物や電気ショック、ロボトミー手術など、脳に直接作用して行動をコントロールする治療が精神医学によって普及されてきた。
日本では、精神科医が「精神障害者=犯罪者」と宣伝することで障害者に対する差別を生み出し、精神科病院の乱立を正当化してきた結果、国際的にも異常な数の精神病床を抱えることになり、現在も医療や福祉、財政に悪影響を与えている。特に、患者を人としてみなさず、縛り付けや薬漬けで、管理者の都合の良いように行動や思考を抑えつけるという、精神科病院で実践されてきた技術は、劣悪な精神病院を前身とする老人病院に受け継がれ、高齢者施設や障害者施設にまで普及していった。

施設や病院に閉じ込められ、モノとして扱われた障害者や高齢者の状態がよくなることはあり得ない。32万人が入院する日本の精神科病院では、治癒して退院できる患者は一日あたりわずか7人に過ぎない。結果を示すことのできない病院や施設の運営にどんどんと資金が奪われ、医療や福祉の財政は破綻寸前まで来ている。需要は増える一方で、施設や職員、サービスの補充が追いつかず、行き場を失った高齢者や障害者は、行政の監視も届かないさらに劣悪な施設への入所を余儀なくされている。今回の事件は、まさに日本社会に巣食う病理を象徴している。
この病理から抜け出す道は、人をモノとして扱うような、精神医学に由来する悪しき技術を医療や福祉の現場から排除する以外にはない。ようやく問題に気付いた国は、最近になって大きく方向転換しつつある。

昨日厚生労働省によって開かれた、「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」では、高齢者虐待防止及び身体拘束禁止に向けた取り組みの指導が、来年度の実地調査の重点事項として挙げられている。また、1月16日に開かれた全国厚生労働関係局長会議においては、国によって「特に、虐待の行われた施設に対しては、指定の取消、事業停止等の適正な対応を図られたい。」と明言されている。

このような取り組みを行政がさらに一層強化することが急務である。同時に、市民一人一人が問題意識を持つことで、自身や家族が被害に遭ったり、加害者にもなることを防ぐ必要がある。このような虐待が起きる本当の理由は、「職員が少ないから」「施設が少ないから」「財政が厳しいから」というところには決してない。市民が傍観者であり続け、問題意識を持たない限り、いくら施設や職員を増やしても同じ問題は繰り返されるだろう。今回事件が起きた千葉県は、全国に先駆けて障害者差別禁止条例(「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」)を制定した自治体でもある。人を思いやる真のプロフェッショナルからなる医療・福祉体制は行政の指導だけでは実現できない。我々市民が意識を持つべき時期に来ている。

医療従事者、福祉職員による最近の虐待・傷害事件

1月17日、鹿児島県出水市の知的障害者更生施設「せせらぎの郷」の元理事、小野雅治容疑者が、施設を利用していた少女2人にみだらな行為をしたとして、鹿児島地検により、準婦女暴行などの罪で起訴された。

1月18日、徳島県美波町の知的障害者地域生活自立支援センター「ばんそうS&S」の男性入所者に重傷を負わせたとして、徳島県警捜査一課と牟岐署は、男性元職員を傷害の疑いで地検に書類送検した。元職員は、施設内のトイレで便秘気味の入所者の腹をさすった際、いら立って腹を強く突き押し、小腸に穴が開くなどして約一ヶ月の重傷を負わせた。

1月23日、診察結果の説明を求めた女性患者の髪の毛を掴んで壁に頭を叩きつけ、付き添いの夫にもケガを負わせたとして、警視庁新宿署は、新宿区歌舞伎町の「東京クリニック」院長である精神科医、伊沢純容疑者を傷害容疑で逮捕した。同容疑者は昨年夏にも、 男性患者に暴力を振るい骨折させたとして傷害容疑で書類送検されていた。現在起訴され、初公判は2月26日、東京地裁で開かれる予定。

2月6日、埼玉県東松山市の精神科病院、東松山病院内で1月、男性看護助手が患者に暴力を振るってけがを負わせていたことが発覚した。同病院院長が、県が求めた事情説明に対して暴行の事実を認めた。

2月8日、福岡県飯塚市の知的障害者更生施設「カリタスの家」の虐待事件で、男性入所者に熱湯のコーヒーを飲ませてやけどを負わせて傷害罪に問われた前施設長、原田秀樹被告に対し、福岡地裁は懲役1年6月、執行猶予3年の判決を言い渡した。

2月19日、岡山県岡山市の特別養護老人ホーム「阿知の里」に対し、虐待疑惑で県と市は、昨年9月以来2度目となる施設への立ち入り検査を行った。昨年8月、嘱託医だった瀬戸内市内の医師らにより、短期間に計41人の入所者から計162カ所の不自然な皮下出血が確認され、虐待が指摘されていた。


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※ブログ「精神科医の犯罪を問う」2007年2月21(水)の記事転載

http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/28752411.html