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精神科の診療報酬改定は不正請求を抑止できるか

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診療報酬改定は不正請求を抑止できるか

2008/4/2(水)

精神科の診療報酬

新しい年度が始まりました。精神医療の世界は今年度から大きく変わることになります。というのは、無法地帯と化して乱脈医療が横行していたこの領域に、ようやく(不十分ではあるが)規制が入ることになったからです。

具体的にどのように変わるのでしょうか?まずはこれをご覧下さい。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1d.pdf
膨大なページの資料なのでご注意下さい。精神科専門療法の項目は209ページからになります。

今まで精神科(特に精神科開業医)の主な収入源となっていたのは通院精神療法の診療報酬です。詳しくは以前簡単に書いたのでこちらをご覧下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/39690460.html

この通院精神療法は、乱脈医療を行う精神科医にとって非常に悪用しやすいものでした。正確には医師法違反でかつ不正請求になりますが、無診察で投薬のみの患者に対して通院精神療法を加算するという手段は普通に聞く話でした。悪質なケースでは、薬を1度に大量に処方し、架空の診察日を設けて通院精神療法を算定するというのもありました。要するにやりたい放題でした。

しかし、今回の改定により、「診療に要した時間が5分を超えた場合に限り算定する。」という決まりが新たに導入されました。そして、時間の算定方法については「この場合において診療に要した時間とは、医師自らが患者に対して行う問診、身体診察(視診、聴診、打診及び触診)及び当該通院・在宅精神療法に要する時間をいい、これら以外の診療に要する時間は含まない。」と定められました。
また、「通院・在宅精神療法を算定するに当たっては、診療録に当該診療に要した時間を記載すること。」「当該患者の家族に対する通院・在宅精神療法は、家族関係が当該疾患の原因又は増悪の原因と推定される場合に限り算定する。ただし、患者の病状説明、服薬指導等一般的な療養指導である場合は、算定できない。」「通院・在宅精神療法を行った場合(家族に対して行った場合を含む。)は、その要点を診療録に記載する。」というルールが定められました。

ほとんどカルテに記載せずに薬の処方だけをして通院精神療法の診療報酬を掠め取ったり、家族と少し話しただけですぐに通院精神療法を算定したりしていた医療機関にとっては一大事です。彼らはどんな対策をしてくるのでしょうか?恐らく、以前は1日で100人以上の通院精神療法を請求していたクリニックは、不自然にならない最大限の数にまとめたり、つじつま合わせのカルテ記載をしたりすることで対応してくるでしょう。

それにしてもおかしな話です。精神科は、本来はどこの診療科よりも患者とコミュニケーションをとる必要のある科です。また、精神科で扱う向精神薬は、風邪薬や胃薬とは訳が違います。副作用が強く、自殺や突然死、依存を引き起こす危険性がある薬なので、服用している患者の状態を確認したりするのは当たり前の話であり、無診察投薬や秒察などはもっての他です。真面目に診療すれば、5分を超えるのが当たり前です。5分ルールが導入されるようになったのも、そのような当たり前の医療を提供できない精神科医があまりにも多く存在するからなのです。

ここで断言しておきます。詐欺や不正を行っている精神科医療機関は腐るほどあります。最近、色々な被害報告や内部告発を聞いていますが、不正の実態は目に余るものがあります。確かに、精神科は不正の温床となりやすい環境がそろっています。実際、1つの精神病院で10数億円の不正請求が発覚したケースもあります。もしも社会保険事務局が全ての精神科医療機関をしっかり調査すれば、何百、何千億円という金が返還されるでしょう。政府は高騰する医療費や社会保障費を何とかしたいと考えるなら、本気でこの不正の温床となる領域を徹底して調査すべきです。

患者側も不正にお金を取られないよう、しっかりと知識を持つ必要があります。患者の知らないところで、実際に行われていない検査や治療が行われていることになっていて、不正に請求されている可能性があります。しかし、それについても今年度からチェックしやすくなる仕組みになっています。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1y.pdf
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1b.pdf

これらによると、患者は自分が支払う医療費について、どんな検査や治療が行われ、どんな保険点数が算定されたのかを知ることができます。詳細が記載された明細書を交付するように患者が求めた場合、医療機関はそれを交付しなければならなくなったのです。

患者や家族が医者の言いなりになる時代は終わりました。おかしなことがあれば、医師に尋ねたり、情報の開示を求めましょう。たとえば、明らかに5分未満で診察を終えているのに、今までと変わらない支払いを求められた場合、明細書の交付を要求しましょう。できないというなら、上記のリンク先の省令や通知をプリントアウトして見せましょう。そして、不正があれば社会保険事務局に通報しましょう。

これらの行為はクレイマーでも何でもありません。むしろ、精神医療を正常化するために必要な行動です。まともな医療を提供せず患者を害するようなずさんな医療機関が、これ以上貴重な保険や公費から不正にお金を騙し取るようなことを許してはなりません。

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精神医療現場での被害の報告を受け付けています。
特に、その被害に関して何らかの行動(刑事告発、民事訴訟、内部告発、行政交渉、マスコミへの周知、法律改正の働きかけなど)を起こしたいという方、一度ご相談下さい。
特に情報を集めている事例
・子どもの被害事例(投薬や受診の強要、不当な診断、向精神薬の副作用など)
・抗うつ剤(特にSSRI)を服用後に自殺行動を起こした事例
・精神科医からの暴力や性的虐待事例
・診療報酬などの不正請求事例思い当たることがあれば、こちらまでご報告下さい。
kebichan55@yahoo.co.jp


(転載元精神科医の犯罪を問う)

http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/41223145.html