俳句界の巨匠、金子兜太さんが毎号送ってくださる雑誌『海程』の冒頭には、いつも金子さん自身の句が幾つか載っているのだが、その「東国抄」という連載の中に今回こんな一句があった。
際(き)りもなく薯食う関東流れ者
とにかくシビれた。
なんというイメージだ。
イモをもりもり食っている流れ者の図。筋肉の動きと存在の暴力性とおかしみ。
それらの抽象的な映像と観念と感覚が脳の奥でちかちかする。
俳句の中に仁侠の世界を入れ込んでしまう、まさに金子兜太ならではの東国性あふれる作品だが、兜太さんが根城とする秩父はかつての困民党の根拠地でもあり、反権力運動にヤクザ者が関わった歴史を持つのだった。
当時の仁侠界には人民と共にあることを目指す者たちがおり、彼らは権力にすり寄らなかったのである。そのことも一応は押さえておく必要がある。
さらに、鎌倉武士たちが和歌の世界に対抗してもった、そもそもの関東の美意識革命を思い出すことも出来るだろう。松岡正剛さん的に言えば、「あはれ」から「あっぱれ」への転換。
しかし、句自体には「昭和」の泥臭いモダンがあふれている。
とにもかくにも、上記の句はめったやたらにかっこいい。
花鳥風月をぶっちぎる、ユーモラスで卑近なリアリティと、ある種ラテンアメリカ文学的な虚構が貫通した17文字。
このかっこよさを共有出来ない人とは、結論僕はだめだろう。
「暗黒や関東平野に火事一つ」(金子兜太)と対にして、私は今後この句を思い出し続けるに違いない。
凄いなあ、俳句。
兜太さんの迫力のある句に出会うと、ほんとにそう思う。
なんと凄みのある創作。
もう一度、味わってみよう。
際(き)りもなく薯食う関東流れ者
凄いよ、この句。この世界観。
凄い!!
際(き)りもなく薯食う関東流れ者
とにかくシビれた。
なんというイメージだ。
イモをもりもり食っている流れ者の図。筋肉の動きと存在の暴力性とおかしみ。
それらの抽象的な映像と観念と感覚が脳の奥でちかちかする。
俳句の中に仁侠の世界を入れ込んでしまう、まさに金子兜太ならではの東国性あふれる作品だが、兜太さんが根城とする秩父はかつての困民党の根拠地でもあり、反権力運動にヤクザ者が関わった歴史を持つのだった。
当時の仁侠界には人民と共にあることを目指す者たちがおり、彼らは権力にすり寄らなかったのである。そのことも一応は押さえておく必要がある。
さらに、鎌倉武士たちが和歌の世界に対抗してもった、そもそもの関東の美意識革命を思い出すことも出来るだろう。松岡正剛さん的に言えば、「あはれ」から「あっぱれ」への転換。
しかし、句自体には「昭和」の泥臭いモダンがあふれている。
とにもかくにも、上記の句はめったやたらにかっこいい。
花鳥風月をぶっちぎる、ユーモラスで卑近なリアリティと、ある種ラテンアメリカ文学的な虚構が貫通した17文字。
このかっこよさを共有出来ない人とは、結論僕はだめだろう。
「暗黒や関東平野に火事一つ」(金子兜太)と対にして、私は今後この句を思い出し続けるに違いない。
凄いなあ、俳句。
兜太さんの迫力のある句に出会うと、ほんとにそう思う。
なんと凄みのある創作。
もう一度、味わってみよう。
際(き)りもなく薯食う関東流れ者
凄いよ、この句。この世界観。
凄い!!