「SEIJIさんのお友達ってすごい人ばかりですね。」
さわこが唐突に私にむかって言った言葉。ちゅうそんが一人自分と向き合いながら山に登っていき俺と二人取り残された時のこと。
「アイツは三島さんと同じく俺の知り合いの中でもアタマ一つ飛び抜けている。」
というような話をしていました。
今日はちゅうそんの凄さと、男の美しさと、またちょっと水商の悪口と。
後藤芳徳さんの本の中に「かっこいい男というのはどういうものか」みたいな話がでてきて、これまた私の人生を彩る「美しさ」の定義に大きな影響を与えています。
「ホストクラブのトイレで、女性客が大切な指輪を便器に落としたとする。
その客がキミというホストに泣きついてきた時にキミはどうするだろうか?
普通の奴ならおろおろするか火箸みたいなものを探そうとするかもしれない。
気が利いたホストなら『新しいのをまた買ってやるよ』ぐらい言うかもしれない。
でも俺ならばこうする。
「ちょっとこれ、持ってて」とスーツの上着を女にもってもらって腕まくり。
便器の中に手を突っ込み「洗えばぜんぜんキレイだよ」と笑ってとりだす。
これが女の心を動かすんだ。
確かに便器に手を突っ込んでいる男の姿はかっこ悪いかもしれない。
でも女の目には決してそうは映らない。
「私のためにこの人は汚れることもいとわないんだ」と逆に感動する。
誰かのためであれば便器に手を突っ込む行為だってかっこよくなるんだ」
これは当時、中学?高校生?だった私の心を相当に打ちました。
その時までの私はたぶん『普通の奴』の対応しかできなかったし、その後10年は無理だったでしょう。でもたぶん今は躊躇なく「便器に手を突っ込む」男になれた気がします。
私はこういうのを「泥にまみれることができる男の美しさ」と呼んでいます。
よく考えれば、私が尊敬してやまない土方歳三の人生のクライマックスである「北征編」も言うなれば「敗走の旅」とあらわすことができます。
近藤勇のように潔く投降するわけでもなく、あえて死を選ぶわけでもなく、惨めに負け続け、東へ、北へ、と負け続けて最果ての函館で行き場を失って死んだと言えないわけでもありません。
しかし、本人の口から語られずとも「安易な死は選ばない。戦場がある限り戦う。それが武士としての意地だ」という悲壮なる覚悟がすけてみえるからこそ「負け続けてなお、美しい」と感じるのだろうなと。
ここからとても卑近な例、プラス強烈な悪口になります。
この週末さわこといる時に、ちゅうそんと久しぶりに長く話す機会があって
「俺達が1年間『ボクらのトーク84円』をやっていた時、ADをやっていた
水商というのがいたじゃないか。アイツはもう4年生になっているのだが・・・」
「え! あの水商がもう4年生? そりゃぁボクも歳とるはずだわ。
でも彼すっごい伸びてたじゃないですか、僕たちもタクさんも褒めてたし。」
「あの1年は確かにとても伸びたのだが、今はとてもひどいことになっている。」
「そうなんですか?」
「アイツのTwitter見てて不快だからフォローもしてなかったんだけど
しまるーとを見た時にアイツのツイートが目に入って・・・
って書いてあったのサ。 俺、めまいがして。」
「ぉおおおおお。。。 確かにそれはキツい。。。」
「確かにアイツの前で俺もコンドームのLサイズがどうって話をしたことある。
でもこれみてアイツはあの1年間俺達やタクくんの何を見ていたのだろうかと
マジで絶望した。」
「僕たちが身を削ってしゃべっていたことまったく理解してなかったんですね。」
「???」
「さわこ、俺はお前とは長い付き合いであるが、Lサイズがどうとかいう話は
俺は1度でも番組中やプライベートでしたことはあったか?」
「いえ、聞いたことないです。」
「でも、俺は『ボクらのトーク84円』でその話をしたんだ。
それはちゅうそんが身を削ってしゃべってくれてたことが申し訳なくて。
コイツは俺のため、パンドラボックスのため、リスナーのため、
大ダメージを受けながら、いつも血の涙を流しながら話してくれていたんだ。」
「ええ、あの時は回復不可能なダメージを受けましたね・・・」
「それに感謝かつ申し訳ないから"お前だけを死なせない"と思って俺も言ったの。
もちろんエンターテイメントの場だから俺もちゅうそんもおくびにもださなかったけど
ただ、あれをプライベートでやったらただ気持ち悪いだけだぞ。
ちゅうそんやタクくんは"何か"のためなら泥にまみれることいとわない
そういう男だから美しいし、かっこいいし、だから俺も評価しているし好きなんだ。
ただ、趣味で肥だめに突っ込む奴はただのスカトロマニアだぞ。
しかも言外に"お前のマネをした"と言われているような気がして大ダメージ。
俺の見習って欲しいところを総スルーで、とんでもないところだけをマネをする。
この憤りは君かタクくんにしか伝わらんだろうと思っていたが言えてよかった」
って話す時、ちょっと感情的になって、二人ひいてた(^^;)
だからこそ勉強会の最初は必ず御剣検事のセリフ
『君はなぜ法廷に立つ? その理由は何だ?』
からはじめる。
ゆかちゃんとかさわことかみなみちゃんには2回も似たような話をきかせて申し訳なかったが、何よりも大切なことなのだ。
我々はつねに「何か」のためにバカにもなるし、下ネタもいうし、不謹慎なことも言う。ただ、それが美しくあるのは、そこには自分のプライドや見栄なんかより大切な「何か」がある時だけ。
そしてそれは後藤芳徳さんの話ではないけれど、それが伝わればどんなに無様でぶかっこうでも強烈に心を動かすし、人は愛してくれる。だから俺達は女には不自由せんのだ。
「何のために話すのか」
そのあたりのことが、勉強会に来た人だけにでも伝わってくれれば・・・と思っています。
それではまた明日!