太平洋クロマグロで初の行政指導 | 清福丸ブログ

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知られざるマグロ業界の実態や日々の出来事をご紹介します。


今日は非常に残念なマグロのニュースしょぼん

ここ最近、資源量が減少の一途をたどっている太平洋クロマグロダウン
資源の減少を食い止めさらに増加させるため、日本では現在30キロ未満の未成魚の漁獲量の上限を02-04年の漁獲実績(8,015トン)の半分(4,007トン)に設定し、これを超えないように管理していますメガネ
漁獲上限4,007トンの内訳は大中型巻網漁業が2,000トン、定置網や曳縄などのその他沿岸漁業が2,007トンとなっています得意げ
さらに沿岸漁業の割当2,007トンは全国6ブロック+定置網の共同管理の計7つにそれぞれ分配され、各ブロックの漁獲上限の80%を超えると警報、90%を超えると特別警報、95%を超えると操業自粛が要請され、30㎏未満のクロマグロを獲らないように通達が出されます禁止

各ブロックの漁獲状況は以下の通りクリップ
※太平洋北部、太平洋南部、瀬戸内海及び日本海西部の漁獲状況は12月現在の速報値。

太平洋南部・瀬戸内海では特別警報が、日本海西部では操業自粛が発令されましたビックリマーク

そんななか真面目に資源管理を行っている沿岸漁業者の苦労を無駄にするような事例が発生ショック!

「長崎、三重両県に初の行政指導」
長崎県と三重県の漁業協同組合で昨年7月以降、承認を受けていない漁船や報告漏れによる太平洋クロマグロの未成魚の漁獲が数十トンあることが水産庁の調査で判明した。水産庁は、当該の県や漁協に再発防止策を求めるとともに、改めて都道府県に規制撤廃と監視体制の強化を求める通知を昨年12月に出した。2015年から始まった国内の漁獲規制で違反操業が発覚したのは初めてのこと。今後のモニタリング体制の充実などが問われている。(週刊まぐろかつおレポート記事一部抜粋)

水産庁の調査によると対馬の沿岸漁業者の一部がクロマグロ操業の承認を得ていないにもかかわらず、意図的にクロマグロ操業を行い、繰り返し漁獲していたという調査結果が出ましたえっ
違反の疑義がある漁業者は16名で、漁獲量は約12トンうお座

また漁協を通じた漁獲量の未報告(長崎県)の該当漁協は11漁協に上るとのことむっ
中には、無承認者の漁獲を他の魚種名で整理し県に報告していなかった(上対馬漁協)、無承認者の漁獲を別の承認漁業者の水揚げとして報告していた(豊玉町漁協)など、我々遠洋マグロ漁業者からすると驚くような事案が報告されましたショック!

三重県では操業自粛が発令されているにもかかわらず、その後も一部沿岸漁業者が操業を続け、約53トンのクロマグロ未成魚を漁獲したとのことショック!

現在、太平洋クロマグロ資源量は初期資源(全く獲られていなかった時代の資源)のわずか2.6%の資源しかないと言われていますしょぼん
資源回復は急務であり、資源管理の在り方を巡って、日本は国際社会から厳しい目を向けられていますメガネ

そんななかでの今回の事案は非常に残念なニュースですダウン
一部の沿岸漁業者が行ったことなのでしょうが、そのおかげで真面目にやっている沿岸漁業者までも被害をこうむることになりますガーン
日本は太平洋クロマグロの管理ができていないと国際会議で他国からも非難されることになりますショック!

我々遠洋マグロ漁業者が獲ってくるミナミマグロや大西洋クロマグロは個別にタグを付け、水産庁検査官100%立会いのもと水揚げし、厳しい資源管理を行ってきましたメモ
そのおかげで資源は大きく回復しましたアップ
厳しいルールをしっかり遵守しているからこそ、国際会議の場でも日本の発言に信ぴょう性が増すのですグッド!

巻網漁業と沿岸漁業の漁獲枠のバランスや沿岸漁業のブロック管理体制については漁業者サイドから色々な声が出ており、これから時間をかけて漁業者が納得するルールを再構築していく必要があると思いますが、それと今回のルール違反の問題は別問題ビックリマーク
とりあえず現在決まったルールはしっかり遵守しないと日本は国際社会からの信用を失ってしまいます叫び

今回違反した沿岸漁業者と漁協は今後法令遵守を徹底し、再発防止に努めてほしいと思いますビックリマーク

●浜田漁業部HPはこちら⇒  http://hamada-gyogyoubu.co.jp/
●乗組員の募集はこちら⇒ http://www.maguro-boshu.com/
●マグロ操業動画はこちら⇒ https://www.youtube.com/watch?v=RfSKGTxpIfQ