昔書いていた詩(173) 「失職」 | たろうくん(清水太郎)のブログ

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八王子の夕焼けの里でniftyの「清水中世史研究所」(八王子地域の中世の郷土史)とYahooで「清水太郎の部屋」として詩を書いてます。

   失職
 
 失職して会社を出る
 見上げると曇天だった
 
 創価大学の坂を
 自転車を降りて登った
 坂を下りると雨
 浅川は静かだった
 
 職安で紹介カードーをめくり
 自分の職を探す
 図書館はすいていた
 月刊誌を読んで外に出ると
 雲一つない空に変わっていた
 
 煙を黒々と吐く煙突
 すれ違った老人が連れていた犬が
 俺を見上げる
 
 自宅への坂道を登る時
 俺の望みは萎んで
 胃の中で不安が
 膨らんでいった
 
 妻の顔がちらつく団地の角を
 俺は曲がる
 幸せも曲がった