日時:2016年1月10日(日) 、参加者:15人
主催:認定NPO法人ホタルのふるさと瀬上沢基金(SBK)第91回定例会
協賛:瀬上沢文化遺産研究会・パタゴニア日本支社
ガイド:黒川悦郎さん


今回のガイドの黒川さんは、若い時より考古学に興味を持たれており、近郊の調査研究を続けてこられ、瀬上にも詳しく、何度もガイドしてくださった方です。

天気は快晴です。
気温は低いものの、微風で、寒い感じはしません。
10時に横浜栄高校正門前に集合。
はるばる埼玉県から参加された方、都筑区から参加された一家、近くの若い女性の2人組も加わって、参加者は15人です。

まず、瀬上の森について説明がありました。
この地区に開発計画があり、横浜市が評価(認めるということ)したこと、目の前に広がる森が商業施設や住宅に変わる恐れがあることを説明して、出発です。

高校前の坂を登ると尾根道に入る分岐点があります。
ここで、高校建設時に遺跡が発見され、眼下に見えるグラウンドから、縄文時代から奈良時代まで続いた住居跡が発見され(猿田遺跡)、谷戸を挟んだ丘には、神奈川で最大の奈良時代の製鉄遺跡(深田遺跡)、両遺跡と三角形の位置に並ぶ丘には、律令時代に渡来した縄文人、弥生人とは異なる渡来人の、独特の特徴ある多数のお墓(横穴墓)があることが説明されました。
昔の地層が近くに顔を出しており、土器の破片が見つかることもあるとのことです。

尾根道を登っていくと、道の両側は柵で仕切られ、柵の外側にはメダケやササが生えています。
しばらく登ると、左側下方には「さえずりが丘公園」があり、子供たちの声が聞こえます。
右側は、視界が開けてきて、斜め後ろに富士山が見えます。
ここでは電線とかはないので、下の方は煙っていましたが、雪をかぶる富士山がきれいに見えます。

さらに進むと右の下方に森に囲まれた白い部分が見えます。
これは、カイボリ中で水のなくなった瀬上池です。
さらに進むとトイレがありますから、そこでトイレ休憩です。

この手前に椿の生け垣がありますが、この椿を「金魚椿」というそうで、その理由は、葉の先端が金魚の尾のように分かれているからとのことです。


ここから瀬上の森に入ります。
いっしんどう広場には「富士見の場所」の看板がありますが、雑木が視界を遮っていて、富士山はよく見えません。
それらの木々を伐採していると思しき人達の声がします。

ここを抜けてさらに進むと、右側にはほんの目の下に住宅が続くのが見えます。
どんどん進むと大きなエノキが左の道際に立っています。
根が板のように何本も土から顔を出しています。「板根(ばんこん)」です。

さらに進むと、小さな岩の露頭があります。
これは、横堰に隣接する、トンネルのある貝化石の露頭(世界でここだけ)と同じものだとのことです。
以前に通った時には気が付かなかったです。

どんどん進み、大丸山入口から階段をたっぷり登って大丸山です。
横浜で一番高い山です。
ここの頂上で、昼食休憩をとりました。
ここは、見晴らしの良くなるように手入れがされています。
北側には横浜、横須賀方面の東京湾が望めます。

巻き道を降りて、山道に戻り、自然観察センターでトイレ休憩を取りました。
館内は、マキストーブで温められています。
さらに鎌倉に向かって進みましたが、途中、沢山のトレランの人やハイカーに出会いました。
日にちが良いのでたくさんの人出です。

いささかくたびれたところで坂を上り下りして、鎌倉の大平山につきました。
ここには家族連れが大勢います。

一休み後、岩道を登り、いよいよ「百穴」です。
この辺りには、鎌倉時代に作られたお墓である「やぐら」が山の斜面にたくさんあります。
一体だけではなく何体も葬ったのとかいろいろあるとのことです。
ハイキングコースの左の斜面を這い上ると、「百穴」です。いろいろな「やぐら」がずらっと並んでいます。
形も様々で、それらの中には首のない石像や石など様々なものが置かれています。


そこを巡って、いよいよ下山です。
ハイキングコースを下りると、右側に円覚寺につづく街路におります。
川に沿った道を下り、鎌倉宮に着きました。
結構な道のりでした。

鎌倉宮前で、一服入れた(誰もたばこは吸いませんが)あと、感想会です。
瀬上の開発計画は、人口減少、緑地の不足、空き家の増加、温暖化の進行する現在には、逆行するものであり不要なものであり、瀬上の保全を横浜市長に要請してほしいとの話の後、参加者の皆様からの感想をお聞きしました。
お天気も良く、瀬上には来ているが、新しい道を歩いたこと、いろいろなお話を聞けて大変良かったとの皆さんの感想でした。
ガイドの黒川さんからは、みなさんとお話しできる機会があり大変良かった、また機会があればお話ししますとのことでした。

そのあとここで解散、皆さん様々なルートで帰途につきました。
皆様お疲れ様でした。



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