Digital Foundry: 実際にさわってみたProject Morpheus(1) | みらいマニアックス !

Digital Foundry: 実際にさわってみたProject Morpheus(1)

おそらく皆さんは、Project Morpheusの開発キットについて、アップデート後の仕様を十分にご存じだろうと思う。これはファイナル・モデルにかなり近いものだといわれている。ディスプレイはネイティブ1080pだ。フルRGBのサブピクセル精度で、有機ELEDディスプレイの採用によって岩のようにしっかりとした目を見張るような120Hzのリフレッシュレートを備えている。机上スペックは驚異的だが、実際にバイザーを下してみたときにはどのように感じられるのだろうか?

私たちが以前にテストした開発者用のHMDはその時点で既に素晴らしいものだったが、さらに劇的に改善されているといって良いだろう。机上の仕様を超え、さらに実用的なレベルになっている。軽量なHMDの開発において、ソニーのデザイナーは目覚ましいマイルストーンを打ち立てた。見直されたストラップにより、ヘッドセットの重さは額と後頭部に分散し、顔への重みはほとんど感じられない。着け心地は快適であり、長時間の着用ではどうなるのかは興味深い。

バイザースロットは所定の位置にぴったり収まる。右サイドの下にボタンがあり、ディスプレイと目との距離を調整することができる。キットで提供される可能な限り最高の没入感を設定する上で、この調整機能は実用的なレベルで動作する。また一時的にディスプレイを外してその環境に自身をあわせるような場合には、バイザースロットは折りたたむことができる。嬉しいこととして、ソニーは「メガネの問題」を解決したことを報告しておこう。記者自身メガネを掛けているのだが、メガネをかけたままでもHMDとぶつかるような問題は全く無かった。また注目に値することだが、キャリブレーションは全く不要である。バイザーが所定の位置にきちんとセットされれば、それだけで万事OKなのだ。

古いLCDモデルをテストしてからしばらく経ってはいるが、最初のプロトタイプから明確な改善を2点発見した。第一は、視野角が広くなったことで、より力強い没入感が得られるようになった。以前にあった左と右の画像の間のボーダーの黒い枠は非常に小さくなっており、現在は視野の隅になっている。第二に、おそらくもっと重要なことだが画質も向上した。以前のモデルでも1080pのフルRGB表示が実現されており、一見では変化はわからない。だがモーションの残像は著しく減っている。これは新しい、より大きな5.7インチの有機ELディスプレイの高い応答速度によるものだ。

プレイできたのデモは一つだけで、ロンドン・スタジオの強盗だったのだが、そこからはMorpheus開発キットにおいて何が決定的な要素になるかのヒントを与えてくれた。デモはリッチなビジュアルであり、明らかに60fpsで実行されていたのだが、PS4はある種のフレームレートのアップスケーリングを行っている。これはソニーがリプロジェクションと呼んでいる技術で、疑似的に高いフレームレートを実現するためのものだ。

この技術は、1つ1つのネイティブイメージをレンダリングする間に、HMDからコンソールに送られる改定されたモーションデータに基づいてPS4が中間フレームを挿入するというものだ。この技術について、現時点では結論を出すにはまだ早いだろう。明らかに高いフレームレートで動作していると感じることはできなかったし、時には60pfsのターゲットに達していないように感じられた。とはいえ、極上の完璧な滑らかさが完全には達成されていなかったとしても、没入感の高さは絶対的で卓越したものだった。このVR機はは単にきちんと動くというだけではなく、忘れがたい印象を与えてくれた。体験から一時間がたっているが、自分はいまだに興奮しているのだ。


NS: eurogamer  Digital Foundry: Hands-on with Sony's near-final Project Morpheus