Retro City Rampage: 開発者によるプラットホーム別の販売分析 | みらいマニアックス !

Retro City Rampage: 開発者によるプラットホーム別の販売分析



全体的に言えること

メディアでの紹介は、発売に向けたファンベース構築と話題づくりには不可欠
ストアでの場所と、ストアでのプロモーションは、発売後には最も重要な要素となる

PC/Steam

Steamはディスカウントありきのエコシステムだ。ゲームの価格の切り下げにもかかわらず、とはいえ、売上高は依然として高い。開発者が値下の深みに嵌っていくならばこのエコシステムは危険だが、現時点ではまだ健全だ。上のチャートで対照的に示されている通りだ:売上はPlaystationより低いが、販売本数は明らかに多い。このことはSteamがどれだけ値引で売る市場であるのかを端的に示している。

SteamはバルクのPCのセールスと、それに続く直販(ハンブルウィジェット)で構成されている。GOGとハンブルストアは同程度だ。そのささやかなストアフロントにもかかわらず、ハンブルストアはすでにGOGに匹敵している。

Steamと比べた場合、GOGでのセールスは開発者によって大きくバラツキがあるようだ。GOGではあまり売れていないゲームもあるが、かなりの割合がGOGで売れているゲームもある。GOGではストアのプロモーションは驚くほど影響が少ないようだ。むしろGOGの客層はある特定のゲームやジャンルに偏っているようだ。RCRではPC版の売上の80.5%がSteamから、GOGは6.7%を占めている。

Playstation

負けハードという不適切な烙印とは逆に、PS VITAは極めて健全なマーケットだ。AAAとの競争が少ないため、ストアでの場所を確保することが簡単であり、それこそがゲームを売れるようにしてくれるものだ。過去2年間、PS VITAでの売上はPS3と比べても高くなっている。 PS4も同様に健全であることが明かになった。2015年にゲームをリリースする予定のPlaystationの開発者は、PS VITAに続いてPS4を優先する必要がある。

任天堂

3DSは全てのプラットフォームで最も健全な経過をたどっている。リリースはほぼ10ヶ月前でまだ一度もディスカウントしたことがないが、週販は依然としてしっかりしている。ハードとマーケットにぴったりだったし、発売時点で任天堂にすばらしいプロモーションを打ってもらったからだ。RCRは3DSには15ヶ月後にリリースされたが、もしも他のハードと同時に発売されていたならば、全ての8つのプラットホームで最も売れていたかもしれない(少なくともトントンくらいには)。繰り返すが売れるかどうかはゲームによって大きなバラツキがあるが、RCRは3DSには完璧にマッチしたゲームだったのだ。

XBOX

Xbox 360のは、ストアでの配置とプロモーションがいかに重要であるかの典型的な例だった。売上の点では、Xboxは最も弱いプラットフォームだ。直接のライバル(PS3)と比較すること、PS3では良い配置と繰り返されたプロモーションがあり、Xbox 360ではそれがなかったことで違いが生じたことは明かだ。Xbox360でも成功の可能性はあったが、冗談ではなく、マウンテンデューはそこでの直接のライバルではなかった。Xboxで露出してもらうことは、他のすべてのプラットフォームよりも遥かに困難なのだ(広告のためにハードなキャッシュを喜んで払うなら話は別だが)。

幸いなことに、自分は1つのバスケットにすべての卵を入れてはいなかった。このことは、開発者がなぜデメリットが補償されていないプラットフォーム独占や、同発というボトルネックに慎重になる必要があるのかを明瞭に示している。Xbox 360はあいかわらずパブリッシャが必要であり、賞味の利益は遥かに少なくなってしまう(ID@Xboxによる自社パブはXbox One限定)。

このゲームは、北米ではPlaystationにXboxよりも少し前に発売され、その後欧州でPlaystationと3DSに向けて発売された。どちらも(Xbox)より利益が大きかった。付け加えると、Xboxの発売後に行ったPlaystationとSteamでのディスカウント販売だけでXboxでの累計を超えていることからすると、Xboxの発売時期の遅れは大きな影響をもたらしていはいない。さらに手違いにより、Xboxでは他のハードよりも5ドル安く発売されてしまったのだが、これも売れ行きを伸ばしてはくれなかった。様々な要因が絡んでいるが、Xboxでのセールスが低迷している一番の原因はストアでのプロモーションの不足にあった。


NS: Paul Rustchynsky氏  RETRO CITY RAMPAGE SALES ANALYSIS TWO YEARS OUT, 2012-2014


みらい的コメント:


各プラットホームとしても、総売り上げと一本当たり売り上げのバランスをどうやって取るかにはアタマを悩ませていることだろう。

Vita版のパフォーマンスを見るに、海外のPSがインディーに好評を博している背景には、専用ハード化したVitaの存在が大きいことが分かる。PSプラットホームのタイトルの多様性を維持する上で、Vitaは重要な役割を果しているものと考えられる。

3DSが健闘しているのはちょっと意外。とはいえ任天堂ハードにはレトロ好きのゲーマーが多いだろうし、RCRのような懐古テイストなゲームはよくマッチしそうだ。Shovel Knightがヒットしたのも同じ理由だろう。