Dualshockersレポート: 日本のXB1ロンチは海外の目にどう映ったか (2) | みらいマニアックス !

Dualshockersレポート: 日本のXB1ロンチは海外の目にどう映ったか (2)

つまり理由が何であれMSは恐ろしく慎重にコトを進めている(開発者の決定が強く影響していることは間違いあるまい。そしていくらかの開発者はMSの元から完全に離れた可能性もある)。MSがトップにいるならそれもいいだろう。だが負け戦では、慎重に行動しても良い事など何一つないのだ。

いくつかのタイトルは「ウルトラ・ハードコアなニッチ」からXboxを引き離す役には立たない。日が昇る群島において、5pbや浅田氏はほとんど最高に忠実なXboxの支持者だ。だが彼らの作る作品は、むしろビジュアルノベルを愛好する相当に小さいニッチだけに向けられたものだ。アニメが放映されていることで多くのファンを惹き付けるポテンシャルをもつサイコパスでさえ、Sword Art Onlineに迫ることなど全く不可能だ。この作品はよくあるオタク・カテゴリーにぴったり当てはまるものではないからだ。繰り返しになるが、ニッチであること自体は別に悪いことではない。だが、商業的に大きな成功を収める助けにはならないのだ。


問題が何かをあげつらうのは簡単だ。だが、どうすればいいかを考えるのはまさに難題だ。

MSが単に日本から撤退すればいいという人もいるだろう。だがレドモンドの巨人のような会社にとって、それは採りうる選択肢ではない。日本は依然として大市場であるというだけではない。日本は非常に人気のあるシリーズを作り出している。日本での存在感を失えば、日本の開発者が彼らの作品をPSや任天堂の独占作品として発売することを助長するだろう。

日本から撤退すれば、世界的なブランドのイメージに大きな傷を付けることになりかねない。株式を公開している企業がやすやすと呑める条件ではない。もしもXboxが日本から近く戦略的に撤退すると見込んでいるなら、そういう期待は持たないことだ。そんなことは起こらない。意地の問題ではない。たとえXboxOneがほとんど日本で売れなくとも、MSが日本にこだわることには実用的かつ商業的な理由があるのだ。


だが、MSがこの状況を改善するためには何ができるのだろう?

なによりもまず、秘密主義はもう止めるべきだ。E3ですべてのカードを『切ってしまう』のではなく、Phantom DustやScaleboundは後日に発表されるのだろうが、それは賢明なことだったかもしれない。だが今や猫はカバンから飛び出してしまった。Phantom Dust等のゲームについてCGIティザー以上の何かを公開することで、Xboxを買おうかどうか迷っている人の背中を押すことができるなら、現在のXboxの状況を改善する役に立つだろう。

次に和ゲーをもっと頻繁に発表すべきだし、もっと大きな人気のあるIPをもってこなくてはならない。サイコパスはニッチで、この先ずっと続くような牽引効果を持つほどの人気はない。MSが日本に確固たる足場を築こうと真剣に考えているのであれば、大きなアニメIPを獲得し、彼らの開発者にゲーム化させるべきだ(内部スタジオか、5pbのような『友好的な』スタジオかはともかく)。あとビジュアルノベルはダメ、ダメだ。

日本に1stのスタジオを買うか、あるいは設立することも役に立つだろう(日本国内に向けてだけではない)。Microsoft Game Studiosの大阪支社設立の噂を、少しばかり前にPhil Spencer氏が否定していたが、残念なことだ。それこそが彼らが必要とすることだからだ。

AAAを開発できるリソースとマーケッティングを備えた日本国内の1stパーティ・スタジオは、単にMSにとってメリットがあるだけでなく、日本のゲーム業界全体にとっても良いものだ。国内の技術者が今日確実に使っているであろうノウハウや技術の取り込みをもたらすからだ。

そうしたスタジオは、成功した既存のIPを供給するか(アニメ分野では利用可能なものが多くある)、日本のユーザのために特にデザインされた新規IPに投入できるかもしれない。そうした方向に動くことをMSはためらうべきではない。こうしたゲームを求めて、世界中には数多くの和ゲーの愛好家が間違いなく存在している。正しく広告され、プロモートされるのであれば。

誰かがシェンムーについて言い出す前に断っておくが、私はそのことについて話しているわけではない。シェンムーは間違いなくハードコアなゲーマーに人気のあるIPだ(私はシェンムーの新作は個人的には見てみたい)。だが一般層にはアピールしなかったし、シリーズのどちらの作品も、日本で発売された時には熱狂的に迎え入れられたわけではない。シェンムーを独占すれば、ニッチなハードコア向けのコンソールという日本での現在のXbox Oneのポジションを、さらに動かしがたいものにするだろう。このコンソールに必要なのは、何かもっと新鮮で、より多くの人をひきつけるような作品なのだ。


もちろん、MSはこうした問題を無視し続け、損出を甘んじて受け入れ、Xbox360がライフサイクルの終わりにはそうだったように、3桁の売上で足を引きずって歩くのかもしれない。これは恐ろしく憂鬱なことだろうし、ローカルレベルでの競争と開発にとって良い事などないだろう。

一つだけ確かなことは、目覚まし時計が鳴っているということだ。このまま布団の中に潜ったままなのか、ようやくその重石を引くのか、MSはどちらでも選ぶことができる。MSが立ち上がるかどうかは誰にも分からないが、私はそう願っているのだ。



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