市場規模は伸びているのに単価は下がる。インターネット広告市場の事例より | みらいマニアックス !

市場規模は伸びているのに単価は下がる。インターネット広告市場の事例より

問い:「ネット広告の市場規模は伸びているのに、なぜ広告単価は上がらないのだろうか」
答え:「広告枠が無尽蔵に増えるため、むしろ需給関係が悪化し続け、広告単価が下がり続ける」ため





・流通情報量が2倍になっても消費情報量は1.1倍にしかなっていない。
・ごく一部の勝ち組媒体になれなければ、競争過多により広告単価がさらに下落していく
・PCからスマホへトラフィックの主戦場が流れることで、単価下落に拍車が掛かっている。
・トラフィックを集められる一握りのメディアとなり、広告収益を上げるか、それ以外でのマネタイズを模索しなければならない。


NS: blogos/梅木雄平氏  なぜWEB広告の単価が上がらないのか?


みらい的コメント:


ネット広告についての記事だが、これをゲームに置き換えても違和感はほどんとない。
可処分時間を巡って争うという競争のメカニズムが全く同様だからだ。

例えばソシャゲの隆盛とコンソールの衰退(停滞)、超大作とインディーへの二極分化、DLC等のマネタイズ方法の多様化といったゲームの世界のトレンドも、この観点から説明することが可能だ。



・・・あと元記事とは無関係だが、この流通量と消費量の差は、それ自身がゲームを『つまらなく』してしまった原因の一つなのかもしれない。

流通量と消費量の間の巨大なギャップがゲーマーの細分化・断片化を推し進め、そしてゲーム・コミュニティの衰退を招いてしまったという可能性の話だ。あるいは消化できる以上の情報や作品を詰め込まれた結果、消化不良に陥ってしまったのかもしれない。


現代のゲームは間違いなく史上最高だ。10年前、20年前の作品とは比較することさえ無意味であり、5年前のゲームと比べてもずっと良くできている。豪華絢爛で、作りこまれていて、プレイしやすく親切だ。だがそれでも最近のゲームは『つまらない』と思うことがなくはない。


それがなぜなのかは個人的な関心事の一つだが、こういった点も理由の一つであるのかなと。

このテーマ関連として、よろしければ、前記事「ヨコオタロウ氏:インタビューより。ゲームは消費し尽くされている」も参照いただければと。