そして誰もプレイしなくなった ~マリオシリーズのセールスの歴史 | みらいマニアックス !

そして誰もプレイしなくなった ~マリオシリーズのセールスの歴史

(任天堂の)主力であるマリオシリーズが商業的に崩壊しつつあるのを眺めると、胃がキリキリと痛む。これまではそんなことは起こってはいなかった。少なくとも伝統的なリリースでいえば。ファミコンの初代から始まるマリオシリーズ内のすべてのコアなタイトルのセールスを追跡した下の販売チャートを見てみよう:





ハードウェア同梱版があったため、Super Mario Bros Uはかろうじて200万本というセールスを達成することができた。だが同梱版のないMario 3D Worldは一月前の発売以来、世界全体で50万本も売れていない。任天堂がWii Uの値下げを発表し、3D World同梱版を発売する可能性は非常にありそうなことだ。間違いなく一時的に大きなセールスを出すことができるだろう。

目下のところ、ファミコン時代からマリオをプレイしてきた人間に言わせれば、広いゲーム・コミュニティにおいてマリオシリーズがほとんど注意を払われていなくなっていることは、少々警戒すべきことに思われる。

任天堂がハードウェア事業(ポータブルは必ずしもそうではなくとも、少なくともコンソール·ハードウェア)から撤退し、ゲーム開発に集中することを求める人々は多い。私自身、前世代のWiiは大嫌いではあったが「撤退」議論に賛同したことはない。任天堂のコンソールには居場所があると感じていたからだ。どのような年齢層であってもプレイし楽しむことのできるゲームを届けたいという任天堂の根本的な哲学は、実にすばらしいと思うのだ。

だが数字を見れば、現実がそうなっていはないことは明白だ。

N64はPSによって尻を蹴りつけられ、ゲームキューブはXboxとPS2に蹂躙されてしまった。だがそれでも多くの人々がマリオの新作に群がったものだった。しかしMario 3D Worldでは、ゲーム業界は過去最大の規模となり5年前に比べて何百万人ものが新たにゲームをプレイするようになっているにもかかわらず、シリーズ最低の売上となってしまったのだ。


NS: gamingtrend  No one is playing Super Mario 3D World – a historical look at Mario series sales figures


みらい的コメント:


文中の論点に、とりあえず何点かみらい的にコメント。

・任天堂はハード生産から撤退すべきか?
→ノー。ありえないオプションだ。伝統的なコンソールに限ればイエス。

・マリオ乱発がマリオ低迷の原因か?
→イエスでもノーでもある。露出は多すぎるし、一方で逆に少なすぎる。

・マンネリであることがマリオ低迷の原因か?
→基本的にはノー。コアなゲーマの意見は、この点ほとんど参考にならないだろうと思う。

・「どのような年齢層であってもプレイでき、楽しむことのできるゲームを届けたいという任天堂の根本的な哲学はすばらしい」か?
→基本的にはノー。どんな会社であっても客層は広げたい。任天堂だけがそうなのではない。

・マリオは本体のセールスを牽引するか?
→イエスでもノーでもある。直接的にはあまり牽引しないだろう。だが間接的には牽引する。


注記すると、グラフは時系列ではなく売上順に並べられている。
Wii Uの2本がシリーズ最低である、ということが元記事の意図なのではないかと思われる。