PS4: P4版のThe Crewは、どのようにしてPS4に移植されたか(4) | みらいマニアックス !

PS4: P4版のThe Crewは、どのようにしてPS4に移植されたか(4)




私たちはReflectionsチームに尋ねた。改訂され、改善されたソニーの開発環境は、チームのパフォーマンス改善作業の助けになるのかと。つまりGPU「ドライバ」はまだまだ最適化されている途中なのだろうか?ということだ。Chris Jenner氏はこう答えた。

「SDKはずっと変化しています。(しかし)SDKの更新頻度は6ヶ月前よりも落ちています。

「SDKは最終的な状態に近づいています。大きなパフォーマンスの変化はもうないでしょうし、機能が最終化されるだけでしょう。初期の状態よりも遥かに安定しています。ここのところ(SDKの変更から生じる)修正は行っていません。

基本的な移植作業が完了し、UBISoftのReflectionsチームは、2014年Q1のリリースに向け、PS4向けのThe Crew関係の諸所の準備に入っている。だがThe CrewをPS4向けに移すという主要な技術的な作業は、2、3名の開発者によって6ヶ月で完了した。全体としては、PCのコードをベースとしたPS4への移植作業はかなりシンプルで簡単なものだと、Reflectionsは感じている。

私たちが聞けなかったのは、Xbox Oneバージョンがどのくらい苦戦しているか、あるいは誰がそれを開発しているかだ。Ivory TowerスタジオがPC版と並行してXbox One版を開発しているに違いないと私たちは考えている。この2つのハードではDirectX 11のAPIが使われるからだ。だがアーキテクチャの観点からはXbox OneとPS4は多くの共通点を持っており、私たちがコンソールチーム間のコラボレーションについて抱えている問題は、両方のコンソールバージョンに共通する最適化に終わり、今のところ未解決のままだ。

Simon O'Connor氏は、The Crewにおける作業は、単純なる機能の移植以上にものになったとReflectionsチームは考えていると語った。PS4への移植は、この新しいハードウェアに何ができるのかを調べるチャンスだった。PS4のグラフィックスハードウェアはまだ充分に調べつくされていないと感じられていた。

「PS4のGPUは非常にプログラマブルです。性能は高く、私たちもまだ使えてはいません。無理のない範囲で私たちがPS4だけのものとして行いたいのはレンダリングです。クロスプラットフォーム対応については、PS4についてだけやりすぎることはできません。

「私たちがもっと調べてみたいことが二つあります。一つは非同期処理で、計算ジョブを並行して実行することができます。もう一つはフラグメント処理ハードウェアへのローレベルでのアクセスです。これを使えば、アンチエイリアシングや他のいくつかのエフェクトについて、非常に興味深いことを行うことができます。

Xbox 360/PS3時代の初めの標準的な移植プロセスは、まずリード・プラットフォームをターゲットとし、その後、後続のプラットホームへのポートで機能を削除するか、あるいはその代わりにパフォーマンスを大きく落とすというものだった。マルチプラットフォームの次世代のタイトルがコンソールをリード・プラットホームというよりも、むしろ引き受けるターゲットとみなすようになり、これらの新しいハードがもっと高い性能をもち、ハード毎の特徴となる機能を調べていくことで多くのことが得られるという明確な認識が生まれている。Reflectionsが実際にPC版と同等の機能を実現し、コードベースをMark Cernyの「スーパーチャージされたPCアーキテクチャ」の強みに合わせたものにするならば、The Crewは注目に値するだろう。


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NS: Eurogamer  How The Crew was ported to PlayStation 4