Tempest 2000開発者: Jeff Minter氏 インタビュー | みらいマニアックス !

Tempest 2000開発者: Jeff Minter氏 インタビュー

Attack of the Mutant Camels、Tempest 2000といった奇ゲーで知られるLlamasoftの創立者、Jeff Minter氏へのインタビュー記事。氏はiOSでの開発をしばらく開発していたが、Tempest 2000のリメイクをVita向けに開発するということで、Push Squareがインタビューを行った。インタビュワはSammy Barker氏。

以下の照会記事では、Push Square側質問、及び一部回答は抄訳としている。


Q(Push Square氏, Eurogamer):まず、最近どのようなことをしていたか。
A(Jeff Minter氏):iOS向けのゲーム開発、Andorid向けエンジンを開発し、作品を移植してきた。

Q:モバイルに注力していたのに、なぜVitaにT×Kを出そうと思ったか。
A:本当に多くの理由があるが、我々が心に持っているものに本当に合うだろうからだ。
モバイルプラットフォームは愉快だ。だが物理キー、ゲームのための素晴らしい内部構成、そして最高の画面を持つハードで開発するのは時には良いものだ。また、69Pを超える価格が「高価」とは考えない人々がいる市場にリリースするゲームを持てるのも結構なことだ。

Q:T×Kにはいつから取り組んでいるか。どんなゲームになるか。
A:数日前だ。Tempest 2000のピュアなエッセンスに近いものにしたい。

Q:Tempest 2000のピュアなエッセンスとはどんなものか。
A:プレイのシンプルさはTempest 2000の魅力の一部だった。何をすべきかをすぐに理解でき、巧みな難易度カーブでプレイヤーを飽きさせなかった。
プレイを複雑にしすぎると離れていくプレイヤーもいるが、それはSpace Giraffeで学んだことだ。Space GiraffeはTempest 2000をベースにプレイをもっと複雑にしたもので、一部のプレイヤーにとっては難しすぎ、一見単純なシューティングという印象とは食い違ったものだった。
私が作りたいのはTempest 2000の続編で、多くの人がSpace Giraffeに期待していたであろう、オリジナルのピュアなエッセンスを保ちつつ、ゲームとプレイヤーに負担になりすぎないような追加要素を加えたものだ。

Q:Tempest 2000のどこを変え、どこを残すのか。
A:システムの中核には手を付かない。敵やパワーアップやボーナスラウンドを充実させる。

Q:VitaのどこがT×Kにマッチしたのか。
A:タッチスクリーン、加速度計、および従来のコントロールといった多様な操作方法だ。付いているからというだけで細かい機能をいちいち利用するつもりはなく、ゲームプレイを向上させ、特定の種類のパワーアップをコントロールするような形でVitaの機能を利用したい。中でも私がいつもVtaについて愛していることは、大きくてゴージャスな画面だ。画面の深いコントラストや純粋で鮮やかな発色は、T×Kのようなゲームでは絶対に美麗に映えることだろう。

Q:ソニーには自分からアプローチしたのか。
A:RuffianのGary Liddon氏が、ソニーのShahid Ahmad氏が、沢山の優秀なインディーズをVitaにもたらそうと目を光らせていると教えてくれた。彼はさらに、私たちがロンドンで会えるようにミーティングをセットしてくれた。ミーティングは極めて前向きなもので、このプロジェクトはまさにそこで始まったのだ。
Shahid氏と彼のチームの熱意は見間違いようもない。彼らと一緒に働くのは本当に嬉しいことだった。彼らはできるだけ素早くかつ容易に私たちが作業を始められるようにしてくれた。私たちがVitaに出す作品を、最終的に彼らが満足するようなものにしたいと願っている。

Q:最近のPSのインディー推しについてどう思うか。
A:ソニーがしていることは本当に素晴らしいと思う。ソニーには良い噂がたくさん出てきている。Vitaについてだけではなく、プラットフォームのすべてに対して言えることだ。これはソニーにとって良いことだし、デベロッパにとっても良いことだし、結局はプレーヤーにとっても良いことだ。たくさんの新しくて楽しいタイトルをソニープラットホームにもたらすからだ。

Q:業界の老舗として、最近の業界をどう思うか。
A:小規模のデベロッパが活躍できるようになったのは良いことだと思う。

Q:最近発表されたPS4についてどう思うか。
A:非常に高性能で面白い機械のようだ。このハードで開発する機会があるならぜひやってみたい。もちろんMSがどんなハードを出してくるかはまだわからない。だが私がこれまで見てきた範囲では、ソニーは次世代を迎えるにあたって、最近の動きから非常によい評判を得てきた。MSがテーブルにカードを広げたなら、2つのコンソールが互いにどのように匹敵するかが良くわかるだろう。次の世代では、広い意味での性能であるハードウェアだけでなく、会社がゲーマーや開発者にどのように向き合うかが重要になると感じている。面白い時代だ。

Q:最近プレイしたゲームで、大きく取り上げる価値のあるものはあるか。
A:Pinball Arcade(Vita)、Melodive(iOS)、Rock Boshers DX(Vita)


NS: Push Square  Interview: Talking TxK, Vita, and PS4 with Tempest 2000's Jeff Minter


みらい的コメント:


Tempest 2000はAtari Jaguarでリリースされていたマイナーゲー。

マイナーとはいいつつも、ベースとなったTempestはそこに「神がいる」と評されたカルトゲーで、このTempest 2000はそこにさらにサイケデリックでキレた演出を加えられたもの。トリップ度は原作以上とも言われた怪作だ。
一部のマニアの間ではオリジナルと共に、未だにカルト的な人気がある。

ちなみに自分も未プレイで動画しか見たことがないのだが、旧ユーゲ誌のライター原田氏(故人)のレビューに強烈な印象を受けて以来、いつかはプレイしてみたい一本だった。Vita版のリリースが楽しみだ。