DQX: 最後の公開情報を確認。これまでの予想をチェック | みらいマニアックス !

DQX: 最後の公開情報を確認。これまでの予想をチェック

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社長が訊く「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
(http://www.nintendo.co.jp/wii/interview/s4mj/vol1/index.html)

おくればせながら、公開情報中の最重要と思われる記事を確認。
以前に予想を行った時点と、今回の情報との差を確認しつつ、当時の予想の是非について考えたい。

前エントリ「DQX: 発売前直前。新たに公開された情報」で見たとおり、DQXがクリアしなければならない難関は、1つはパッケージを買ってもらうこと、もう一つは最初の月額課金をしてもらうことだ。

今回の社長が訊くを読む限り、本ブログの当初予想とDQチームの考えは大きく異なっていることが分かる。

本ブログの当初予想:
・DQXは通常のドラクエと月額制ソーシャルの2部構成となっている
・ユーザは第一部のDQXを、これまで通りのお約束のドラクエとして楽しめばよい
・第二部の月額制ソーシャルは、事実上のF2Pである
・ちまちまと無料オンを楽しんでいるユーザは、気が向いた時点で課金ユーザに移行する
・月額制であり、基本的にはアイテム課金は想定しない。

今回の社長が訊くから読み取れそうな点:
・DQXは、最初から一貫してMMORPGである
・クエスト消化を基本にした、典型的なMMORPGである
(ソーシャル要素や、「おもてなし」が両手一杯に飾られてはいるとはいえ)
・キッズ等一部の例外を除いて、全てのユーザに月額課金を課す
・月額制を取るが、それに加えてガチャ以外のアイテム課金は想定の範囲である

まさかDQXが本当にマジモンのMMORPGだったとは。

今回の社長が訊くを読む限り、インタビューのメッセージは一貫して、DQXで初めてMMORPGに触れたユーザをいかに楽しませるか、居心地のいい世界を作るかに向けられている。MMORPG化によってこれまでのユーザにそっぽを向かれるという懸念に触れた箇所は見当たらなかった。(岩田氏の質問がそういった内容である以上当然なのだが)

マジモンのMMORPGである以上、「最初の月額課金をしてもらうこと」は問題にはならない。月額払い上等な、覚悟完了している粋人しかプレイしていないハズだからだ。

となると残る「1つはパッケージを買ってもらうこと」が最大の壁として立ちはだかるだろう。
ごく簡単に、その壁の影響を試算してみた。

以前の予想では、DQXの初動(Wii版の初動)を「77万本~89万本」と予想していた。このシミュレーションに、MMORPGだからという理由でスルーする人の割合をパラメータとして追加した。

楽観:25%がスルー → 初動58~67万本
中立:50%がスルー → 初動39~45万本
悲観:75%がスルー → 初動19~22万本

率直に言ってこのスルー率は全く読めないのだが、自分の知り合いのライトなユーザにあてはめて考えるとスルーする人の方が多いような気がする。DQは例えば水戸黄門のようなもので、彼らは別にDQが熱烈に好きなわけではなく、ある種の習慣として、自分にもわかるRPGのアイコンとしてのDQをプレイしているように思う。いつもと違う臭いを感じれば、特に拘りなくスルーする人が多いように思うのだ。

このような場合のお約束としてざっくり半分と考えると、初動は大よそ40万本台前半ということになる。DQ8、DQ9が200万本を軽くちぎってきたことを考えると、かなりつつましい数字だ。

DQは意外に初動が強いシリーズであり、かつMMORPGであり、また先のないWiiで登場したことを考えると、これまで以上に継続的なセールスを積み重ねるとは考え難い。初動が40万本であればWii版の累計は80万本を越えることはないように思う。
また、Wii Uの年度内の国内出荷は100万台程度と本ブログは推定しているが、これを考えに入れるとWii U版も爆発的なヒットというわけにもいかないだろう。おそらく年度内10万本程度が天井なのではないだろうか。

MMORPGである以上、発売後も継続的に利益を稼ぐことは確実だ。だがそうは言っても、パッケージ売上でDQ8・DQ9とあまりに大きな差が開けば、キャッチアップは不可能だろう。


初動については、もうすぐ答えが出る。
スクエニが目指したものは一体何だったのか。DQXは成功したのか、失敗したのか。それを元にまた考えてみたい。


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