米投資家:任天堂はゲーム業界で最良の投資対象 | みらいマニアックス !

米投資家:任天堂はゲーム業界で最良の投資対象

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Asif Khan氏及びAdam Kraus氏(Panoptic Management Consultant)の、最新"Game Trader"のカラムでのゲーム関連銘柄の評価。

「super mega buy(絶対の買い推奨)」

任天堂(ティッカー:NTDOY)
任天堂は、過去の四半期にわたって株式市場のほとんどのより速いペースで下落してきた。私たちも任天堂を内輪で"Nintenlow"と呼んでいる。一株当たり現金(純額)$9となり、また30年ぶりの純損失を出したことで、任天堂が収入サイクルの最悪の部分は過ぎ去ったものと確信する。当然のことながら任天堂はE3で力強い発表を行うであろう。偉大なWii Uが今年の後半にロンチされた以降、あらゆる意味の自信が株主に戻ってくるだろう。Wii Uに関するいくつかの確証を得るまで、株価は引続き弱含むだろう。任天堂は依然としてゲーム業界における最良の投資対象であり、レーティングは「super mega buy(絶対の買い)」を継続する。現在任天堂は簿価で取引されているが、エンターテインメント関連におけるこれほど偉大なブランドとしては信じられようもないほとまれなことだ。


「The buy」

Apple(ティッカー:AAPL)、Electronic Arts(ティッカー:EA)、GameStop(ティッカー:GME)、Take-Two Interactive(ティッカー:TTWO)


「The Holds」

Microsoft(ティッカー:MSFT)
MSのXbox部門は極めてよくやっている。彼らは販売台数ベースでは、コンソール戦争のこのラウンドに勝利してはいないかもしれないが、Xbox 360はコアゲーマーに最高のプラットフォームであることは間違いない。だが悲しいことに、これだけではMSFTのレーティング引き上げるには不十分だ。2.7%の配当利回りがあり、キャッシュを潤沢に持ち、OSで圧倒的なシェアをもっているため、長期間ホールドするのであれば良い銘柄だ。Xbox Liveのコンテンツで行っていることも評価できる。Xboxが、今後待ち受ける家庭でのソファの時間をめぐる戦いでMSのキーとなることは明かだし、これよりも悪い銘柄はいくらでもある。

Sony(ティッカー:SNE)
ソニーのレーティングをホールドに引き上げるのはあまりにも速かったかもしれない。ソニーは依然として驚くほど割安だ。簿価の半額で取引されている企業は多くない。しかし同時にチャートは完全に底が抜けた状態で、いつ底打ちするか見当が付かない。さらに大きく下落するようならば、「The buy」に引き上げざるざるを得ないだろうが、その前には、株価や会社に反転の兆しを見つける必要がある。ソニーがかかえる問題は非常に根深い。必要なリストラを完了するまで数年かかる可能性がある。ソニーは、かつて彼らがそうであったようなジャガーノートではさらさらない。彼らが市場のリーダーとなっている分野はまったく思いつけない。さらに問題を厄介にしているのは継続的な円高だ。売上のほとんどを海外で上げる会社に対する呪いだ。ソニーに反転のチャンスはあるだろうが、すぐに起こるとことではない

その他、Activision(ティッカー:ATVI)、Google(ティッカー:GOOG)、Zynga(ティッカー:ZNGA)


「The Don't Buys」

THQ(ティッカー:THQI)


NS:Gamesindustry
http://www.gamesindustry.biz/articles/2012-06-02-nintendo-stock-still-best-investment-in-industry-game-trader


みらい的コメント

本ブログでも何度もコメントを紹介しているAsif Khan氏は、筋金入りの任天堂ロング(買い)派の投資家だ。山ほど任天堂株を抱えているはずで、コメント欄でも指摘されているとおり、バリバリのポジショントークだろう。

だがKhan氏の指摘する通り任天堂は安い。任天堂が簿価で買えるというのは、ちょっと前までは到底考えられないことだった。
任天堂の株価がここまで安くなっている理由は、おそらく下記の3つになると思う。

(1)3DS・Wii Uの立ち上がりが懸念され、今後の業績に不安がある
(2)技術的・ビジネス的なイノベーションへの立ち遅れが、HW・SW販売の減少をもたらす可能性がある
(3)ソーシャル・モバイル等の新たなプラットホームとの競合により収益が悪化する

後になるほど根深い問題で、特に(3)が解決する可能性は高くない。またもともと技術ではなくアイディア、最先端ではなく枯れた技術で勝負する会社である以上、(2)についても当面は打つ手なしだろう。これらの根本的な課題が解消されない状態では、任天堂が高値(73,200円)を回復すると可能性は低い。

だが(1)についてはまだ挽回の可能性は充分ある。

今でこそiPadのパクリのようにしか見えないタブレットコントローラだが、当初の発想は極めてオリジナリティのある画期的なものだった。オリガミというお手本があったiPadよりも、発想としては斬新だったのではないかとさえ個人的には思う。任天堂のクリエイティビティは決して安く見てはならないだろう。

今回のE3で首尾よくWii Uのお披露目が成功するかはまだ分からない。Wii Uの成否はなによりもまず価格に、次に3rdの強力な独占タイトルをいくつ集められるかに掛かっていると思われるからだ。だが任天堂がそのクリエイティビティを失っていない以上、どこかで必ず次のスマッシュヒットが出てくるだろうし、その時点で株価は現在の少なくとも2倍以上には程度には跳ね上がるものと考える。

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過去の株価推移。Wii・DSヒットの前、任天堂の株価は概ね11,000円から20,000くらいの範囲にあった。現在の株価はこれに対してはかなり低い水準にある。

投資家には任天堂のファンが結構多いので、Khan氏以外にも任天堂の反転を狙っている筋は多いのではないかと思う。現在の任天堂の株価が大きく下げているのは、Wii Uの失敗を織り込み始めているためという見方も台頭している。単位で100万を切ってきたので、参戦する個人投資家も増えるのではないか。そろそろ真面目に考えてもよいかもしれないと思っている。