【予想】 DQXの初動は80万本台。累計で340万本程度
DQXの発売が近づいてきた。
記念すべき第十作目はプラットホームが世代を跨ぎ、ジャンルも変更されMMOとなった等、どの程度売れるかが非常に読みにくい。
そんなDQXだが、どの程度売れるかを予想してみたい。
1.スクエニの売上目標
スクエニの売上目標は、利益で前作DQ9並みだったと考える。
手がかりにできるタイトルはDQ8とDQ9だ。
企画スタート時には、おそらくこのどちらかを目標にしたはずだ。
だがDQ8はPS2全盛期の発売、しかも利益がぶっ飛びすぎており、DQXの目標にはし難い。
またDQXの開発開始後、Wiiの勢いは坂道を転げ落ちるように低下しており、当初に目標に設定したDQ9の数字を上方修正したということはあり得ない。
つまり目標はDQ9-αだった。
DQ9は売上で本数で540万本超、営業利益にして41.5億円を稼ぎ出したものと推定。
この41.5億円がDQXの目標であるものとと考える。
2.トータルでのパッケージ売上本数
以下の点を仮定する。
・期間は3年間
・売上は以下の2つから成る。これ以外(グッズ、放映権、攻略本、その他)は含まない。
(1)パッケージ代金(通常版6,980円/USB付き版8,980円)
(2)MMO課金(1,000円/月額)
・アイテム課金は実施しない
・DQXのパッケージ開発費用はおよそ120億円
・MMO月額運営費用(人件費・HW費用等込み)プレイヤー一人当たり約360円/年が必要
基本的にはパッケージ代金が収益のメインだが、MMOとしての月額収入もある程度は見込める。月額収入はどのくらいのプレイヤーが課金するかというパラメータにより大きな違いが生じる。
ここではメイン・ベスト・ワーストの3シナリオを設けて検討してみた。
1:メインシナリオ
・通常版とUSB付き版の比率は1:1
・MMO課金ユーザへはパッケージ購入者の10%がコンバージョン
・プレイヤーは1年目は前年から70%、二年目・三年目は前年度から25%減少する
この場合、パッケージ336万本の売上で目標利益が達成される。
2:ベストシナリオ
・通常版とUSB付き版の比率は1:2
・MMO課金ユーザへはパッケージ購入者の20%がコンバージョン
・プレイヤーは1年目は前年から50%、二年目・三年目は前年度から15%減少する
この場合、パッケージ232万本の売上で目標利益が達成される。
3:ワーストシナリオ
・通常版とUSB付き版の比率は2:1
・MMO課金ユーザへはパッケージ購入者の5%がコンバージョン
・プレイヤーは1年目は前年から90%、二年目・三年目は前年度から35%減少する
・Wii/Wii Uマルチ開発による開発費は、上のシナリオ1・2よりも10%増加した35%とする
この場合、パッケージ429万本の売上で目標利益が達成される。
オンライン系F2Pにおける課金ユーザの比率は通常10%程度であるため、メインシナリオはそのレベルとして設定した。この場合1年目の終わり時点でオン課金ユーザは約22万人となるが、これはFF11の最盛期のユーザの1/3強の規模だ。
3.Wii版の初動
上のメインシナリオが販売計画の大本であると仮定し、初動を含めた販売動向を計算する。
・Wii版とWii U版の売上、また初動と累計をそれぞれ推定する
・Wiiでの売上をまず推定し、336万本からそれを引いた残りをWii Uの売上とする
・海外での売上比率はDQ8・9と同水準とする
・初動(初週での売上)比率はDQ8・9と同水準とする
まずWii版の売上だが、これまでのWiiのヒットタイトルの販売動向から推定してみる。
グラフは、Wiiのヒット作を発売順に並べたもの。縦軸は本数(単位:本)、横軸は月数だ。
赤の実線は全体のトレンド(指数近似)、点線は特に200万本を超えた大型のタイトルに限定した場合のトレンドのバンドを示した。
なおポイントになりそうなタイトルは特にマークをしてみた。Wii Fitとマリカ-はオレンジ印、トレンドを上にブチ抜いているNewマリは緑印、MH3は赤印だ。
全体として、大型タイトルの天井がどんどん低くなっている傾向が見てとれる。
DQXもWiiプラットホームのトレンドの制約を受けるが、DQは国内最大のIPの一つであり、トレンドのバンドの上端に位置するだろう。つまり売上は最大でも国内190~240万本程度がの一つの目安となる。
オンライン接続という制約も考える必要がある。直近でのWiiのオンライン接続率は70%程度なので、「最大で190~240万本程度」に当てはめると、プラットホームとしてのWiiの天井は現在133万~168万本となる。
最後にこの133万~168万本から、海外売上とWii U版をそれぞれ分けて計算する。
結論として、DQXの初動(Wii版の初動)は77万本~89万本となる。
なおWii版はトータル133~168万本、Wii U版はトータルで67~119万本と予想。またWii版とWii U版の国内合計は235~252万本、海外含めた全体では336万本と予想する。
追記:
今回の予想は、前のエントリ「DQXはF2P?キッズタイムの本当の狙い」の続きです。
wwwさんからいただいた予想、50万本よりは結構多くなっちゃいましたが、事実上のF2Pであることを考えると、月額課金が売上に占める割合はかなり低くなるのではないかと思っています。
DQ9から利益がガクっと減るという計画は、いくら堀井氏がやりたがったところで、流石に承認を通らないと思うのですよね・・・
冒頭でも書きましたが、ぴったり当てるのはやはり難しそうです。
ですがここから大きく外れたら、それはそれで驚きでもあります。例えば売上全体が大きく予想を下回った場合、DQブランド自体を殺してしまったと考えられます。
Wiiでの発売、オンライン化といった判断が原因だった可能性が高いわけですが、看板タイトルを無くしたとなれば、現マネジメントの責任が問われてもおかしくありません。
逆に大きく上回ったとなれば、IPとしてのDQが成長したことになります。
もともと任天堂系IPではポケモンとマリオがアタマ3つくらい突き抜けた存在ですが、DQはDQ9・DQXを経て、ついにマリオ並のIPに成長したことになるわけです。
これはものすごいことで、成功させたマネジメントは大いに賞賛されていいでしょう。
前のエントリではいろいろコメントをいただいていましたが、今回エントリをご覧いただいた皆様、DQXの売上はどうなると思われますか?