Valve: 新入社員用のガイドブック | みらいマニアックス !

Valve: 新入社員用のガイドブック

すごい資料が流出。

flamehausに、Greg Coomer氏(Half-Life)の採用の候補者にあてたと思われる、Valveの新入社員用のガイドブックが掲載された。
(http://cdn.flamehaus.com/Valve_Handbook_LowRes.pdf)


内容は平易で、とても興味深い。

恐ろしくフラットで、むしろ固定的な構造を全くもたない組織、そういったフラットな組織がどのように成果を生み出していくか、そこで求められる人材、その育成やリクルーティング、といったことについてのエッセンスがわかりやすく描かれている。


冊子全体から、Valueがこういった哲学を大変誇りにしていることわかる。

「確かに会社には創業者もいるし社長もいます。ですがそういった人であってさえ、あなたにどうこう命じたりはしないのです。
(P4「フラットな国へようこそ」)

「他の会社では、社員に対して、自分自身がやりたいと思うプロジェクトに業務時間のいくらかの割合を割り当てている、と聞いています。ですがValveでは、それは100%なのです。
(P8「なぜ自分でプロジェクトを選ぶのでしょう?」)

「誰もがデザインに口を挟んでよいし、誰でも他の人の作業について細かく聞いてもかまいません。誰でも自分のプロジェクトに他の人を巻き込んでいいのです。誰もがストラテジストなのであって、本当にユーザのためになるにはどうすればいいかを考え抜かねばなりません。
(P37「役割について」)

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上の2点目はあきらかにGoogleを意識した一文だろう。
USの最先端の企業は、程度の差こそあれこういった企業文化をもっているのかもしれない。

おもしろいのは、このワークスタイルはGoogleやValveのような最先端の超一流企業の特権ではなく、インディーズ系のデベロッパにおけるスタイルとも良く似ていることだ。
インディーズ系のデベロッパは、自分のアイディアを信じてプロジェクトを立ち上げ、ネットや人脈を通じて人を集める。マーケティングも営業も販売も全部自分でやる。カネも自分で出す。(そういえば最近ドキュメンタリー映画にもなっている)

そう考えると、Valveのようなワークスタイルは、クリエイティブな仕事を行う上で最もスピィーティーで効率的な仕組みなのかもしれない。超一流の人材を獲得するための贅沢品ではなく。
良いアイディアや優秀なリーダには人が(つまり時間=カネが)ドンドン集まり、逆にプアなアイディアや不人気なリーダーのところには誰も来ない。投資判断やリスク管理といったマネジメントが、市場メカニズムを通じて超高速で行われているというわけだ。


ちなみにこの冊子、リクルートについてもかなりのページを割いている。

新入社員向けのガイドラインで、リクルートについて長々と述べるというのはやや奇異な感じをうけるのだが、優秀な人材を採用することをそれほどまでに重視しているということなのだろう。

Valveはちょっと変わったゲーム会社で、どこかミニGoogleっぽいところがあるのだが、その理由がわかるような気もする。


NS:flamehaus via VG247
http://www.flamehaus.com/bbs/viewtopic.php?f=13&t=163319&p=3637282#p3637282