PS Vitaの3G通信に関するソニーのコメント
吉田修平氏(SCE WWS, プレジデント)
3Gの料金プランは今ある物だとお小遣いでゲームを買っている人には負担が大きいので、より手軽に安く利用できるプランをドコモさんと検討した。
安くする為に速度を抑える選択をしたが、写真やビデオを見るには不便だが、PSV標準のLiveAreaなどは非常に少ないデータ量で済む。友達と繋いで楽しむ為のデータを扱える量とスピードを色々テストして設定した
時間区切りは、オンラインに繋ぎっぱなしの対戦ゲームなどには向かないが、たまに接続してデータをアップするという使い方には非常に向いている。みんなのゴルフ6では自分がプレイした結果をフレンドに送信するが、そういう用途には良い
手動でアップデートボタンを押して接続するやり方や、数時間に一度自動でアップデートするという設定も可能
プランについては、ユーザーのプレイスタイルを見つつドコモさんと継続的に議論していきたい。デベロッパーがどう使うかがまだ分からないので。面白い使い方のゲームも出てくると思うし、色々なプレイスタイルでこういうプランが欲しいとなったらSCEとドコモさんにフィードバックして欲しい
繋ぎっぱなしだから面白いというゲームが出てきたら、対応するプランも検討すべきだと思う。既存の定額プランでは高くて手が出ないという人も多いだろうから
河野弘氏(SCEJ, プレジデント)
PSVが3Gに対応する上で重要視したのは、手続きの徹底した簡素化とユーザーに受け入れられる料金プランを打ち出す事だった。
今は簡単に繋げるようになっているが、導入までは幾つもハードルがあった。最初にドコモさんに箱から出してすぐに繋げるようにしたいと言ったら冗談だろうと真顔で言われた事もある。SIMカードが刺さっているので、普通はドコモショップなどで手続きをしていく必要がある。ドコモさんからは、すぐに使えるのでは誰が使っているのか分からないと。前例がないし、色々な制限がかかるのが普通で、何を言っているのかと思われても仕方ない。何度も話す内にドコモさんも気持ちに応えたいと色々考えてくれた。結果、PSVは電話ではない、という解釈をしてくれた。
PSVはあくまでゲーム機で、スマートフォンではない。面白いと思ったら継続して使う、そうでなければ継続しないという選択肢がある物を提供したかった。気付かないうちに契約が更新されてお金が引き落とされたという事は避けたかった。
実際に箱を開けてすぐに繋がっているという事を感じて貰えると思う。
ドコモを選んだのはまず回線の安定で、これは絶対的な要素。更に技術と、本気でやってくれるかどうかも大事だった。
今回は3Gを使うゲーム機という事で、ハードを作るSCEとソフトを作るクリエイター、サービスのドコモがガッチリと組んでいく。その中で、ドコモさんはクリエイターがネットワークで何をやりたいのかぜひ意見を聞きたいと言ってくれた。こういう流れは素晴らしい事で、ハードやネット関連の技術者からこんな事が出来るという提案をある事でクリエイターが気付く事もある。広がりや新たな動きを大事にしていきたい。
NS:ファミ通 Via 速報@保管庫
(http://hokanko-alt.ldblog.jp/archives/66927377.html)
(http://hokanko-alt.ldblog.jp/archives/66927232.html)
みらい的コメント
帯域については吉田氏の言うとおり、コストとのバランスを考えると適当な線だと思う。テストも繰り返したとのことでもあり、この点については納得できる。
だが料金プランと契約手続きの煩雑さについては、これでも全然納得できない。
ドコモを相手にしたVitaチームに同情はするし、河野氏にしてもいいたいことはいろいろあるのだろうが、そもそもドコモを相手にした時点でこの種の苦労は充分予想できることだ。こんな有様になったのもある意味当然の結果だと思う。
だいたいなぜ「回線の安定」が「絶対的な要素」なのか。この優先順位の設定を、もし本気でいっているならセンスを疑う。まずはビジネス面で乗ってくれるところにすべきだったハズだ。
(それとも他全部断わられ、なぜかドコモに拾われたのだろうか?ちょっと考え難いのだが・・・)
こんなプランでは、初回出荷分の無料期間終了後の継続率は絶望的な低さになるだろう。それについてはほとんど確信している。低すぎて逆に希望が持てるくらいだ。
ソニーにとって3Gは見切り発車であり「継続的に議論」すべき事項とされているのだろう。吉田氏も言うとおりに。ベターなものになるまで、ユーザがまっていてくれればよいのだが。