猫の秋の定期検診にて

デブ猫化診断が再確定した

我が家のサンストリーカー君。

 

 

「はい、体重、6か月前

全然変わっていませんね。

むしろ微増しています。

この子は太りすぎです」

 

「・・・前回注意されたので

この半年間は与える餌の量に私も

非常に神経質になってきたのですが」

 

「時々外で遊んでいる猫なんですよね。

そういう子はネズミや何かをおやつにしますし・・・」

 

「ただそれは昔もそうだったと思うんですが」

 

「兄弟猫のサイドスワイプ君の餌を

横取りしているようなことはないですか?」

 

まさか、サニー君とサイド君では

サイド君の方が明らかに立場が上、

そんな格上猫の餌なんて

盗もうにも盗めるはずが、と思いつつも

翌日の猫の食事風景を注視しておりましたら

2匹は同時に仲良くゴハンを食べ始め

しばらくするとスリムな黒猫サイド君は

ああ、もう満足、という風に水を飲み

その場を離れるのにサニー君はその後も

ひたすらガツガツと餌を食べ続け

自分のお皿を空にすると

するりと隣のお皿に移動し

・・・ああ、これは手口が手馴れている

この子は明らかにこの6か月間

サイド君の食べ残しを食べ続けていた模様・・・!

 

その日の夜から猫に与える餌の量は

『サイド君が満腹する量』を基本にした私。

 

白黒猫は時折恨みがましい目

私を見詰めてきましたが

これは君の健康のためなんです。

 

そんな猫と人の攻防が始まって数週間後

わが夫(英国人)が諦めに満ちた目つきで

「妻ちゃん、僕の大事な大工道具置き場で

白黒猫が嘔吐をしました。

吐しゃ物の主な構成物は毛玉だったのですが

顔を近づけてよく見たら何か

これまで見たこともない小さな細かい

動物の歯のようなものが入っていて・・・

ねずみの歯はあんなに大きくありません。

白黒猫はどうも新しいおやつを見つけたようですよ」

 

「どうしたものかなあ、もうこれから

あの猫は外出禁止を基本にすべきかなあ」

 

「そんなことをしたら運動不足になって

ますます肥満化が進みますよ」

 

「だいたい何故今になって目方が増えるんだ。

奴の前の飼い主と私、

どちらが猫に甘いかと言えば

それは前の飼い主さんのはずだぞ」

 

「妻ちゃん、当時はあの猫も若かったんですよ」

 

「どういう意味だ」

 

「この子はもう7、8歳でしょう?

中年太りが避けられないお年頃なんです」

 

「・・・いや、そんな・・・」

 

「僕を見てください。18歳の頃は

いくら食べてもお腹周りに脂肪がつく

なんてことはなかったのに、

今はどれだけ食事を節制し

意識的に有酸素運動をしても

全身にうっすら

脂がのってしまっているでしょう」

 

「でも黒猫は細身のままだぜ!」

 

「あの子は君と同じで加齢とともに

体が細くなっていく体質なんじゃないんですか」

 

「・・・」

 

「外でわけのわからない小動物を食べて

そこから変な病気をもらうよりも

家で十分餌をもらって多少太目な体型を

維持し続ける方が猫にとっては安全ですよ」

 

「いや、駄目だ、飼い主のそういう態度が

多くのペットを肥満化させ不幸にするのだ。

獣医さんは私の意見に賛成してくれるはずだ」

 

「獣医さんはね、理想の世界に

住んでいるんですよ。その世界において

猫は餌を食べすぎたりしないし

変な動物を面白半分に狩ったり

丸呑みにしたりすることもありません。

でも僕たちと僕たちの猫は

現実の世界に住んでいるんです。

それに中年期後半の体型維持は

人間にとっても難しいことでしょう?

20代の時と同じ体重と筋量を維持している

40代の人間がどれだけいますか?

僕は何もサニーをこれ以上

太らせろと言っているんではありません。

この子が太りやすい猫であることを

受け入れた上で彼の幸福を第一に

神経質になりすぎないようにしませんか、

ということを言いたいのです」

 

夫の言葉を私は受け入れるべきか、

それともサニーの怪しい狩りの危険性に

目をつぶったまま節食を続けさせるべきか。

 

愛ゆえに人は悩むのでございます。

 

 

猫の体重管理に私は神経質すぎるのか

それとも「過度に神経質そう」な印象を周囲に与えるのか

 

いや、獣医さんもなんだか

「・・・あ、でも、そこまで悩まなくて大丈夫ですよ」

みたいな感じになっていたんですよ後半

 

「ですが猫の体重管理は飼い主の責任で

先生もこの猫の体重に問題があると

判断なさったからこそ

私にご指摘くださったわけでしょう?」

 

「まあ確かに太目な猫ちゃんではあるんですが

でも他の部分は問題なく健康だし

心臓や肺に負担はかかっていない様子だし、ねえ」

 

ねえって言われても、ねえ

 

太め猫も細め猫も猫は皆可愛い

犬も可愛い

生きとし生けるものは結局のところ皆可愛い

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