この春、ガチョウのヒナ2羽を
里子としているニワトリ夫人。

二足歩行のカッコウ野郎である
私と夫(英国人)の鬼畜の所業
(彼女の産んだニワトリたまごと
ガチョウのたまごをそっと入れ替え
托卵を企んだ)(まさかのダジャレ)
(・・・本当、すみません)のせいで
彼女としては『実の子』を
育てている気持ちなのでしょうが
・・・ええ、奥さん、本当に、
今季のおたくのお子さんたちったら
まあ大きくてご立派ねえ!

でぶでぶ


さて里親奥さんが最初に彼らに
知識として教えようとした様子なのが
『正しい食事のとり方』でして、
しかしあれです、ニワトリとガチョウでは
食事の仕方が割と異なるこの現実。

雑食性のニワトリは餌を
『つついて食べる』わけですが
草食性のガチョウは草を
『むしって食べる』のが本来の姿。

ニワトリ目線からすると
どうも不器用な物の食べ方をする
図体ばかり大きい里子2羽に対し
根気よく正しい首の振り方を
毎日毎日教える里親奥さん。

こうよ!こう!


そのせいか、
このガチョウのヒナ2羽は
近頃は食事の際に
『ニワトリっぽく』首を使います。

奥さん、大成功!

ニワトリはまた地面の下に隠れている
草の実や種や虫などを食べるため、
脚で地面を『蹴る』動作をするものです。

こう蹴るのよ!


メンドリ奥さんとしては当然これも
子供達に伝えたい
生活の知恵だったわけですが
・・・あの、奥さん、
非常に言いにくいんですが、
おたくのお子さんのおみ足は
そういう動作に向いた作りは
していないような・・・

なお、ヒナの身の安全にとって
お食事の作法よりも大事なのは
緊急時における避難方法。

ガチョウの場合、何か怪しい生き物が
ヒナたちに近づいていくと
親ガチョウ(主に父ガチョウ)が
ヒナの前に立ちはだかり渾身の威嚇音を発し
その隙にヒナは母ガチョウに連れられて
よたよたと安全な場所に逃げて行きます。

そう、ガチョウという生き物は
割と必死に走っても
その姿がどこか滑稽なもの。

足には常時水かきがついているため、
どうしたって短距離走向きではないわけです。

一方ニワトリの場合、
子育て中の母メンドリは危機の予感を感じると、
鋭く退避音をあげながら
全速力でその潜在的危険性から走り去る。

そして子供たちは同じく全速で
母メンドリの後を追う。

我々がこの新居に引っ越してきた当初、
庭には『成長中のニワトリのヒナ』が
2羽いたものですが、
彼らの動きは本当に素早くまるで忍者、
もしくはサイボーグ009のようでした。

(また懐かしい名前を持ってきたな私も)

(加速装置!カチリ!のあれです)

これは考えてみると非常に理に敵っていて、
外敵に対する攻撃力というか反抗力というかは
ガチョウとニワトリではやはりガチョウの方が高い。

嘘だと思うなら貴方も一度
気の立ったガチョウ紳士の渾身の噛みつきと
全身をばねとして使った
驚異のフックをご経験なさるとよろしい。

特にガチョウは水場に逃げてしまえば
キツネやアナグマはそれ以上
追って来れないわけですから。

敵に体を抑えつけられてしまったら
もう一巻の終わり、というのは
ガチョウもニワトリも同じなのですが、
その恐怖の『ジ・エンド』を避けるため
ニワトリは逃げ足に磨きをかけるが最善策。

で、どういうことかと申しますと
里親メンドリ夫人は
里子ガチョウのヒナのことを
己の実子、つまり
『成長したら立派なニワトリになる子』と
信じて疑わないわけで、
よってこのニワトリ社会の大原則
『三十六計逃げるにしかず』の
ロケットスタートと直線ダッシュを
ヒナに教えないではいられない。

だってこれ、彼らにとっては本気で
生死に直結する技なわけですから。

しかし氏より育ちという考え方はあるものの
カエルの子はカエルというか
血は争えないというか
まなじりを決してスプリントの極意を
実演してみせる里親メンドリの後ろを
・・・奥さん、この子たちは、その・・・
陸上部ではなく相撲部に入れたほうが・・・
みたいな、いや、お相撲さんたちは
実際のところは足腰強健でしょうけど、
何かしら、やっぱり
どんなに足の速い人でも
潜水用の水かきフィンを足につけたら
50メートル走のタイムは遅くなるでしょ?

上半身と下半身では
圧倒的に下半身の方が大きく重そうな
黄色いフワフワが2玉
懸命に手羽先状の『翼予定部位』を広げ
よちよち左右に体を揺らしながら
スパルタ里親の訓練を受ける姿は
その絶望の結末が予測できるだけに
涙なしには見守れなかったものですが
・・・なんとかの一念岩をも通す、
気がつけば里子ヒナ2羽は
およそガチョウとは思えない
しっかりした足運びで
直線ダッシュできる個体に育ちました。

親ガチョウの元で育っている
ヒナたち5羽の方が
この里子ヒナ2羽よりは年上で、
そのぶん体つきも5羽の方が
多少大き目ではあるのですが、
あの5羽はまだまだ『走る』時
足の後ろに頭が来てしまっているのに対し
(つまり後傾姿勢)(というか、そもそも
『全力で走る』ということを彼らは
まだしたことがない)(多分今後もしない)、
里子2羽は里親の指示が出ると
間髪入れず上体を前に倒し
手羽先を斜め後ろに伸ばし
無駄のない足さばきで
疾風のごとく走るべし!走るべし!

・・・わたくし、いわゆる『早期教育』には
これまで懐疑的な立場であったのですが、
何かこの結果を見てしまうと世のお母さん方の
「親が頑張れば何とかなるかも!」の
熱意と決意を受け入れる気持ちにも
ついついなってしまうというか・・・

というわけで、里子ヒナ2羽は
今日も元気に立派な
ニワトリのヒナとして暮らしています。

すやすや

ガチョウ的仕草

お昼寝大好き


この場合立派なのはヒナ本人なのか
里親メンドリなのか。

でもこうなると今度は
親離れ・子離れの時期が辛いような気も。

人間としては悩ましいところです。



ヒナたちの本気のダッシュ写真が
なくてごめんなさいね

いや、もうカメラを構える暇がなくてね・・・

F1カーもびっくりよ、実際

Norizoさん、それは言いすぎです
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君も足にヒレをつけた状態で
全力疾走してみよう!

そしてガチョウのヒナたちの
努力と成果に敬意を払おう!
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