スコットランド独立の
是非を問う住民投票の結果が出ました。

独立賛成:161万7989票
独立反対:200万1926票

よってスコットランドは
英国より独立せず

(BBCの記事はこちら
NHKの記事はこちら

・・・ほっとしちゃってすみませんー!

これまで散々ブログで書いてきた
「いずれにせよ私は
スコットランドの皆さんの選択を
支持します(キリッ)」
に偽りの気持ちはなかったのです、が、
正直私は現地在住の異邦人として
個人的には独立なんて危ない道
選んで欲しいわけがなかったです。

ああ、独立となるとNorizoさんも
ビザとか税金とか住宅ローンとか
そういう手続きが面倒臭そうですものね?
というそこの貴方、まあそれもある、
でもそんなことはわが夫(英国人)に
やってもらえばいいだけだ!(問題発言)

私が心底恐れていたのはズバリ
安全保障でございました。

本気で怖かったあまりブログでも
直接触れられない状態だったんですが
(触れると胃が痛くなっちゃうため)
独立後スコットランドは本当に
どうやって地域の安全
確保するつもりだったのかしら。

ウクライナ危機は
日本にとっても英国にとっても
対岸の火事かもしれませんけど
割と英国からだと
その対岸は近いわよね?という・・・

「大丈夫、独立後は
もちろんNATOに加盟しますから」
というのが独立賛成派の皆様の
ご態度だったんですけど、
でもそれもEU加盟の問題と同じで
『協議はこれから、
現時点ではすべてが未定』
というのが正しい現状という話。

もうね、じわじわとくる恐怖のあまり
これまでブログで触れられなかった話は
他にもあって(触れちゃうと自分の気持ち
がますます追い込まれてしまうため)、
たとえば今回の住民投票を前にして
独立賛成派と反対派がそれぞれ
キャンペーン活動を行っていたのですが、
その中で独立賛成派が手引書として
The Wee Blue Book』というものを出しまして、
この『Wee』というのはスコットランド英語で
『小さい』という意味でございまして、
つまり『小さな青本』という題名。

ではここで問題です。
英語で『小さな赤本(The Little Red Book)』
とはどんな本のことを意味するでしょう?

答え:『毛沢東語録』

どうかしら、
21世紀の民主主義国家の
政治運動の手引書に
こういう名前を付けちゃうセンス

私はこの話を聞いたとき、
絶対これは独立反対派が
敵対陣営の主張の『茶化し』を
目的に出版した
冗談手引書だと思いましたよ・・・

でも残念、これ、本気だったのよね!

当然中身も素敵なの!

あんまり素敵だから
皆にも少しだけ紹介しちゃうわね!

手引書は全72ページ、
6つの章にわかれていて、
章ごとに『経済』とか
『国内政治』とかについての
賛成派の主張が記されているんだけど、
その各章の終わりに
『Q&A』のコーナーがあるの。

独立派の皆さんは独立の暁には
「英国が現在抱える負債を
引き受けるつもりはありません」
ってご主張なさっていたんだけど、
ここの『Q&A』に次のような質問がありました。

「でももしも独立スコットランドが
英国の負債の一部を引き受けなかったら
国際市場から制裁を受けるんじゃないですか?」

うん、そうよね、
それは聞いておきたいわよね!

それに対する答えは以下のとおりよ!
「英国の負債は英国の負債、
スコットランドの負債ではありません」


・・・えっと、そうじゃなくて、お尋ねしたいのは
「賛成派はそう主張しているけれども
世間がそれを認めなかったときはどうするの?」
だと思うのよ!どうなのかしら?

だいたい『英国の負債は英国の負債』って
現時点ではスコットランドも英国の一部よ?

(今回の選挙の結果により
今後ともスコットランドは英国の一部で
あり続けることになったわけですが)

今回のスコットランドの独立騒動は日本でいえば
「大阪が日本から独立すると主張する」
ようなものだと私は理解しており、
ですからこれはつまり大阪独立派が
「独立の際は日本国の負債は引き受けません、
だってリーマンショックもバブル経済崩壊も
周辺諸国とのゴタゴタも内政の混乱も
すべては東京政府の責任じゃないですか、
大阪は無理矢理それに従わされただけ」
と主張するようなもの。

・・・ねえ、貴方たちだって
これまで『国政』に参加していたわよね?

これは逆にこれまでの自分たちを
愚弄する主張じゃないかしら?

ともあれ。

というわけで、以下、
『スコットランド独立、
イコール、大阪独立』論の説明。

スコットランドがイングランドに統合され、
グレートブリテン王国を形成したのは1707年。
細かい歴史は各自ご確認いただきたいのですが
その時、直接的な血は流されなかった。

その後、英国が繁栄するとともに
スコットランドも豊かになった。

第二次大戦後、英国は経済的苦難に直面し
英国全土が(スコットランドも含めて)苦労した。
そこに石油(北海油田)が噴き出した。

日本と英国では全体の
経済的ひっ迫感が異なるかとも思うのですが、
さあ皆様、大阪は道頓堀から
石油が噴き出たとご仮定下さい。

それと時を同じくして名監督メル・ギブソンが
「豊臣家の滅亡はすべて
徳川家康の陰謀だった」説に基づき
映画『大阪城最期の城主
(原題:The Last Prince of Ohsaka)』を製作、
世界的に大ヒット
(メル・ギブソンを舐めてはいけない)、
「徳川は卑怯な手段を駆使し
豊臣家の勇気ある正統な跡継ぎを廃し
権力を簒奪し、日本の中心を
大阪から東京に無理やり移した!
秀次・秀頼のことは涙なしでは語れない!
くそっ!東京人ってな人でなしだぜ!
東京政府はそもそも汚れているぜ!」
がいつの間にか世界の常識になり
ふと気が付くと日本の人々さえもが
それを『歴史的真実』と考え始める。

機を見るに聡い政治家が
『大阪独立』を訴え始める。

「大阪よ、1615年を忘れるな!
すべて悪いのは日本・東京・江戸幕府、
我々は東京政府とは違います、
アジア諸国とはもっと友好的に、
ビザなし来阪OKよ、人類みな兄弟、
あと戦後賠償も追加で行っちゃったりして、
まあ外交政策なんかは独立を達成してから
おいおい考えるんでいいよね、
だって大事なのは独立だから!」

そして魅惑の住民投票、有権者資格は
「大阪に在住している16歳以上」、
もちろん在阪アジア人にも資格あり、
だって新しい大阪国は
親アジア路線でございますから!

・・・というわけで私の結論は
「メル・ギブソンの
今後の動向に気を付けよう」、です。

以上は冗談といたしまして。

(『・・・しかし何故大阪?』と
小首を傾げられたそこの貴方、
他の地域名を入れるとこれが
嫌な感じにリアルになって私にまた
別の胃痛がきてしまってですね、
お察しください

そんなわけでスコットランドは
独立しないことになりました。

朝、ラジオのニュースで聞いた
独立賛成派のサモンド氏、
反対者のダーリング氏、
そして英国首相のキャメロン氏の演説で
3者が3者とも
「賛成派も反対派もこれからは
共に歩もう、1つになって」
と訴えていたことが印象的でした。

それは本当に大事で、そして
現時点では実は
とても難しいことだと思います。

独立賛成派はその主張を
力強く謳い上げようとするあまり
「我々はスコットランドが好きだ」
という思いだけでなく
「そして我々は英国が好きではない」
という考え方を世界に示してしまった。

それを聞いたスコットランド以外の
英国民がどんなことを感じたか。

「てへっ嫌われちゃったなあー!
でもいいよ、大丈夫、何かあと少しで
うちの国家の威信と貨幣の信頼性と
経済の安定性が
滅茶苦茶になる所だったけど!」
と笑って許してくれるのか。

ただ、我々が忘れてはならないのは、
スコットランドの半数以上の人々は
そうした考え方に賛同しなかったこと。

また、今回『独立賛成』に票を投じた人の
すべてが「英国憎し」と
考えていたわけではないこと。

(ここ重要、試験に出ますよ)

(独立支持派だったけれども、
一部賛成派のあまりといえばあまりな
アンチ英国な姿勢に懸念を感じ
反対派に回った人もかなりいると思われる)

まあしかし英国は
世界に冠たる行儀作法大国。

これでいきなりスコットランドと
その他英国の皆様の
表立った対立が生じる、
ということはないと思います。

・・・ないと信じたいですね!

というわけで、ああ、もう、
本当にホッとしましたよ!私は!

正直昨日の夜はかなり怖かった!

今朝のラジオニュースを聞いた後の夫の一言
「妻ちゃん、僕と僕の母国が
弱き時も不安なる時も、
忍耐強くそばにいてくれてありがとう!」

・・・君・・・

相当、不安で弱っていたんだね・・・

アフターケアとしてわたくし
これから夫に優しくして参らねばなりませんので、
本日はこれにて失敬。


いやー今日も長かったですね!

明日からは通常運行に戻る見通し!

その前に1回
『嫌味ブログ』を書くかもしれんと
思っておりましたが、
朝のニュースで毒気が抜けた!

今回の結果に安堵した貴方も
悔しさに歯ぎしりした貴方も
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