昨日のクイズ:

この建物は何でしょう?


スコットランドひきこもり日記-こういうデザイン、嫌いじゃない


答えは

フリーメイソン総本部 』でした。


夫(英国人)とふたりで

「この建築デザインは

なんだか気になる感じだな!」

「雰囲気がありますよね!

銀行かしら、それとも証券会社かしら!」

と近づいていったら、

扉の上部にその旨記載が。


で、その横に

「現在館内資料館・図書室を

無料開放中、ツアーもあるよ!」

との広告が出ておりまして。


「・・・なあ、フリーメイソンが

こういうことをしていいのか?

世間のミステリアスな印象

自らぶち壊してどうするの!」


まあ、そういうイメージを

ぶち壊したくての

あえての作戦なんでしょうけど。


と、いうわけで、覗いてきましたよ

フリーメイソン総本部内。


まず重厚な建物の入り口をくぐると

受付にたむろしていた紳士淑女が

「いらっしゃい!

ツアー参加ご希望ですか?」


・・・なんだろう、この愛想のよさ・・・


フリーメイソンにようこそっ!

みたいな快活なノリなんですよ。


ちょっと待ってくださいよ!


ミステリー小説好きの皆様には

私の気持ちが

わかっていただけることでしょう。


フリーメイソンときたらイルミナティ、

そうさ三百人委員会、

世界はフリーメイソンによって

影の支配を受けている!

くらいの妄想は現代人として

こっそり胸に

抱き続けていたいじゃないですか!


それが何!


「ロンドンには観光?今日は冷えるわよね!

資料館と図書室は二階、階段を上がって奥よ、

お手洗いは廊下沿いにありますから!」


違う・・・これは違うんです・・・


もっとこう、暗い、陰鬱な、

戦慄を覚えるような対応

フリーメイソンさんにはお願いしたい・・・


せめて私の手荷物を

本気で検査するくらいのことは

していただきたい・・・!


まあ私の陰謀説に対する熱い夢なんて

彼らの知ったこっちゃないんでしょうけどね。


資料館と図書室は

それなりに見ごたえがありました。


古きよき英国の知識の塔!みたいな。


展示物の中に

奇妙な形をした陶器の器があって

「これはどんな儀式活用するものだろう?

入団式の宣誓か、それとも・・・!」

とか妄想を膨らませていたら、横から夫が

「君はその『おまる』が

とても気に入ったみたいですね!」


わがフリーメイソン幻想

もうボロボロです。


まあこんなことを書いていますけど

私もフリーメイソンというのは結局

一種の親睦団体に過ぎない、という説は

存じ上げておりますから。

夫の親戚にも会員がいるらしいですし。


がっくり来ている私に

輝く笑顔の係員さんが近づいてきて

「館内ツアーを開始いたしますが

参加なさいますか?」


いえ、もう結構です・・・


モーツアルトの死に

フリーメイソンは

関わっていないんでしょう・・・?


力なくたたずむ私の前を

うきうきとした足取りで横切っていく

ツアー参加者たちはとても楽しそう。


さようなら、私のフリーメイソン・・・!


ところでツアー客の一番後ろに

制服警官がふたりいたんですよ。


あれは保安要員なのか?

それとも休憩時間の警官が

制服のままツアーに参加したのか?


「あの警官の姿は

フリーメイソンの謎を助長させますね!」

と建物を出たところで夫が発言。


「どういうことだ?」

「わが国の警察官の多くは

フリーメイソンの会員だ、という説が

英国には根強いんですよ。

警官になると必ず上司に

フリーメイソンへ誘われる、みたいに。

それを僕は長いこと

単なる都市伝説の一つと

思ってきたのですが、

今日のあの制服警官ふたりの姿は!」


・・・なるほど!


じゃあ私もまだ

子供の頃から大事にしてきた

フリーメイソンの陰謀への憧憬

完全に手放さなくてもいいんですね!


ありがとう、ありがとう!


・・・もはや何が何だか

わからなくなっておりますが。


とりあえず

フリーメイソン総本部の皆様は

親切でございました。


近所には

『フリーメイソンズ・アームス

(Freemasons Arms)』

というパブもございます。


スコットランドひきこもり日記-看板、見えますか


以上、イングランド観光情報でした。



今回の笑いの底にあるのは

フリーメイソンに対する

私の勝手な期待と幻想であり

団体としてのフリーメイソンを

揶揄する意味は一切ないので

そこのところはよろしくお願いします


ダン・ブラウンの『天使と悪魔』や

『ダ・ヴィンチ・コード』は

よくできたフィクションですよね

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