金融危機のこの時代、

羊に投資するのもひとつの手じゃない!

と主張する夫(英国人)のことを

妻として生暖かい目で

見守っておりましたらば

(詳しくは昨日の記事 をご参照ください)。


「妻や妻や、例の

羊購入計画のことですけど。

僕、本気で羊を買っていいですか」

「まあ私は止めはしませんよ

「ありがとうございます。

だいたい1000ポンド

(約15万円)くらい

投資しようと考えています」


・・・また思い切った額だなあ。


しかし夫が一度やると決めたからには

そこはもう余計な口を叩きたくはない。


うん、いざという場合は

月に一頭ずつ羊を食べればいいよ!

私も羊肉は大好きだから!

と、自分のことを無理やり納得させ、

夫のことはしばらく放置していましたら。


「ねえ、妻や妻や。

さっきの羊購入計画の話ですけど」

「うん、何だ?」

「あれさ、僕が羊を買うんじゃなくて、

君が買ったほうが色々得だと思うんですよ」


・・・何故話がそうなる。


「待ってくれ、理解が追いつかないのだが」

「いや、色々考えたんですけどね。

今年羊を購入して、で、来年の春に

同じ羊を売ったときに、万が一、

万が一利益が出ちゃうとしますよね。

そうすると僕はそのぶん

税金を払わなくちゃいけないんですよ」

「・・・なるほど?」

「でもね、この羊を君が購入した場合、

君は現在無職ですから、

来年の春にそれなりの利益が出ても、

課税対象にはならないんです!

よかったです、君が無職で!」


・・・よかった・・・のか・・・?


「というわけで、

この羊は君が買うことにしませんか?」

「・・・待ってくれ、私は今まさに

家庭内投資詐欺引っ掛けられようと

しているんじゃないだろうな?」

「詐欺だなんて!

こんなにいい話は他にありませんよ!」

「それは詐欺師の常套句だろ!」


「あとほら、羊の世話をするのは

僕の妹なんですけど、

彼女は君のことが大好きじゃないですか」

「まあ・・・そうらしいな(前述 )」

「同じ羊でもですね、

それが僕の羊であるよりも、

君の羊であったほうが

彼女は愛を込めて世話をすると思うんです。

羊の立場、動物愛護の視点からすれば

これは本当に大いなる差異ですよ」


・・・そう・・・なのか?


「妹に払う手間賃なんかは

僕が責任を持って交渉にあたりますから!

お金に絡む問題はすべて僕が解決します!

君は妹と楽しく羊の話をすればいいだけ!

どうですか、君、

美味しいところを総取りじゃないですか!」


上手い話には裏がある、と昔からいってだな。


「それともうひとつ、

君にとって素晴らしいポイントがあります」

「聞いてみようか」

「君が羊を購入したら、それは事業です。

その時点から

君はもう無職じゃなくなるのです」


・・・えっ・・・


「君が望むなら、アンケート用紙の

『職業』欄に『資本家』と書いても

それはもう嘘じゃないんですよ?」

「何だと、羊を何匹か買うだけで

私はもれなく

労働者の敵仲間入りを果たせるのか!」

「そうですよ、しかもこの場合

労働者である僕の妹は

君のことが大好きだときたものだ!

資本主義社会の理想図がここに!」


というわけで、現在私は

31.5頭の羊を所有しています。


この『0.5頭』が

どういう計算なのかと申しますと、

つまりは計63頭の羊を

私と義妹とで購入してですね。


あの・・・私、もしかして

夫に見事に丸め込まれたんですかね。



スコットランドひきこもり日記-君の見た光


釈然としない気持ちを晴らすために

ヨークシャーの青空を


今日スーパーで確認したら

羊の後ろ足が片足で

だいたい20ポンドだったんですよ


てことは両足で40ポンド


肩肉が10ポンドで

さらにお腹の肉とかも考えたら

うん、1頭30ポンドという値段は

個人的に納得できます


私の羊の写真は

11月くらいに

ブログに載せられると思います

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